Mind & Body
このコーナーでは、はからめオススメの本や映画、音楽など、皆さんの生活がより豊かになるのではないかと私達が感じたものを紹介していきたいと思います。もし興味が湧いたら実際にご覧になってください。
はからめのオススメ−1 ・ はからめのオススメ−2

『無双原理・易』 桜沢如一著

  桜沢如一氏は原理の中の原理と題して、「宇宙万物は、陰陽より成る」と記しています。
桜沢氏はマクロビオティックの開祖といわれる人物です。食養の世界で「正食」と訳されるこの世界観の根本には、この無双原理があるのだと知りました。この世のすべては無双原理に基づいて考えられる、そうであるならば病気や事象もこの原理にあてはめることができます。これは大発見です。桜沢氏も大発見だと思って研究に研究を重ね、この書に著したのだと思います。けれどなぜ世界は変わらないのか、みなこの考え方を知らないのか、信じていないのか…。謎です。
1931年にフランス語で著された「東洋哲学及び科学の根本原理」を1936年に日本語訳したものの改訂版の新編集版ですから、いかに難解な書を現代人に分かりやすく編集してくれたのかが伺えます。一読してすべてを理解することは難しいのですが、根本にある考え方がわかるとすべての謎を解くヒントを与えてもらえたように思えます。何度も何度も読み返し理解を深めたい本です。はじめの岡田定三氏の解説が非常に分かりやすく説明してくれています。  (よ)

『日本語ぽこりぽこり』 アーサー・ビナード著

  詩人であるアーサー・ビナードさんのエッセイ集です。前都知事の石原慎太郎氏が芥川賞の選考委員だったときにアーサーさんを絶賛していたと聞き、小説家を絶賛させる文章って、と興味を持ちました。もちろん日本語で書かれています。
この本はすごく面白くて、ひとつひとつのお話には私の知らなかった日本語の言い回しが登場したり、シャレか駄洒落か、おやじギャグをとばしたりとこちらが教えられることばかりでした。
海外に行くと改めて日本のことをちゃんと見れるようになるとはよく言いますが、アメリカ人であるアーサーさんの視点からとらえた日本は、日本の中だけにいる日本人よりもよくこの国を見ているように思います。ぽこりぽこり、なんだかかわいい擬態語ですね。この「ぽこりぽこり」、もしくは「ぼこりぼこり」を使える日本人はどれくらいいるのでしょうか。これからのこの国は、日本語を使える人たちが担っていくことになるでしょう。
日本が国際化を宣言したあの日から、日本語と日本文化はアメリカにおける先住民(インディアン、ネイティブアメリカン)と同じ末路を辿るような気がしています。せめて、日本語だけでも残すことができれば、言葉に宿る魂が、時を越えて未来の人たちへとメッセージを伝えることができるかもしれません。  (よ)

『宇宙船とカヌー』 ケネス・ブラウワー著 芹沢高志訳

  タイトルに惹かれ手にしたものの、読み終えるまでにかなりの年月がかかりました。それほど読むのに時間のかかった本でした。
宇宙船をつくるプロジェクトに人生をかけた天文物理学者フリーマン・ダイソンと、カヌーに惚れ込んだ息子のジョージ・ダイソンのことを綴った二重伝記です。1984年の本です。
驚くことにこの本で知った、第二次世界大戦下で日本に起きたこと、海洋カヌーバイダルカは当初どのような使われ方をしていたかなど、知らない真実がありました。それはこの本を読んでの副産物ということで、本筋は宇宙船開発と海洋カヌーの旅を交互に綴った内容です。時代が時代なので当然といえば当然ですが、フリーマン・ダイソンの頭脳は戦時中は戦争のために使われました。戦後彼は「宇宙探検こそ暗黒の世界に浮かびあがった輝ける希望」として宇宙船開発に従事します。宇宙での核利用ということからフリーマンの宇宙船は実現には至りませんでしたが、その工程を綴るケネス・ブラウワーの記述は興味を惹くところがあります。あの時代にもうそこまで考えていたのかと思うと、人間頭脳を超えるものが関与していたのではないかとさえ感じます。
宇宙に興味がある人にはかなりおススメ本です。さてその息子のジョージのカヌー人生はというと、シーカヤックやバイダルカに興味がある人には面白いかもしれません。カヌーで海を航海してみなければ分からないことだらけです。10年以上経って、ようやくこの本を完読することができたのは、宇宙とバイダルカについて身近に感じはじめたからかもしれません。
この両極端な二重伝記が当初はベストセラーになったそうです。この内容を本当にたくさんの人が理解できたのでしょうか。夢物語として読めばそれもよし、けれど1984年以前にあった事実だということが何よりもすごいことだと今更ながらに思います。宇宙船とカヌーという非日常を描くこの世界観が人々を魅了したのかもしれません。その非日常が非でなくなるとき、この物語はかなりのリアル感を持ってやってきます。今一度、一読してみてほしい本です。  (よ)

『木とつきあう知恵』 エルヴィントーマ著 地湧社

  「家を建てる前にこの本を読んでいたら…」と思います。「森へ入って、使う用途にあった木を探す」考えなくてもシンプルな行為なのですが、ほとんどの建材や家具に用いられる木は「どこかの国で誰かが切り倒した木」であることが多いです。もし自分で使う木を選ぶことができたら、切り倒す日も選べるのであれば、この本にあることを是非実践したいです。新月伐採した木を用いることでたくさんのいいことがあるのになぜその知恵を使わないのか、もしかしたら知らないだけなんじゃないか…。
この本では釘も接着剤も使わない、木材だけで建てる家について紹介しています。完全とはいかないまでも、塗料や接着剤もできるだけ自然界にあるものの中から選べたらいいですよね。木とつきあう知恵を学んだら自然とつきあう知恵も育まれると思います。生産者の方々にも是非「木とつきあう知恵」を学んでほしいです。  (よ)

『ホクレア』 内野加奈子著 小学館

  ハワイから海洋カヌーで旅をした経験は壮大なひとつの物語を読んでいるかのようでした。
ホクレア号というハワイの伝統カヌーに乗ってハワイアンとともに日本へと航海をした内野加奈子さん。GPSを用いる前の伝統航海術を学び、星や波のパターンを読み、遠くの島々へと航海する物語は、私たちの忘れ去られた記憶を呼び戻します。かつてのハワイアンがそうだったように。科学や文明が発展を遂げ、機械が正確に時を刻むようになってから、便利さと引き換えに人間の本能が失われたと感じているのは様々な国の先住民族だけではないと思います。今では使われなくなってしまった人間の本能を呼び覚ますことで、人としての生き方をもう一度考えることができる、カヌーというものを通して同じことを感じている人がいるのだと知って驚きました。この何にも代え難い人間の力を、本という形を通してその叡智を分かち合ってくれたことに感謝です。  (よ)

『ヤナの森の生活』 ヤナ著 ケイコ・フォレスト訳

 2017年、ハワイ島でケイコ・フォレストさんと出会いました。森の中で暮らすと自然と共存しながら自然の叡智を身につけます。自分の暮らす環境を保つためには水やトイレのことも工夫しなければなりません。この本は2012年にケイコさんがハワイ島の森に暮らすフランス人のヤナさんの言葉を綴って作った本です。
旅人がどんな流れで定住する地までたどり着いたのか、ヒッピーとは時代やファッションだけでなく、自然に叡智を求め、学び、そこから自分の流れを見つける人たちのことをいうのかもしれません。大地と暮らすための工夫などはとても面白く、どこで暮らしていてもその土地にあるものを生かして使う点はわたしたちも同じです。自然の中で生きるということは創意工夫の連続です。ヤナさんケイコさんから受け継いだメッセージを今こそ実践するときだと思います。  (よ)

『ペレ』 ハーブ・カワイヌイ・カーネ著 新井朋子訳 ホクラニ・インターナ ショナル

 ハワイ島ボルケーノ国立公園にあるジャガーミュージアムで見つけた本です。ペレについての日本語版の本がありました。ハワイ島に来たら誰もがペレの名を耳にします。この島の女神です。人々に警告し、火山を噴火させ溶岩を流して大地をのみこむ力を持っています。この本ではペレの生い立ちから今に至るまでの物語を迫力のある絵で見せてくれます。オヒアレフアの伝説やペレにまつわる不思議な話など、ハワイを知るのにとても役立ちました。
著者、画家のハーブ・カワイヌイ・カーネ氏はハワイのアーティスト、歴史家です。「ポリネシア人の航海に関する研究がホクレア号建造へと繋がり、その初代船長を務めた」人物です。ハワイ島でこの本に出会えてよかったと思います。とても素晴らしい本です。  (よ)

『イワンの馬鹿』 レフ・トルストイ著 北御門二郎訳

 福島県須賀川市にある穀物菜食レストラン『銀河のほとり』の有馬克子さんから紹介してもらった本です。誰もが知る童話「3匹の子ブタ」のようにわかりやすいお話です。現代を生きる人すべて、さらに経済中心に考えている人や今の政治家、アメリカ大統領にも読んでもらいたい本です。
訳者である、1913年生まれの北御門二郎氏はトルストイから学んだ「絶対的非暴力」を貫き兵役を拒否したそうです。本の終わりにトルストイの略年譜が掲載されていて、トルストイがどんな人物だったのか、学校で習ったトルストイや映画化された作品からだけでは伝わらない生き方を知ることができます。チャイコフスキーやガンジー、エジソンにも讃えられても、どんなに有名になっても、彼は満ち足りることなく自分の人生の旅をあきらめなかったのでしょう。何度も何度も読み返したくなる本です。  (よ)

『おぢいさんのランプ』 新美南吉 著

 阿蘇のキルプ書房にてこの本を手にし、その場で店主の渕上さん、オーナーで菓子職人の仁美さん、匠と私で「この本に旅をさせよう。」ということになりました。まずは阿蘇から福島へ、そこから先は本と出会った方々の行くところへと旅が続きます。2020年、阿蘇のキルプ書房に帰郷するということだけ決めてあてのない旅へと出発しました。
『おぢいさんのランプ』にはいくつもの短編が収録されており、登場人物も行ったり来たり。少年だった久助くんがいろいろなところへ行けるかな。教科書に掲載された『ゴンギツネ』の著者、終戦二年前に29歳でこの世を去った児童文学家新美南吉の作品です。  (よ)

『茶の本』 岡倉天心 著 桶谷秀昭 訳

 五浦美術館に展示されていた冒頭の訳を見て、惹きつけられました。原文は岡倉天心が1906年に英文で執筆したもので、この本には日本語訳と解説と英文が収録されています。
「茶の始まりは薬用であり、…」の冒頭の文章には日本人も心打たれることと思います。東洋人が西洋人に蔑まれてた時代に、東洋の思想と哲学を伝えた岡倉天心。この本は海外の教科書に載るほどに有名だったそうです。美術界における軌跡を辿るだけでも希有な人生と思える氏の、内に秘められた詩的な表現が溢れ出ています。天心独特の美学がちりばめられた文学です。その耽美かつ詩的な表現に、日本人とはこのような情緒を持った民族であったのか!と目から鱗が落ちました。茶の道、道教と禅、芸術、花、と綴り最後は千利休…。時代を超えた申しぶんのない一作品を観劇したかのような錯覚を覚えます。訳者桶谷秀昭氏の解説もとてもいいです。
『Book of Tea』は海外で賞賛され、のちに日本語訳がいくつも出版されています。私は現代語訳より古典かな使いの訳のほうが当時の情景を感じられる趣があって好きです。冒頭の文章に至っては、古い訳でなければあの感動は得られないと思いましたが、かなりの数の現代語訳が出版されているのでわかりやすくなって広く読まれているのだと思われます。日本を知りたい海外の方にも紹介したいすばらしい本です。  (よ)

『森へ』 少女ネルの日記  ジーン・へグラント著 山本やよい訳

 電気がこなくなって町は荒廃し、お店には商品が並ばず治安が悪化、ガソリンもなくなり移動手段もなくなってしまったら…。
1997年に日本語訳されたこの小説は、今の私たちにかなりのリアリティを感じさせてくれる内容だと思います。家族と共に森に住む主人公は、夢や希望を持ちつつも日々の生活に追われていきます。親が亡くなり、生きるために作物を作りその保存法を学び、森の木を切って薪を使って生活をします。町から隔絶されたと思われる森の家にもいろいろなドラマが繰り広げられ、幸せ一辺倒ではありません。夢もあきらめなければならないかも…。生きるか死ぬかの生活が迫ってきて、それどころではないのですから。
便利な世界がなくなってしまうとき、当たり前の生活が送れなくなってしまうとき、人はどのようにして生き抜いていけばよいのか。もし自分だったら…、と考えてみるかもしれません。堅くなってしまいそうなテーマを次々にやってくるハプニングが面白く読ませてくれます。あっという間の本の世界は、読み終えた後の現実世界にもう一度立ち戻るチャンスを与えてくれます。  (よ)

『プレアデス『メシアメジャー』からの黙示メッセージ』  村中愛 著 小川雅弘 序文

 匠くんとわたしが出会う前に、匠くんはペルーで、わたしは高知のストーンサークルでこの方に出会いました。その時にも「何か不思議なものに導かれて感」がありましたが、この方と会う時には現実的なところとスピリチュアルなところのバランスがしっかりされている安心感というようなものをいつも感じていました。その時は本を出版していませんでしたが、「声」は既に聞こえていたのですね。この本はその「声」の主、メシアメジャーから届いた言葉を20年間記録したものです。予言や教え、警告が順を追って綴られています。すごいです。
小川さんの序文にあるように「万人のための本では ないけれど、世界中に、きっとこのメッセージたちに響く方々がいるはずです。その響く人へ向けて」出されたのだと思います。気になる方は是非お手に取って、じっくり何度も読み返してみてほしいと思います。  (よ)

『103歳になってわかったこと』  篠田桃紅 著

 以前ラジオで篠田桃紅さんのインタビューを聞きました。インタビュアーが篠田さんに長生きの秘訣として生活習慣や食事について尋ねると、「好きな時間に寝て好きなものを食べる。」と答えていました。仕事柄夜中まで起きているときもあるから早寝早起きではないし、一人暮らしで誰かに何かをしてあげる必要もしてもらうこともないから決まった時間というものもない。規則正しくなんてしたことがない。食べたいものを食べたい時に食べたいだけ食べる、と言っていました。世間一般的な健康論でなくても、103歳の方がこれまで生きてきてこうだったというのですから説得力があります。自由でいいのだと感じました。立派な言葉や格言ではない、一個人の価値観にあらわれている言葉に重みを感じます。こうありたい、こうあるべき、と決めつけたり目標を定めるのではなく、ひとりひとり違っているし、真実なんて誰にもわからないということが「103歳になってわかったこと」の中に書かれています。尊敬するギャラリーのオーナーがこの本をお持ちでした。芸術を愛する自由人におススメする一冊です。  (よ)

『「食の職」新宿ベルク 安くて本格的な味の秘密』  迫川尚子 著

 中学の同級生から「読んでみて」と手渡された本です。彼女から何年か前に「ベルク」を教えてもらいました。いいお店だなと思っていたので、よりリアリティを感じて読みました。ひと言で言って「面白い」です。食に関することの本質が詰まっている、と思うほどです。食材や調理の仕方、仕事への向き合い方、商品開発、マーケティング、職人さんとの関係に至るまで、感動を覚えます。スバラシイ。美味しいものを追求していく姿勢、15坪という限られた環境の中で1日1500人分の食材と食器等を扱いロスも出さない、作り置きもしない、ましてや新宿駅構内という場所で大手チェーン店ではなく個人経営、その中で常に進化を遂げ努力をしているというその姿勢に心打たれます。これはファンになっちゃいます。食に関心がある人たちみんなにおススメしたい本です。久住昌之氏(孤独のグルメの作者)の解説もまた絶品。これを読んで「ベルク」へ行こう!という気になります。  (よ)

『キネマの神様』  原田マハ 著

 全6回のラジオドラマで毎週楽しみにしていた作品です。西田敏行さんと竹下景子さんの二人芝居、一人何役もこなして小説をドラマ化しています。これまで聞いたラジオドラマの中でもこの作品は群を抜いていました。楽しみにしていた最終回を聞き逃したので、どうしても結末が気になって小説を探 し求めました。見つけたとたんに結末が気になりその場で読み進め、その瞬間からハンカチが必要な状況に。もちろん途中で止めることなどはできずに 最後まで読破、そして家に帰って最初から最後まで読みました。映像では感じられない小説のよさを味わえる作品です。
映画が好きな人には間違いなく共感できます。時代の遺物と現代のインターネット社会を感動的なストーリーで繋ぐまさに秀悦な現代小説、素晴らしい の一言です。これを読んだ人はみなキネマの神様の存在を感じるはず。解説の片桐はいりさんもすごくいいです。「映画ってほんとにいいですね〜。」 という声が聞こえてきそう、かなりオススメな小説です。  (よ)

『二十四節気で楽しむ庭仕事』  曵地トシ 曵地義治 著

 オーガニック庭仕事屋さんを営んでおられるご夫妻の著書です。曵地ご夫妻は農薬を使わない病害虫対策や自然環境に配慮した庭作りをされています。植物を相手にしている関係上、季節の移り変わりや虫たちの動向にはとても敏感なのだと思います。虫や動植物を観察することで自然界の動きを読みとって季節の移り変わりを感じ、適した植物の手入れ法を実践されています。観察するということから虫好きになり、数々の著書にも著しています。その洞察力には虫好きでなくとも興味を抱いてしまいます。日本の四季の美しさを二十四節気で詠み、俳句を通して日本語の素晴らしさを伝えてくれるとても楽しい本です。  (よ)

『薬草の自然療法』  東城百合子 著

 家庭の台所にあるものや野山、庭先に生えている野草を用いて体を治癒していくための知恵を教えてくれる本です。著者の東城百合子さんは大正14年生まれ、肺結核で死にかけたときに玄米と野草の力で助かりました。お医者様の処方してくれる薬や現代の栄養学では直せなかった病を、身近にある植物で直していくための方法を教えてくれます。どの野草が何にきくか、どう用いるか、また美味しく食べる料理法や保存食の作り方に至るまで親切丁寧に記述されています。1988年に書かれた本の新版(2010年発行)のようで、中のイラストがレトロでいい感じです。実践できる教科書、読んでいて楽しく、ためになります。一生使える本だと思います。かなりおススメです。  (よ)

『自分でわが家を作る本。』  氏家誠悟 著

 セルフビルドの参考となる本です。はからめランドの家もこの本から学ぶところが多々ありました。間柱筋交いの刻み方や入れ方などとてもわかりやすく説明しています。家作りほとんど全ての工程を写真とイラスト、文章で記録しているので、予習と理解のために家を作りながら次の工程を読み進めていきました。家の趣味や形は異なっても、在来工法で建てるのであればかなり参考にできます。仕事に通いながら休みの日を利用しての建築作業、家の中で朝と夜に刻み作業など、時間の使い方や効率よく1人でもできるような工夫などは実際に著者がやってみて得た方法、楽しんで家作りをしているのが感じられます。自分だったらこうするなと応用やアイディアを出したくなるような、セルフビルダーたちにはバイブル的な本になっているのではないかと思われる本です。  (よ)

『350万円で自分の家をつくる』  畠山サトル 著

 はからめランドの家作りに参加してくれたトシくんが持ってきてくれた本です。トシくんも自分で家を作ることを目的としています。15坪の家を予算350万円で施工期間6ヶ月で1人で作った著者の記録です。土地を探すところから確認申請、電気工事、設備工事、仕上げて完成まで、写真とイラストと文章で説明しています。建て方だけでなく、夫婦で作業をしたら仲良くなるか、たくさんの友人に手伝ってもらったらはかどるかなどのことに関しても正直に書いているところが参考になります。このセルフビルドの家は「住まいの環境デザイン・アワード2012」で空間デザイン最優秀賞を受賞しました。ちなみに著者は建築設計の仕事をしています。  (よ)

『木の家に住むことを勉強する本』  「木の家」プロジェクト 編集

 木のことを勉強するための教科書のような本です。森の育み方から森とともに生きる人々の紹介、木の種類や性質、木の家作りの紹介へと続きます。木を製材したときの呼び名や木造建築の用語集などもあるので参考にできます。セルフビルドというよりは、いかにいい国産材でいい大工にいい仕事をして家を建ててもらうかという施主の心構えのようなものを培う本です。木を育てるためには山の管理が必要で、山が豊かになれば川と海が育まれ、その恩恵で人間も生きることができるという循環を教えてくれます。  (よ)

タネヲマク 『タネヲマク』 出口晴久 他著 森の集い基金 発行

種、農業、在来種、食べ物、子育て、フクシマ、オーガニック。そんなキーワードにひっかかる人に手にしてもらいたい冊子です。「ささげ」「あずき」「じいとばあから学ぶこと」「タネカライブクロマデ〜羽間農園〜」「やさしさとしなやかさ」「子どもの食べ物から」「森の集いとはなにか」ここに著している人たちは地に足をつけた生活をおくっている、もしくはおくろうとしている人たちばかりです。
何をどう考え、どう行動していくのか、彼らの考え方や生き方を通して今の時代を垣間見ることができます。まさにリアルな時代の声です。震災を経て、関西から日本全体へ、そして世界に至るまでの思いを綴っています。ご希望の方は右下にあるメールアドレスに直接ご注文をお願いいたします。価格は1冊500円(税込)です。(よ)

『沖縄の舟サバニを作る』  ダグラス・ブルックス 著 俣野 宏司 訳

 沖縄の伝統的な漁船サバニを作る過程を記録したダグラス・ブルックス氏による記録著書です。ダグラス氏はアメリカ人の和船研究家であり船大工です。2009年11月から2010年1月にかけて沖縄に滞在し、伊江島に残る最後のサバニ職人下門龍仁師からサバニの作り方を学び、完成させるまでを記録しています。木造船制作に興味があり、舟文化を通して沖縄の島文化を知りたいという人におススメする本です。日本人が忘れ去ろうとしている木造舟文化を残そうとするダグラス氏の熱意には、人種を超えて舟民族の意地を感じます。  (よ)

『檸檬』  梶井基次郎 著 

 母から「情緒ある抽象画のような小説」といわれて渡された一冊です。著者の梶井基次郎は肺結核で31歳でこの世を去りました。病弱な体質の中で小説を書き綴っていたので、作品の中にも哲学的な苦悩や躁鬱的な感覚、若き死生観が感じられます。文学的な美しい文体、その苦悩や憂鬱さの表現には 芸術性を感じます。ゲーテの「若きウェルテルの悩み」を彷彿させる、そんな心境の作品に感じられました。「檸檬」はもちろん秀作ですし、この短編集の中の「桜の樹の下には」もおススメです。  (よ)

『琥珀の望遠鏡』  フィリップ・ブルマン 著 

 ライラの冒険第三弾、最終章です。いよいよこの物語の終焉が近づいてきました。登場人物が多くなってだんだん人の名前を覚えるのが大変になってきました。主人公が成長していき、物語を読み進めると同時に人生のスピードも速まっていきます。おとぎ話にありがちな結末にならないところがなんとも言えない余韻を残します。実際の人生だってそんなに簡単にハッピーエンドにはならないのですから、かなり現実味を帯びて読めるのではないでしょうか。風景や情景を自然にイメージできるようになり、読み終えたとたんにもうその世界を知ることができない空虚感に苛まされるかもしれません。小説のおもしろさを感じさせてくれる三部作です。  (よ)

『神秘の短剣』  フィリップ・ブルマン 著 

 ライラの冒険第二弾です。主人公が一人増え、冒険度が増します。このシリーズは指輪物語やハリーポッターと比較されますが、明らかに大人向けの小説だといえます。主人公の少年が殺人を犯したり、嘘をつきまくったり、ディズニーでは映画化されないであろう苦悩も織り交ぜつつ、少しずつ謎が解き明かされていきます。7年がかりで完成させたといわれるこのシリーズ、全三冊で完結なのでこの本を読み終えたら次が最後の一冊となります。ゆっくり読み進めて、こちらの世界とあちらの世界、いくつもつながるパラレルワールドをできるだけ長く楽しんでください。既存の宗教感を越えた思想の先に何があるのか、とても興味深い本だと思います。 (よ)

『黄金の羅針盤』  フィリップ・ブルマン 著 

 ライラの冒険の第一弾です。ハイウッドで映画化されました。第二弾、第三弾は宗教的な理由で今後映画化の予定がないそうなので、小説で楽しんでください。分厚い本ですがすごくおもしろいのであっという間に読めてしまうと思います。先が気になって時を忘れて読み進めてしまいますが、「今日はここまでにしておこう。」と区切って読むことをおススメします。早く読み終えてしまい、もっとゆっくり読んでできるだけ長く楽しめばよかったと後悔しました。登場人物も個性的で魅力的、ダストって何のこと?世界はここだけじゃないの?私にもダイモンがいればなあ、とまるでライラの世界とこちらの世界がつながっているような気がしてきます。そして、それは気がするだけではなく、実はつながっているということが第二弾で明らかにされる…。 第二弾もおススメです。 (よ)

『バウルを探して』  川内有織 著 

 バウルとはバングラデシュとインドの西ベンガル地方に暮らす神秘的な吟遊詩人たちのことをいいます。エクタラ、ドータラという一弦、二弦楽器を片手に歌を歌いながら放浪している修行僧で、宗教、カーストに属さないと言われています。
ラロン・フォキルというかつて有名なバウルがいました。 ノーベル文学賞を受賞したタゴールにも影響を与えていたといわれていて、その詩は宗教や階級、男女の違いを越えて人間は誰でも同じであるという思想を暗号のような比喩で表現しています。現在ではそのラロンの歌を歌い継ぐバウルがたくさんいて、国民的な歌手までもがその神秘的な歌を語り継いでいます。バングラデシュにバウルを探し求める旅に出た著者の12日間を綴ったこの本は、アジア最貧国、人口密度世界一、洪水多発地帯との情報しかなかったバングラデシュに神々しい一面を感じさせてくれるとても興味深い一冊、是非みなさんに読んでいただきたい本です。 (よ)

『Thrive』 フォスター・ギャンブル 

 Thrive(スライブ)は繁栄という意味。「すべての人類が等しく繁栄する」という思いを込めて制作されたドキュメンタリー映画です。世界がなぜ今このような状況になっているのか、宇宙に存在する基本構造から地球上でのエネルギーの流れ、お金の流れからみるピラミッド型経済システム、そしてわたしたち個人で取り組める解決策までを約2時間で解説してくれます。AmazonでもDVDが売っていますが、全く同じものがYouTubeで無料公開されているので、時間をつくって見てみてください。精神世界や宇宙についての興味を持つ人たちだけでなく、現実主義者や無力感に苛まされている人にもおすすめします。これを見ると今の日本がどのラインに乗っているのかを考えはじめるかもしれません。あなたの想像通りか否か。常に目覚めた状態でこの世の中を見ていくためのサプリメントのような映画です。YouTubeでの視聴は以下のアドレスから。
http://www.youtube.com/watch?v=yp0ZhgEYoBI

『世界のエリートはなぜ、この基本を大事にするのか?』 戸塚 隆将 著 

書店の新刊本コーナーで見つけた本です。この本でいう世界のエリートとは、 ゴールドマンサックス銀行、マッキンゼー・アンド・カンパニー、ハー バード・ビジネス・スクールのことをさします。著者はこの3つを経験した日本人で、そこではどんな方法で仕事をしているか、またどうやって結果を出していくのかを教えてくれます。「人とのつながりを大切にする」「自分磨きを一生継続する」など、生き方の基本とも思えることを大事にし、「時間に支配されずに働く」ために待ち合わせや会議の10分前には到着して準備をする、翌日の仕事をスムーズに始めるために「机の上を整理整頓する」。仕事じゃなくても、できたほうがいいですよね。上司とのやりとりや世界を視野に入れて働く点などは、キャリアアップして仕事もレベルアップしたいという人には興味を持って読める内容だと思います。2013年、世界で成功している日本人の考え方やモチベーションを知るという意味でも興味深い本です。ビジネスパーソンにはもちろん、そうでない人にも楽しめると思います。 (よ)

『7日間で突然頭がよくなる本』 小川 仁志 著

哲学者の書いた哲学をやさしく理解するための本です。「頭がよいとは、物事の本質をつかむこと」「人の話を理解するとき、相手の言葉の意味をつかんで応答すること」であると説いています。そのためにはまず、「社会のことを知る」、「哲学の知識を身につける」ことが必要だそうです。哲学の論理パターンを簡単に10個にまとめ、その「パターンを使いこなす」、「物の見方を変える」、「言葉の意味を膨らませる」など、7日間の実践法形式で書かれています。HOWTO本としてより、簡単な哲学入門書と捉えて読むと楽しめます。そして、読んだあとに頭がよくなった気になれるかもしれないという、ちょっとした哲学マジックを感じられる本です。「大事な事は、考え続けること。」、考える事が好きな人にオススメします。  (よ)

『女は毎月生まれかわる』 高岡 英夫・三砂 ちづる 著

1ページ目を開くと「生理が3日で終わる。排卵日がわかるようになる。月経のトラブルがなくなる。体調がよくなる。健康的にやせる。明るい性格になれる。成績や仕事の能力があがる。強い人になれる。美しくしなやかなからだになれる。美肌になれる。からだに自信がもてる。」などと書いてあります。いったいどんな方法で何をすればそうなれるんだろうか、しかも毎月生まれかわるって。
「月経血コントロール」という、生理の血をナプキンに吸収させるのではなく、なんとトイレで出す、という方法により、このようなからだからこころまでが変化するようなことが起こるのだそうです。しかも今に始まった訳ではなく、 着物を着ていた時代の女性は当たり前のようにできていたというから驚きです。洋服を着るようになって、女性のからだの機能が変化したのだそうです。からだをゆるめることと引き締めることにより、骨盤底筋を鍛え、血をためてトイレで出すという練習をするのです。その体操の仕方と呼吸法、体験談などがわかりやすく書かれています。この本に出会ったら、きっと早く試してみたくなって、次の生理がくるのが待ち遠しくなるでしょう。はじめのうちは、布ナプキンと平行して試してみるのがオススメです。 (よ)

『ひろがれひろがれエコナプキン』 角張 光子 著

布ナプキンをお使いの方、もっと深く布ナプキンを知りたい方におすすめの本です。布ナプキンの作り方、生地の無駄ない裁断の仕方から、草木染めの仕方まで、入門から応用まで読みどころ満載です。無漂白ネル生地へのこだわりや、生地の注文先なども掲載してくれているので、興味を持ったら行動に移せるところがおすすめです。前著『魔法のナプキン』の改訂版ですので、さらに読むところが増えました。
わたしと布ナプキンとの出会いは、旅先でした。作っている人からキットをいただいて、自分で作って使ってみました。それからこの本の前進の『魔法のナプキン』を読んで、よりからだのことや気持ちのことを考えるようになりました。布ナプキンのテキストみたいな本です。 (よ)

『スタンフォードの自分を変える教室』 ケリー・マクゴニガル 著 神崎 朗子 訳

アメリカのスタンフォード大学の「意志力の科学」という授業が話題となりました。生涯教育の公開講座で、自己コントロールを強化する成果があがったことから日に日に受講者が増え、人気講座となりました。この本はどうすれば欲望に打ち勝てるのかという人間の永遠のテーマを、まるで講義を受けているかのような文体で記しています。
人間はなぜ意志が弱く挫折してしまうのかを、脳のメカニズムや習慣などから科学的に検証します。そして実際に受講生たちに意志力の実験をしてもらい、結果から分析します。この事実に基づいた理論がスピリチュアル自己啓発本などと違う点です。落ち込んでいると誘惑に負けやすくなる、自分を許す方が責任感が増すなどの実験結果は、やらない方がいいことについ手を出してしまったり、欲望をうまくコントロールできないことを繰り返してしまう場合の対処法を教えてくれます。 つい読んで満足してしまいそうですが(それも理論上考えられます)何度も読めば実践する気持ちになれるかも、まずはその意志力を鍛えることが課題です。 (よ)

『柳宗民の雑草ノオト』 柳宗民 著  三品隆司 画

日本の野に咲く草花の美しい解説本です。季節が訪れたら咲き始める雑草たちがとても美しい挿絵で描かれていて、見ているだけでも楽しいです。植物 の名前を知らなくても目にしたことがある雑草は親近感がわくだけでなく、効能や由来などを知ることによってその植物とのコンタクトがはじまりま す。もとは食用として海外から日本へやってきた植物が帰化したものだとか、キレイだけどヤギが食べたら死んじゃったとか…。植物にも種類があっ て、個性があって、知るにせよ知らないにせよ効能や毒性があって、季節になったら人知れず咲き、散り、種を飛ばす。気候の変化に順応して飛躍を遂 げ、今の時代に生きて残っている。すごいです。人間も植物に学ぶべきところがたくさんあります。 (よ)

『なまけ者のさとり方』 タデウス・ゴラス 著 山川紘矢・亜希子 訳

15年くらい前に読んでいた本です。その後あまり手に取らなかったのですが、最近読み返してみました。さとりを得るために読むというよりは、落ち 込んだときや人生がいやになったときに読むのにおススメです。著者自身、「人生に再び行きづまり、途方に暮れた時に、読んでみたいと思うようなも のを書いてみるつもり」と記しています。わたしもいやなことがあって何もやる気がしなくなったときに、何となく手にして再読しました。元気なとき にはあまり読む気がしなかったのに、こういうときにはスルスルと入っていけるのですから不思議です。もしもそんなときがきたら、何かアクションを 起こす前にこの本を読んで人生の摂理を考えてみるといいと思います。 (よ)

『アレクセイと泉』 監督: 本橋成一

1986年のチェルノブイリ原発事故で放射能汚染されたベラルーシの村に住む青年アレクセイが、そこに住む人々の日常を淡々と語る、日本人監督のドキュメンタリー作品(2002年製作)です。水道のないこの集落では、みな泉に水を汲みにいきます。放射能により居住不可となったこの村の泉か らは放射能は検出されませんでした。みんなのいのちをつなぐ泉です。若者のいなくなったこの村で、アレクセイは両親の手伝いをしながら生活をすることを選択しました。彼は村のみんなにたよりにされています。村の行事や儀式、生活様式はとても興味深く、水場の木枠を新しくする作業などの力仕事も、年老いた男性たちが電気や重機などを使わず(おそらくないのかもしれません。)チェンソーと斧だけで組んでいきます。これが最後となるだろう、と語るところをみると、やはりこの村はやがて消え失せてしまうのかもしれません。リンゴの実る、自然豊かなとても美しい森をたたえたこの村 で、目に見えない放射能汚染とともに暮らす人々。この場所で生まれ、この場所を愛し、この場所で暮らすことを選んだ人々。まるで、未来のフクシマを見ているようです。この映画の中では、放射能や政府に対して、責めたり批判したり反対したりする描写はありません。ただ美しい泉を中心 に、アレクセイが語りつづけているだけです。だからこそ、見た人の心に触れる作品となったのでしょう。是非、今の日本に住む人たちに見てもらいたい作品です。 (よ)

『未来への舟 〜草木虫魚のいのり〜』 おおえまさのり著  日経ヘルスブックス

東京でフェアトレードショップを経営している藤田さんから、匠がいただいた本です。
『チベット死者の書』の訳者でもあり、現在自然農と向き合いながら八ヶ岳で暮らしているおおえまさのり氏が綴る、先人たちの、そして自然からのメッセージです。
東日本大震災と原発事故を経験し、その後の日本の動向を感じとり、戦争を忘れた世代の愚かさを戒めるかのように、ことばという武器を持って現代文明に訴え続ける作家のスピリットのようなものを感じます。「自然から魂を奪い」、破壊し続けてきている現代から、再び自然に魂を吹き込み、「そこにカミを見いだしてゆく物語を綴らなければならない」という使命感のようなものなのかもしれません。ページを開けて、そこに書かれているセンテン スを読んでいけば、今の自分へのメッセージと受け取れるような気がしてくるかもしれません。文字という媒体を使って自然からの声を聞く、貴重な本です。本をあまり読まない匠が「わかりやすい。」と言っていました。  (よ)

『腸をキレイにする!―いいウンチを出して便秘を解消する』 甲田光雄著 日経ヘルスブックス

からだのことを考えたとき、どうやって健康を維持するか、どうやって調子を整えるかということは永遠に興味の続くテーマです。この本によれば、腸の中がキレイであれば、花粉症や狂牛病、冷え性などが防げると説いています。腸をキレイにするとは、便秘を直して宿便をとるということで、この本では「西式健康法」という古今東西の健康法を研究した故・西勝造氏(1884〜1959年)の編み出した健康法を、甲田医院院長の甲田光雄氏が関西弁で説明しています。腸をキレイにするためには、「少食を心がける」「朝食は食べなくてもいい」「発酵食品と食物繊維を多く食べる」「肉食を減 らす」「質のいいものを食べれば一日10品目で十分」「生野菜を食べる」「玄米を食べる」などなど。「動物はみな、調子が悪くなると食を断つ。人間も断食をすることで老廃物が排出される。」もっともな気がします。この本を読んでいると、現代人は食べ過ぎなのでは、と思います。みんなが少食になれば食料難も解決できるし一石二鳥、まずは欲望をコントロールするところからはじめる必要がありそうです。 (よ)

『東洋医学セルフケア365日』 長谷川淨潤著 ちくま文庫

整体師佐野裕子さんから紹介していただいた本です。
自分でできるさまざまな健康法を、運動法、呼吸法、入浴法、食事法という基本的生活の中でのやり方で、季節ごとに、症状別に、そして心のケアにいたるまで、わかりやすく説明しています。
自然治癒力を前提に、体の不調は「症状事態が健康法である」という考え方に基づいて「症状を止めるのではなく、症状に任せることが健康な体をつくる」と説いていて、「体にまかせる健康法」として自働運動(ただポカーンとして体の内側の動きにまかせる)をいう運動法を説明しています。最も重要な運動は眠りだそうで、寝返りはその日の疲れや歪みを取るためのものだそうです。普段の生活の中に体を調整する動きが含まれているということを知れば、365日間、自分で体を癒していくことができるのでしょう。(よ)

『YOGA ヨガから始まる』 ケン・ハラクマ著 朝日出版社

ヨガスタジオInternational Yoga Centerの設立者であり、アシュタンガヨガの日本人最初の正式指導者であるケン・ハラクマ氏の著書です。ヨガとの出会いから、日本のヨガブームを巻き起こしていく経緯、そしてヨガとはいったいどういうものかということまで、ケンさんの人生を通してヨガを知ることができる本です。
ヨガという考え方や、実践、ライフスタイルとしてのヨガなど、ヨガに興味がある人や実践している人にはとてもわかりやすい本だと思います。サーフィンや北極点での経験など、ヨガと出会う前のケンさんの人生もかなり興味深いです。(よ)

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