月の手帳完成
中秋の名月 
2023年9月29日

十五夜:旧暦八月十五日。七、八、九月を秋とし、八月はその中にあたるため、「中秋の名月」と呼ばれ観月の好時期とされてきました。満月にみたてた月見団子(中国で備える月餅が起源)と魔除けとしてのススキを供えます。また収穫物を月に供える風習も残っています。(はからめ月の手帳より)

世の中は変わり続けていきますが、今も昔もこの先も、変わらず時を刻み続けているものが月の満ち欠けです。夜空を眺るよい季節となりました。

2024年のはからめ月の暦、どうぞよろしくお願いいたします。



関連サイト : はからめ月のカレンダー・月の手帳ページ

月のカレンダー発売
月のカレンダー、手帳発売 
2023年9月28日

明日は中秋の名月、
「はからめ月のカレンダー、月の手帳」の発売日です。
一年に一度、この日に向けて準備をしてきました、と言っても過言ではないくらい、この日を目標に製作を進めてきました。おかげさまで無事に完成することができました。(といっても手作りしているため、作っては発送するというかたちで日々作り続けています。)

明日より、2024年のはからめ月のカレンダー、月の手帳を販売いたします。
月のカレンダーはお取り扱い店様よりお求めください。

<月のカレンダーのお取扱店はこちら>

月の手帳はわたしたちへ直接ご注文いただく注文販売となっております。ご注文いただきましてから製作してお送りさせていただきす。(手帳と一緒にカレンダーをご注文される場合は同包して送らせていただきます。)

2024年のはからめ月の暦、どうぞよろしくお願いいたします。



関連サイト : はからめ月のカレンダー・月の手帳ページ

やっさんと一緒に
いわき水害 
2023年9月27日

台風13号による被害のため、福島県いわき市では全国からボランティア受け入れをしています。
静岡県磐田市から大工のやっさんが1週間ほど支援活動をしています。
今日は雨のためボランティア活動がお休みになったとのことで、はからめランドに会いにいきてくれました。
いわきの水害支援にはOPEN JAPANの仲間も現地入りしており、同じ県内にいながら活動に参加できない心苦しさを抱えていたので、このタイミングでいわきからやっさんが来てくれるということを心待ちにしていました。予定では活動が終わった後に寄ってくれることになっていたのですが、急遽天候による空いた一日を使って来てくれました。

やっさんと会ったのは2016年熊本地震のボランティア活動のとき、匠が同じ現場に入ったのがきっかけです。その後静岡のお家を訪ねさせていただいたり、OPEN JAPAN事務所の移築のときには大工ボランティアとして石巻に来てくれたりしました。

やっさんは大工さんですが、いわき市へは一般ボランティアとして支援活動をしているので床下の泥出しなどをしていると伺いました。技術がある人でもマッチングができなければ、そのときに必要な活動にならざるを得ません。もちろんそれでも大助かりでありがたいことですが、大工仕事ができる人は貴重なので、必要とされる現場があればなぁ、と話を伺いながら感じました。

やっさんがこれまでボランティア活動をしてきた経験から、いろいろなところで話をしてほしいとの依頼があるそうです。少しでも支援活動に参加してくれる人が増えればいいなとの思いで話をしに赴くそうですが、話を聞いて感銘してくれても実際に現場に行く人はほんのわずかだそうです。どうしたらボランティアに行ってみようという気持ちにさせられるか、いろいろ話し合いましたが、そもそもボランティアとは自発的にやることなので、薦めることはできても本人の意志がなければ参加させることは難しいと思います。
ニートや引きこもりとよばれている人たちに参加してもらって、誰かの役にたって「ありがとう。」という言葉をかけてもらえたら何かが変わるのではないか、とも伺いましたが、参加するところにまで至らなくもどかしい気持ちもあり、今の社会のあり方が生きづらさを表しているようにも思えます。

現在いわき市では全国からのボランティアを受け入れています。
ボランティアに来る方の高速道路の無料措置がとられており、ボランティア活動日には無料で温泉にも入れます。(いわきの温泉はとてもいいお湯です。)やっさんは車中泊で自炊しているそうですが、いわき市にはリーズナブルな宿やホテル、飲食店もあるので、あまり難しく考えずにボランティア参加してみようという方がいたらぜひいわきを訪れてください。 災害ボランティア活動は出会いと経験の宝庫です。普段出会えない人や経験できないことなどを通して来てよかった、参加してよかった、と思えることまちがいなし。観光旅行に行く予定をボランティア活動に変えてみると、観光では味わえない地元の人たちとの交流を味わえると思います。興味のある方はいわき市の災害支援情報のウェブサイトをチェックしてみてください。



関連サイト : いわき市災害ボランティアセンター

月の手帳完成
こよみのお話会 
2023年9月23〜26日

秋分を過ぎ、秋の彼岸も今日であけます。

秋分:太陽が真東から昇り真西に沈み昼夜の長さがほぼ同じになる日。この日から夜が徐々に長くなっていきます。「先祖を敬い、亡くなった人々をしのぶ」趣旨の祝日です。(はからめ月の手帳より)

七十二候では「雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)」
夕立ちに伴う雷が鳴り響かなくなる頃です。
夏に見られた入道雲はいつしかなくなり、魚の群れのようにみえる鰯雲(いわしぐも)、鱗のようにみえる鱗雲(うろこぐも)が現れ、天高い秋の空が晴れ渡ります。

菊芋

こよみのお話会、10月は関西方面へと向かいます。

現在決まってる「こよみと暮らす こよみのクラス」スケジュール

◆10月19日(木)  奈良県 奈良市
《 あさひや おやこほうじ 》
場所:あさひや 奈良県奈良市丹生町1055

◆10月22日(日)  和歌山県 有田郡広川町
《 地球(ほし)と三日月 》
場所:地球(ほし)と三日月 和歌山県有田郡広川町西広237-4

◆10月25日(水)  大阪府 大阪市
《 サロン ド アハレヤ 》
場所:サロン ド アハレヤ 大阪府大阪市

◆10月26日(木)  兵庫県 神戸市
《 モダナークの地球学校 》
場所:モダナークファームカフェ 兵庫県神戸市中央区北長狭通3-11-15

◆10月28日(土)  愛知県 西尾市
《 Little Eagle 「水の星 つなぐ」  》
場所:ルナロッサ 愛知県西尾市東幡豆浜ノ山4-3

◆11月3日(金)  福島県 須賀川市 <出店>
《 銀河まつり 》
場所:銀河のほとり 福島県須賀川市滑川東町327-1

◆11月6日(月)  宮城県 仙台市 
《 Soul Tree 》
場所:Natural Cafe ROUTE 99 仙台市泉区長命ケ丘3丁目31-1

◆11月7日(火)  北海道 札幌市 
《 しまくま堂 》
場所:しまくま堂 北海道札幌市南区簾舞1-2-5-25

◆11月11日(土)  北海道 札幌市 
《 Land Edge 》
場所:Land Edge 北海道厚岸郡浜中町後静379

◆11月25日(土)  栃木県 那須町 <出店>
《 大日向マルシェ 》
場所:アワーズダイニング 栃木県那須郡那須町高久甲5834-14

◆11月26日(日)  埼玉県 加須市 
《 yoganoma & hifumi yoga 》
場所:yoganoma 埼玉県加須市諏訪2-9-35

◆11月28日(火)  神奈川県 藤沢市 
《 KISSAKO 》
場所:神奈川県藤沢市


各クラスの詳細、情報は「こよみと暮らす こよみのクラス」2023秋冬スケジュールのページを随時更新していきますのでチェックしてみてください。
「こよみと暮らす こよみのクラス」、秋の深まりとともにご自身の学びも深められ、日々の暮らしにお役立ていただければ幸いです。


月の手帳完成
月の手帳 
2023年9月21日(木)

月の手帳の校正が終わりました。
年々少しずつ内容が増えていき、年々少しだけ改良を施しているので、校正にかかる時間も増えていきます。なんとか中秋の名月に間に合うように、今から印刷を始めていきます。

菊芋

暑さ寒さも彼岸までといいますが、本当にお彼岸の頃になると暑気も落ち着き秋の気配が漂い始めます。今年の夏は一段と暑かったので、この言葉を耳にする機会が多いように思います。

残暑は秋の彼岸の頃には落ち着き、余寒は春の彼岸の頃には和らいでいくという言い慣わしですが、この言葉にはもうひとつ意味があります。
どんなにつらいこともやがては終わりがやってくるので耐えて希望を持ちましょう、というような意味合いとして使われます。
季節の変化を的確に捉え、生活の中に引用するという美的感覚、日本人の美意識を感じることばでもあります。和歌の中にもひとつの意味を他の意味にも解釈できるように作られたものがあり、ストレートに伝える部分と意味を感じとって伝わる部分とのダブルミーニングをひとつの歌に込めているというのを知ると、秀悦だなぁと感動します。

今年の手帳カバー。

月の手帳カバーも美しく仕上がりました。
昨年同様黒の麻布に金色の刺繍で月の満ち欠けをデザインしたもの、そして藍染の綿に銀の刺繍で月の満ち欠けとの2種類をご用意しました。
藍染の生地は色が褪せていく風合いも美しさのひとつとして愛されます。色落ちや色移りなどの心配もありますが、完璧なものでないものへの気遣いというのもまた、わたしたちが残していきたい文化のひとつのように感じられるのではないでしょうか。

手帳を縫い始めています。

月の手帳2024、中秋の名月よりご予約を承ります。


彼岸花が咲いています。
秋彼岸入り 
2023年9月20日(水)

秋分の日をはさんで前後3日間は秋のお彼岸です。
秋分・春分は太陽が真東から昇り真西に沈み、昼と夜の長さが同じになることから、あの世とこの世が近くなると考えられてきました。西方に沈む太陽に祈りを捧げ、極楽浄土へ想いを馳せる、仏教思想の先祖供養とともにお彼岸のお墓参りが定着していきました。仏教思想といってもインドや中国の仏教にはお彼岸という行事はなく、日本独自の信仰行事だということが興味深くもあります。

萩の花とよし子

国や風土によって思想や風習に違いがあるということは、この世の中に決まったことはなく、受け入れ培ったものがその世界の文化や秩序となる可能性があるということです。
同時に、廃れていくものはいずれなくなっていくことが考えられます。たかがこよみ、されどこよみ。

はたきを使っています。

「はからめ月のカレンダー」には日々を刻むこよみ以外にもちょっとしたおまけが仕込んであります。2023年版は使い終わったカレンダーで作る、大払えや年末大掃除にも使えるはたきの作り方を描きました。リサイクルリユースリデュースなど、ちょっとした工夫でできる楽しみも含めてお役に立てていただけましたでしょうか。作っていただいたというお声をいただき嬉しい限りです。

2023年のパラパラ漫画

2024年版もお楽しみに。


はからめ月カレンダー2024
八朔 
2023年9月15日(金)

葉月の新月です。旧暦八月朔日のことを八朔といいます。

早稲が熟す頃で「田の実の節句」ともいわれ、「たのみ」に掛けて日頃頼み事をしている相手に贈り物をする風習が生まれました。(はからめ月の手帳より)

京都の花街などでは芸妓さんや舞妓さんが芸事のお師匠さんなど日頃お世話になっている人に感謝を伝えるあいさつ回りをする習慣があり、「八朔のあいさつ回り」と呼ばれているそうです。今では新暦の8月1日に行っているようですが、かつては旧暦の八月一日、八月の朔月(新月)の日に行っていた行事です。
また、徳川家康が初めて江戸に入府した日であることから、江戸時代には毎年八朔の儀式が重んじられていたとのこと。吉原では白無垢で花魁道中を行うなど、かつては八朔にまつわる行事がありました。

コスモス

時は変わって現代、新月の日に願い事をすると叶うといわれるようになり、新月の願い事を書く習慣が生まれています。今日は乙女座の新月。乙女座は仕事や健康を司る星座です。
新月をはじまりとして、月の始まりに計画を立てるのもいいかもしれません。

時代とともにこよみも変わり行事も変化していきますが、月の満ち欠けは古来から変わらずに時を刻みます。変わり続けていく世の中で、変わらないもの、変わりにくいものである天体の動きを知ることで、今を生きるわたしたちの指針としていくことができるのではないかと思っています。

森の様子

先月から始まった国有林の伐採が、いよいよはからめランドとの隣接部分に近づいてきました。朝からチェーンソーの音が鳴り響きます。メキメキッという木が倒れる音がして、山を見ると木が倒れる様子が伺えるところまできました。
今日はちょうど新月伐採にあたります。この木が材木として加工され、どこかで誰かの家になるのかもしれません。
木がなくなるとこれまで日陰だったところに日が当たるようになります。 山の風景も変わり、この森の様子にも変化が訪れます。

ただいまこよみのお話会のスケジュールを調整しています。
10月は関西へ、11月は北海道へ…。
こよみの発売は9月29日(金)中秋の名月です。


月カレンダー印刷完了
月のカレンダー 
2023年9月14日(木)

月のカレンダーの印刷が上がってきました。
これでA4、B4、令和サイズ全てのサイズが揃いました。
ここから製本作業が続きます。
「はからめ月のカレンダー」は和綴じで製本しています。一部づつ穴を開けて紐でちくちくと縫って綴じ、竹の芯を入れて1月の絵に金色のスタンプを押して完成となります。

製本に時間を要するので日々作り溜めて中秋の名月発売に備えています。

今年もこよみのお話会を開催します。
日本が西暦とよばれているグレゴリオ暦を使うようになってから150年。それまでは2000年以上もの間旧暦とよばれる太陰太陽暦を使っていました。文化や風習というものはある日突然形成されるものではなく、受け継がれ語り継がれて今に至ります。新しいものが採用されても美しいものや人々に愛され続けるものは受け継がれていきます。日本の美しき言葉や歌は和歌として今も人々の記憶に語り継がれています。
2024年のカレンダーには親しみやすい和歌を入れてみました。専門家によって和歌の意味の解釈などもされていますが、言葉の響きからそれぞれ意味を考えたり感じたりできるところが和歌のよいところでもあります。短い言葉の中に広がる世界。かつてこの国に暮らしてきた人々が紡いできた言葉に触れてみることで今を感じるきっかけになるかもしれません。昔の人が感じていた世界観を時を越えて想像してみていただければと思います。

こよみの発売は9月29日(金)中秋の名月です。


月の手帳、デザイン中
月の手帳 
2023年9月13日(水)

月の手帳のデザインをしています。
「はからめ月の手帳」は「はからめ月のカレンダー」を元にデザインをしています。
月のカレンダーを仕上げてから手帳の細かいデザインに入るので、カレンダーの製本作業と手帳のデザイン・校正が同時進行となります。これまでの規則正しかった時間の使い方から規則性がなくなりつつありますが、時間という制約を自分でコントロールできる自由があるのはありがたいことです。

解剖学者の養老孟司さんは、好きなことを仕事にするには好きじゃない仕事も好きにならなければできないというようなことをお話されていました。

常々思っている自由であるためには不自由であることも受け入れなければならない、でもその不自由さを知った上で自由を選択することが自由、なのではないか、ということを考えます。

完成するまでは細かく地道な作業が続きます。
産みの苦しみ、とはよく言ったもので、生み出すまでは大変ですが、生み出すためにやっているので、その苦しみも含めて喜びと言えるのだと思います。

はからめ月の手帳2024は9月29日、中秋の名月の発売開始です。


飯沼家と
那須野が原生き物ネットワーク 
2023年9月5日(火)

朝晩、虫の声が聞こえるようになりました。
木の葉も舞い、秋の気配を感じます。

那須野が原生き物ネットワーク代表の飯沼さん、さとみさんご夫妻が訪れてくれました。
飯沼さんは那須で無農薬野菜を作っており、レストラン「アワーズダイニング」の庭で開催している大日向マルシェの中心的役割をなされている方でもあります。 飯沼さんとのご縁を通して年末の大日向マルシェにお誘いいただき、農家さんや手仕事作家さんのお隣で暦の販売をさせていただいております。一年に一度、こちらでお会いできる方々との交流もあり、那須の方々との貴重な機会をいただいています。

画集

飯沼さんは絵描きさんでもあり、大日向マルシェや那須のアースデイのポスターも描かれています。今回農園のお野菜とご自身の画集を持ってきてくれました。

ナナミさんと飯沼夫妻

さとみさんと2年ぶりに、前回は恋人同士、今回はご夫婦として訪れてくれました。
時が経つのはあっという間です。
思い起こせば、いろいろなチャンスをうまく手にして今に至るという物語が出来上がっているのを感じます。人生って思いもかけないことの連続で、いかに自分から行動していくか、そのときそのときの選択次第なのだなぁと思います。人生苦もあれば楽もある、といいますが、全て今に繋がる布石として捉えることができるようになると、苦も楽もどちらも意味のある出来事だと思えます。

カレンダー、綴じ始めています

暦の製本作業が始まりました。
いち早く印刷が上がった令和サイズから、奥会津で紡いでもらったからむしの紐を使って綴じていきます。

2024年の暦がみなさまのところへ届くのをイメージしながら、ちくちくと縫っていきます。
暦の発売は中秋の名月、今年は9月29日です。



関連サイト : 那須野が原生き物ネットワーク

はからめ月のカレンダー2023年9月
9月の絵 
2023年9月3日

9月のカレンダーの絵は蒲(がま)を描いています。
日本各地の池や沼など水辺に生息する多年草の植物で、古くは人々の生活に利用されてきたようです。
昨年北海道に行った時に、アイヌの博物館で蒲の繊維を使ってゴザを編んでいる様子を拝見させていただき、その手仕事が生み出す創意工夫の美しさに目を奪われました。

蒲の繊維を用いてゴザ
(昨年、北海道のウポポイを訪れた際に展示したあったもの。)

アイヌの生活の中では、蒲の繊維を用いてゴザやカゴなど、暮らしに役立つものが作られています。 儀式で使うものなどには紋様が施され、美しいパターンが目を惹きます。蒲の花粉は止血薬に使われたりするそうです。

植物と叡智の守り人

『植物と叡智の守り人』で読んだ北米先住民ポタワトミ族の暮らしを思い出します。
その本によれば、蒲の根茎は澱粉質に富み美味しく食すことができる、葉から繊維をとって糸や紐を作ることができる、採取した時に出るジェル状の粘液は薬用となる、葉は住まいを作る材料になるとありました。スポンジ上の繊維は断熱効果と通気性に富み、座布団、ゴザ、敷布団として用いることができます。花穂の花粉は栄養価に優れているそうで、パンケーキやスコーンに入れて食すとか、とうもろこしの葉のように葉をはぎとった芯はキュウリやアスパラガス、アーティチョークの味に形容されていました。
ネイティブアメリカンの暮らしとアイヌの暮らしとの共通点を知り、時と場所を超えた民族の知恵を垣間見たような気がしました。

蒲の穂

以前、はからめランドを訪ねてきた薬膳の知識のある方から、蒲の穂から採った芯をお土産にいただいたことがあります。お茶として飲むと体にいいとのことで、煮出して飲ませていただきました。うっすらと黄色く色づいた蒲の芯のお茶は特に癖もなく、味は可でもなく不可でもなく、といった印象でした。
白河でお店を営む方からは、蒲の穂の灰は薄紫で細かくて、かつては囲炉裏や火鉢に重宝されたと聞いたことがあります。

大地と共に生きていた時代には、身近にある植物の有用性を知り、暮らしに役立てていたことが伺えます。
衣食住全てにおいて用いることができる有用植物、蒲。
その効果を知り、再び活用されるようになればいいですね。

そんな思いも込めて、9月の絵を描きました。

禾乃登(こくものすなわちみのる)

七十二候では「禾乃登(こくものすなわちみのる)」
穀物の穂が色づき始める頃です。

ずっと取り掛かっていたムーンサークルカレンダーのデザインもようやく完成に至り、入稿する運びとなりました。
ハワイの月暦と日本の旧暦とを合わせてデザインしている布製のムーンサークルカレンダー、2024年のテーマは「地球のまもりびと」。
仕上がりは10月初旬頃の予定です。


曽原湖
裏磐梯、奥会津、いわき 
2023年8月30〜9月1日

2006年に奥琵琶湖Wooden Boat CentreでWood&Canvasカヌーを作り、その後住まいとカヌーをつくるための場所を探し、2009年に福島県に土地を見つけました。原野を開墾し家と工房を建て、念願のカヌーをつくることができたのが昨年2022年のことでした。
拠点はありつつもようやく落ち着いて山の生活のリズムを刻み始められたのはここ数年位のこと、そして昨年の夏至の日に一艇目のカヌーの進水式を猪苗代湖で行いました。

そこからの展開はあっという間で、福島の木で作られた1901年モデルのW&Cカヌーは今年宮崎、そして北海道へと旅立ちが決まりました。

いつか福島の水辺に浮かべられたらいいな、との思いが実現したのが2023年8月31日の満月の日。
場所は裏磐梯の曽原湖、五色沼といわれる美しい湖群が点在する国立公園保護地域にある美しい湖です。

曽原湖

ここ裏磐梯には磐梯山が1888年(明治21年)に噴火してできた湖が300以上点在しており、見晴らせば安達太良山や吾妻連峰が望める雄大な自然に囲まれています。ところどころ見る風景はこれまで訪れたハワイ島や北米の風景をも彷彿させます。火山のエネルギーと湖の景色が織りなす大自然、スケールの大きさに圧倒されます。

秋元湖

秋元湖。
100年前も100年後も、この風景が望めることをイメージすることができます。

HOTELLI・aalto

今回裏磐梯でお世話になりましたHOTELLI aalto。
美しい自然に調和する美しい建築とおもてなしに触れさせていただきました。
裏磐梯の雄大さとともに、建築家益子義弘さんによる建築を知ることができたことも今回の旅の大きな喜びでした。景色をも取り込んだ空間デザイン、感覚が動き出すのを感じます。
ここにカヌーを浮かべられたら…いろいろな角度から美しい絵のイメージが湧きおこります。

金山町カヌー

月のカレンダー(大きいサイズの令和サイズのみ)の綴じ紐を製作してもらっている金山町在住の八須環さんのところへ伺いました。今年のカレンダー用にからむしを紡いでもらっていたものを直接受け取らせていただきました。
パートナーの友磨さんとご友人たちも一緒に近くの水辺にカヌーを浮かべます。友磨さんはアラスカのユーコン川をカヌーで旅した経験を持っています。カヌーはユーコン川旅以来だったそうで喜んでいただけました。

金山町ログハウス

ご近所に移住されたタクヤくんは現在友人たちとログハウスを建築中です。
ご近所にお住まいの大ちゃんは現在住まいを改装中、友磨さんも古民家を改装しながら暮らしています。 3人とも家づくりをしている最中で、家の構造的な問題や丸太の加工の仕方など、匠に熱心に質問していました。

丸太の加工を説明

奥会津から浜通りのいわき市まで走り、印刷が上がったカレンダーを受け取りに行きました。
来年の月のカレンダー、まず第一段の印刷が上がりました。すべての印刷が仕上がるまでにはまだ数週間かかりますが、一日でも早く仕上がり分を手にしたかったので、会津でからむしをいただいた足で一気に駆け抜けました。

裏磐梯でカヌーを浮かべ、奥会津でからむしの紐を作っていただき、いわきで印刷の仕上がりを受け取るという、The 福島という時を過ごさせていただいた3日間。
福島県に来て15年、今回の出会いによってようやく時と場所と人が整い、次のステージがはじまる予感がしています。



関連サイト : HOTELLI aalto ・ 湖畔のホテル クオレ ・ みみをすます ・ 植田印刷所
2023年10月<  >8月