A Moon Calendar of the people

シノラ(左)と祥司(右)2006年4月 神奈川県川崎市 祥司&シノラ宅

多摩川沿いにある奥西家の自宅、なぜか隣の家にはショーウィンドウがあり、なかなかお目にかかることのないオールドタウンカヌー「Pack」が飾ってある。昨年2005年、めでたく結婚した奥西祥司とシノラ。(おめでとう。) 僕にWebサイト制作を教えてくれたりする祥司はWebの仕事をしながらのサーファー、シノラは爪に色を塗るのが好きなネイルアーティストだ。そんな2人の家に「はからめ月のカレンダー」がかかっている。

早速お邪魔させてもらった。 部屋に入ると、壁に何かを貼るのが嫌いなのか、真っ白な壁にカレンダーが1つ掛かっている。本当に他には何1つ無い壁なのでカレンダーがやけに目立つ。これはこの家に遊びに来たたくさんの人たちの目に入るぞ、嬉しい事だ。

祥司がこよなく愛するサーフィン。水の気持ちを感じて水に乗るのだろう。これは月と水の乗り物か。話によると大潮のときにしか波乗りができないビーチもあったりするらしい。水はホントに全てを写し出す。鏡のように風景などの影像も写せば、人の心も水に写る。「移る」というべきか。そして写した後「出す」から自分に返ってくる。時には怖い思いもする。しかし、だから水に関わる人間の話は面白い。人が水を見たり選んだりすれば、その水もその人を見たり選んだりするのだから。
そんな事を僕はシノラが作ってくれた豆入りカレーライス(美味しかった。)をいただきながら考えていた。その後も祥司はコーヒーとシュークリームで、サーフィンを通して出会った仲間の事や、トリニダードトバコに住む仲間の事などを話してくれた。

写真では見えないけどモニタの上には寄生獣のミギーがいる。 シノラは言う、ネイルアートは「自然」とか「エコロジー」とは無縁、そして何も生み出さない、と。確かに物質的な面ではマニキュアとかその他、美しくするために使う素材は、土に返らないものが多いだろう。(最近は自然の素材を使ったマニキュアもあるらしいが。) しかし、シノラに爪を綺麗にしてもらった人は皆喜ぶ。佳子もやってもらって喜んでいた。これはすごい事だ。人を喜ばすのは素晴らしい。「喜び」と「幸せ」は伝染病。周りにいる人が自分の意思と関係なく、どんどん感染していく。そう、「はからめ」みたいに。
「自然」や「エコ」という言葉は「人間」がいなければ意味を成さない言葉だ。僕は思う、バケツ1杯の汚れた水を綺麗にする事に一生懸命になるより、1人の人間に幸せを振りまいたほうが僕たちが住んでいる地球は少しづつ綺麗になるのでは、と。そして、幸せにあふれている人は色々な物事に対しても優しくなれるんじゃないかなって。だから、幸せあふれるネイルアートを突き詰め(月?爪?)ていって欲しいと思う。

このコーナー第1回にあたってどう掲載されるかも分からないまま協力してくれた祥司とシノラ、本当にありがとう。また会おう。 (匠)

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