伐採始まる
山 
2023年8月28日(火)

国有林の伐採が始まりました。
わたしたちの住む森は国有林に接していて、杉や檜が植林された山に囲まれています。植林されてからちょうど50年が経過し、お盆過ぎあたりから木を切る音が響いていました。どの辺りまで伐採されているのか見に行ったところ、これまで山菜取りに行っていた場所や歩いていた山道がどこだったのかがわからないないくらいに広大な面積が切り開かれていました。
この木を運び出すのも大仕事ですが、これを運び出してからもまだ、わたしたちの敷地に接するところまで木が切られ続けることになるはずです。

これまで木々に囲まれていた緑一色だった風景も変わることになります。

伐採始まる

海には人間が使った水が流され、大地からは人間のために木が切られます。
マウイ島で起きた山火事は風と炎が燃え広がり町が消失するほどの被害が出たと報道されています。
どれも人間の意図による自然界への支配力を誇示していると思えるような出来事が続いています。
この地球にある大切な存在である火、地、風、水への畏敬の念を忘れた時、わたしたちは大きなまちがいを侵すことになるかもしれません。
誰もが恩恵を受けているこの地球のエレメントへの感謝と貴重さを忘れずに。失ったものは簡単には再生されません。取り戻すためには何年も何百年も、千年万年かかるものもあります。

そんな火地風水への祈りを込めて、2024年のムーンサークルカレンダーのデザインを進めています。


ユキヲファミリーと
水 
2023年8月24日(木)

2023年8月24日13時。先日広島で水合わせをした水を福島の土地から沢に流した。
ちょうど同じ時間に、福島第一原子力発電所から、トリチウムの他、いろいろな放射線物質を含んだ水も海に流された。水は隣の水と合わさると、「薄まる」というイメージとともに「広がる」というイメージも持ち合わせる。
たくさんの人や物の中に、ほんの少し違うものがいると目立つ。


ユキヲファミリーと
来客 
2023年8月19〜20日

僕が高校生の時、美術学校の受験のための勉強というか、お絵描きの塾のようなものに通っていたことがある。 学校が終わって夕方に横浜の日吉にあるアトリエに向かうと、違う学校から集まってくる仲間と一緒に鉛筆デッサンや、絵の具を使った平面構成を描いていた。
そのアトリエで一緒だったユキヲがパートナーのチカコちゃんと、中学1年のワクと3人で、福島の山の中を訪ねてくれた。
毎日のように会っていたあの時から、それぞれ別の学校に入学。その後もちょこちょこ会っていたのだが、お互い今何をしているのかほとんど知らない状況だったので、1泊2日ユキヲファミリーとゆっくり話ができて楽しかった。
子供から大人まで人気の花札を作っている会社で働いているユキヲ。夜もみんなで話をしていると、自分のやりたいと思っていることは何も諦めることなく全部やるべきだという気持ちが湧き上がってきた。
それぞれの道を歩んでも、ただ友達っていうだけで理由なくまた会える「友達」っていうのは良いもんだ。

ワクとバックギャモン
(Photo Yukiwo)

翌日は、塙町でカフェを営む写真家ゲンショウさんが友達?を連れて訪ねてくれた。こちらもやはり都会から、ホテルのお仕事されているアユミさん。アユミさんはユキヲの会社のゲームが得意とのこと。子供の頃ロンドンの街中で街頭プレイをさせてくれるお店があり、そこでコントローラーを握ったアユミさんは隠れコインを叩き出したり、亀を踏んづけまくって無限アップなどのロンドンっ子が知らない技を披露してヒーローになった思い出を話してくれた。(何を言っているのか分からない人もいると思うけれど何を言っているのか分かる人もたくさんいるはず。)

ユキヲファミリーと

というわけで、来客が多い2日間だったけれど、何かを一生懸命やっている人は面白さが肌からにじみ出ている感じがあって良いなぁと感じた。
先日のウェルカム笠岡でも子供達と接する機会があったけれど、子供達に何か一言言えるのであれば、何でも良いからやるならば一生懸命やりまくって、そして失敗をたくさんしてほしい、一生懸命取り組んだ時の失敗は必ず自分の糧(かて)になる・・・。そんなことを伝えたいなぁと、ひとり文章を書きながら思うのである。

ただいまランド
入稿 
2023年8月16〜18日

月のカレンダーのデザインを仕上げ、入稿しました。
印刷をした際の色味を調整してもらうため、いわきにある植田印刷さんへ。
毎年恒例となったヨシ紙を持ち込んでの印刷にもスムーズに対応していただき、色の調整なども無事にすみました。顔の見える関係で仕事をお願いできることへの安心感、信頼感が築き上げられていきます。
まず第一段階無事にクリア、といった感じです。
この後はムーンサークルカレンダーのデザイン、手帳のデザイン、そして印刷が上がってきたカレンダーの製本作業が始まります。


ただいまランド
ただいまランド 
2023年8月12日(土)

まもなく家、という山道でご近所さんのトラックが立ち往生しているのに遭遇しました。
「エンジンがかからなくなってしまった。いいところに来た、広いところまで牽引してくれ。」
道幅の広いところまでハイエースで2トントラックを牽引してきて試しにエンジンをかけたら、なんと奇跡的にそのトラックのエンジンがかかりご近所さんは無事に家まで戻ることができました。

「お茶でも飲んでいきな。」と声をかけていただいたのですが、久しぶりに帰ってきたので早く家に戻りたいからとそのままはからめランドへ戻りました。

何事もなければいいな、と思っていましたが、しばらくぶりの山にまさかの出来事。
木が倒れていて道を塞いでいました。このままでは家の前まで行けませんし、倒れた木が薪棚の上に乗りその先端は工房の倉庫の屋根にかかっています。屋根が壊れていたら困ったな、と咄嗟に損傷箇所がないかを調べます。見たところはどこも壊れてはいない様子、そこまで大ごとではなさそうです。

ただいまランド

「まずは木を切って通れるようにしてから家に入ろう。」
帰ってきた早々いきなり木を退かす作業です。チェーンソーで運べる大きさに木を切って道をあけました。まぁこれで薪ができたと思えばラッキーと捉えられなくもないか…。

明るい時間に帰ってきてよかった、ご近所さんのトラックも、倒木による屋根の損傷もなく、ちょっとびっくりしたけれど無事にすんでよかった、この事件を前向きに捉える他ありません。

ただいまランド


10日ぶりのはからめランドは、木が倒れたり草が生い茂っていたりと山の勢いが増していました。いない間に強い風が吹いたのかもしれません。先日の京都の街並みを忘れさせるかのような出来事に一気にはからめランドの世界に引き戻されました。つくづく山の生活は自然界の勢いの中にあるのだと感じます。

かぼちゃ育ってます。

星の配列による影響なのか何かのメッセージか、この出来事を検証する間もなくワイルドな山の中でこよみのデザインの仕上げに取り掛かります。


バッジュ・シャーム・キョウト
バッジュ・シャーム・キョウト 
2023年8月11日(金)

8月11日は国民の祝日「山の日」です。
2016年から施行されるようになった新しい祝日で、国土の6〜7割が山林であることから「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」ことを趣旨としています 。
1995 年に「海の日」が祝日となったことをきっかけとしているそうです。 その海と山をつなぐものが川、いつか川の恩恵に感謝する「川の日」が祝日となる日がくるかもしれませんね。祝日と制定されずとも、この恩恵に感謝して生きることが日々の暮らしを豊かにしてくれます。

バッジュ・シャーム・キョウト

本当ならば今頃は福島に戻り、暦のデザインを進めているはずでした。
笠岡から帰る高速道路上で予定変更、急遽京都の宿を予約してそのまま宿へ直行、9日から2日間京都に滞在して11日からはじまるインドのゴンドアート、バッジュ・シャームさんの絵画展を見ることにしました。
キッチン付きのアパートメントホテルに滞在し、自炊しながら部屋にこもって暦仕事、なんだか締切間際の漫画家にでもなった気分です。

大倉正之助さん・石原貫也さんと


タイミングよく京都にいらした能楽師の大倉正之助さんにもお会いすることができ、カヌーを見てもらったり不思議な写真を撮られている石原貫也さんから龍の写真を見せてもらったりと濃い1日がスタートしました。
大倉正之助さんは先日福島を訪れていたようで、「ここにいってみたらいいよ。」といろいろアドバイスをくださいました。いつも興味深いお話と刺激をいただいています。

東寺にて

待望の東寺の食堂(じきどう)で開催されているバッジュ・シャーム展に来ました。
旅の始まりに立ち寄ったTARA COFFE&HERBの山本三枝さんからチラシをいただき、タラブックスの絵本の作家バッジュ・シャームさんの原画が見られるとあって、この機会を逃すまいと福島へ帰る帰路を2日間延長しました。
「プリミティブなフォークアートと抽象的な現代アートとが混然一体となった(タムラ堂代表田村実氏)」と表される絵の数々は、色彩豊かで細かい線の織りなす絵とも柄とも思えるパターンに刺激を受けました。やはり原画は素晴らしいです。
世界遺産の東寺で開催されていて入場は無料、写真撮影も可能なありがたい展覧会です。
8月29日まで開催されているので、興味のある方はぜひ足を運んでみてください。

晴明神社


京都に来たので陰陽師さんにご挨拶、実り多き今回の旅に感謝してこのエネルギーを暦に生かすべく再びロングドライブです。



関連サイト : バッジュ・シャーム・キョウト
大倉正之助さんのWEBサイト ・ 石原貫也さんのWEBサイト

海遊び
立秋、ウェルカム笠岡 
2023年8月8日(火)

夏土用が明け、暦の上では早くも秋。
とんぼが飛び交う様子が秋の気配を感じさせてくれます。

岡山県笠岡市で開催されている保養キャンプ「ウェルカム笠岡」のお手伝いに来ました。
こちらは先日の水の祈りでもお世話になっている「あるでばらん」の中村ご夫妻が世話人となって毎年開催している東日本大震災以降に東北の親子を受け入れている保養キャンプです。

海遊び

当初の予定では今日は子どもたちをカヌーに乗せてあげるプログラムだったのでずが、前日の雨で海で遊ぶ予定が繰り下がり、カヌーではなく海で泳ぐプログラムとなりました。
子どもたちが多いので私たち大人がいるといいとのことで、匠も私も久しぶりに海に入りました。おやつ用に40個くらいのおにぎりを握り、宿泊地から車で1時間ほどの青佐鼻海岸へ。

台風の影響で波が高かったので、はじめは怖がっていた子もいましたが、だんだんと海に入ることに慣れ、そのうち浮き輪と共に元気にはしゃいで海を楽しんでいました。
お母さんたちは浜辺で貝殻を拾ったり大人同士のおしゃべりタイムに花を咲かせています。
海の開放感はいいですね。
私たちも海水に浸かれる貴重な体験をさせてもらいました。
この「ウェルカム笠岡」は10日間の保養の中で毎年必ず海に入るプログラムを実施しているそうです。東北の海にはなかなか心地よく入れなかった時期もあり、放射能を気にせずに自由に海遊びをできる環境を作ってくれるのはありがたいことだと思います。海水に浸かるというだけでなんだか浄化されたような気がしました。

夕飯


夕ご飯はその時に来られる地元のスタッフも加わってみんなでなかよくタコライスを作りました。
宿泊場所となっている星の郷ふれあいセンターの調理室はかなり充実していて、広々とした環境の中でそれぞれ野菜切りやフライパン作業など分担して手際よくクッキングです。8月1日から始まったキャンプも8日目、明日が最終日となります。

スタッフのさくらこさんはワイン作りもされているとのことで、夜には大人のためのワインバーを開いてもらいました。 子どもたちは若くてかっこいいボランティアお兄さん(小学校の先生だそうです)を取り囲み、お母さんたちはワインバーを囲んで楽しいひとときを過ごします。
毎年参加されている親子さんと地元スタッフとのコミュニケーションを見ていると、イメージしていた保養キャンプとは異なるものでした。してあげるしてもらうという関係ではなく、誰もが同じ意識を持って関わり合い助け合うということの関係性に敬意を持って接しているという印象です。この心地いい雰囲気を作り出しているのは「ウェルカム笠岡」のスタッフのみなさんの普段の暮らし方の現れのように思えます。

調味料

キッチンに置かれていた調味料を見ても、食に対しての意識を普段から気にかけていることが伺えます。

夜のバー


ライオンズゲートが最も開いていると言われた今日は、朝から思いもかけないメッセージをいただきました。
そして夜はワインの影響もあってか、またもや深い時間となりました。
アークトゥルスという言葉を聞き、「アルコール取るっす(取り去る)」と解釈した匠くん、連日の疲れと明日からのロングドライブに、今日はお酒を抜いて休養すると決めました。こういう意識になれたということも特別な時間を過ごせたことの現れだと思います。


広島 山の家
山の家 
2023年8月7日(月)

広島でお世話になる中川圭子さんが 昨年から再生していた山の家は、明治時代頃からの古民家です。自分たちで茅を刈っておガラも集めてそれはそれは立派な茅葺き屋根の日本家屋が再生されました。

広島 山の家

古い家を再生するのはとても労力のいることです。よくここまで綺麗にして居心地の良い空間をつくられたなぁと関心してしまいました。
地域の大工さんやご近所さんも関わっての工事で、ここが綺麗になったことでこの集落が生き生きしていくことまちがいなし、いろいろな人を巻き込んでのよみがえりは御神事にも近いまつりごととなったことでしょう。
この素敵な空間に月のカレンダーがかかっていて嬉しかったです。

広島 山の家


アメリカから帰国中のイクさんと一緒に泊めていただき、明け方までたくさんの話をしました。
長野県の美麻村に住んでいたときの話や、ボブマーリーが来日した時のライブに忍び込んだ話、その後ライクーダーやトムウェイツの通訳をすることになってもうライブに忍び込まなくても関係者として堂々とライブを楽しめるようになったとか、
「ニューヨークで育ったから、わたし、度胸が座っているのよ。」
と少女のような笑顔で話すイクさん。
一昨年アメリカ先住民のホピ族のところに圭子さん御一行を連れて行ったエピソードなど、聞く話すべてが興味深くエネルギッシュでした。

フリースクールの世界会議で世界中を飛び回っていて、あらゆる価値観を理解していて誰とでもすぐに打ち解けてしまう魅力を持つイクさん。
約束せずともいいタイミングで会えて、すぐに意気投合してしまいます。時間を超えて過ごせる人、年齢や背景なども飛び越えて魂でコミュニケーションする人です。
今回は日本にセカンドハウスを見つける目的があるとのことで、これから会える機会が増えそうです。
そんなイクさんと圭子さんが出会ったのも2015年の水合わせのとき。
出会うべくして出会ったといえるでしょう。

広島 山の家


コーヒーを淹れてゆっくりめの朝食のはずが、このお二人との時間はいつの間にか時間がどこかへ消えてしまったかのようです。

わたしたちはこれから岡山県笠岡市で開催されている保養キャンプ「ウェルカム笠岡」に向けて出発します。


広島とうろう流し2023
灯籠流し 
2023年8月6日(日)

今年の平和公園にはたくさんの人が集まり、昨年よりも灯籠流しのテントの数も多く、灯籠にメッセージを書く人々の長蛇の列が見られました。晴天の中、時折ぱらぱらと雨が降ります。以前8月に北海道でカムイノミの儀式に参加したときにも晴天の中で雨が落ちてきて、アイヌのシャーマンが「天が喜んでいる。喜びの涙が降ってきているんだよ。」と言っていたことを思い出しました。

平和公園で開催されるひろしまおんらくまつりの会場へ行き、5日に水合わせをした水のボトルを届けました。
灯籠流しの火も、おんらくまつりで灯される火も、ともに原爆の残火として福岡県星野村に灯されている平和の火を用いています。

広島とうろう流し2023下井さんと

灯籠流しの火は下井さんご夫妻が1週間ほど前に星野村まで取りに行かれています。下井さんは灯籠流しの元実行委員長で、匠のカヌーの師匠の師匠であるバウさんがカヌーでお手伝いさせていただくはじまりのときからのお付き合いです。

おんらくまつりを開催している岩田雄大さんたちお仲間は、星野村から歩いて火を運んできました。途中の自炊にもその火を用い、1週間かけて火を消さずに広島まで歩いて辿り着きました。この平和の火を運んだことのある人はみな感じていることですが、火を運ぶ間には様々な出来事が起こったりいろいろなドラマがあるのです。昨年は岩田さんたちが歩いて運んできた火が会場手前で消えてしまったとのこと。今年は無事に火を運び届け、公園の中に火が灯っていました。
この火を灯すと知ってから、この水の祈りで合わせた水をぜひ渡したいと思い、毎年会場に届けさせてもらっています。先日福島で会った光の舞tomoさんにもここで再会しました。
昨年奈良で開催したこよみのお話会で出会ったまさみさん、石巻でのボランティアで知り合ってから毎年広島で会う岡野トモくん、いろいろな人のエネルギーが8月6日ここに集まります。

夕方、日が暮れ始めるころに灯籠流しが始まりました。

広島とうろう流し2023


今年の灯籠流しはちょうど干潮の時間帯から始まりました。流したそばから灯籠が河岸の岩の上に打ち上げられていきます。ひっかかってしまった灯籠をカヌーから降りて岩の上を歩きながら水の上に流していきます。写真を撮っている方々に「ここの灯籠も流して、今度はあっちも。」など声をかけられることもしばしば。岩のふじつぼが痛くてなかなか難儀な作業となりました。
海から近いので潮の満ち引きがかなり影響するのです。生きている川、海に注ぐ一滴、その上に流れる灯籠のひとつひとつにメッセージが書かれています。そのひとつの灯籠がひとつの魂のように思え、ひとつとして取りこぼさずに流してあげたいという気持ちになるのです。

灯籠流しをサポートしているサップチームの方々とも1年に1度、太田川の上で一緒に時間を過ごします。毎年顔を合わせているおかげか、今年はいつもよりも多く会話したような気がします。同じ目的を持って太田川に浮かぶ人たち。人と水とが灯籠の流れとともに混ざり合っていきます。
2時間ほど経って、潮が満ち始めました。

広島とうろう流し2023


流れ出すひとすじの光のライン。さっきまでの努力が報われたのかどうか、 こんなに静かで綺麗な灯籠の流れを見られることになるとは。

大三島から「オーガニックゲストハウス&カフェOHANA」の藤田さんが来てくれました。約束をしなくても毎年この日に広島で会えるのは嬉しいことです。誰もの中にある平和、祈り、広島への思いがひとすじの水の流れとなって光と共に海へと注がれていきます。

今年も無事にカヌーで灯籠流しをサポートするお役をやらせていただくことができました。見える形でサポートしてくれた方々、見えない形でサポートしてくれた方々、すべての存在に感謝いたします。
たくさんの人の思いも載せての水辺のサポート、見えない魂たちも一緒に浮かんでくれていたことでしょう。

山の家にて

夜は圭子さんたちが再生した山の家にイクさんと一緒に泊めさせていただきました。
イクさんとの話が盛り上がりすぎて気づけば朝方に…。

8月6日の広島は、たくさんの思いを受けてエネルギーが尽きるまで眠れない夜となります。


太田川に献水
水の祈り 
2023年8月5日(土)

5日午後、広島に到着。
「平和と美術と音楽と」を開催しているNPO法人Heart of Peaceの中川圭子さんにご挨拶。
2015年に圭子さんと出会い、太田川に水を献水させていただくこととなりました。
出会う人をみな圭子ワールドに引き込んでしまう魅力(魔力?)を持つ素敵な方で、広島を訪れたら圭子さんに会わずして帰ることはできなくなりました。一昨年には福島でも音楽祭を開催してくれました。

ポップラの麓に集まる


原爆ドームの上流にあるポップラの木の広場の前で水合わせ、そして太田川に献水。
司祭のように取り仕切ってくれたのは広島県出身、岡山県笠岡市で薬効シルク染の製品を製作販売している「あるでばらん」の中村俊一さん。阪神淡路大震災のときのボランティア「神戸元気村」のときからのご縁で、OPEN JAPANの仲間として一緒に活動をしています。見えない世界との橋渡しをしてくれる癒しの人でもあります。

そして今年も愛媛県今治市からカヌーを積んでやってきてくれたのは瀬戸内海の無人島までシーカヤックで渡り子どもたちを率いてキャンプをしながら野外生活を学ぶ「しまなみ野外学校」を主催するがってん。無人島キャンプ帰りで真っ黒に日焼けしていました。今年もパートナーのはるなさんと一緒に灯籠流しのサポートまで二日間、一緒に活動してくれる心強いチームです。暑さで茹だるわたしに、「広島は涼しいねー。海の上と無人島で暮らしていたから暑さは慣れたよ。」と言っていました。

全国から集まった水を合わせる

アメリカから帰国中のイクさんとも久しぶりに再会しました。
イクさんはサンタフェでフリースクールを主催しています。
2015年、水の祈り最初の年に一緒にカヌーで太田川を下り、それから帰国のタイミングに合わせて広島を訪れてくれています。

宮崎から参加してくれたのは先日W&Cカヌーを手にしてくれた山内ファミリー。柳瀬キャンプ場でも一緒に夜を過ごしました。

さまざまな人と水とが出会い、ひとつの時間を共有します。

近くには建設中のサッカー場


かつて中央公園だった場所にはサッカースタジアムが建設中で、これまで静かだったポップラの周りにクレーンや機械音が鳴り響き、年々変わりゆく町の風景を感じた中での水合わせでした。水合わせに来るたびに感じることや起こる現象を通して、まるで今の日本の縮図が起こっているように思えるのもこの旅の学びのひとつでもあります。

集まった水たち

毎年異なる水合わせの儀ですが、水が集まり太田川に献水するという行為は変わりません。
変わっていくものの中で変わらないものを持ち続けるのは人々の意識だけなのかもしれません。祈りを通してこの世界がどう変わっていくのか、ひとりひとり違った答えを導き出すと思います。そもそも答えなんてない世界で生きるわたしたちは、この世界をいかようにも変えていけるものだと思います。



今日の一曲 :  きれいな水 ー YO-KING [ニコニコ]

はからめランド お風呂にかかる橋
TARA COFFEE & HERB、なばな 
2023年8月4〜5日(水)

3日福島から広島に向けて出発し、4日尼崎にあるTARA COFFEE & HERB、穀菜食堂なばなさんに立ち寄らせていただきました。

TARA COFFEE & HERBさんは自家焙煎コーヒーと自然栽培ハーブティーをいただける素敵なカフェです。長屋だった場所をリノベーションしたおしゃれな空間で、飾ってある絵や本にもストーリーが感じられます。TARAつながりでタラブックスの本の話になり、その絵の作者の展覧会が8月11日から京都の東寺で開催されると伺いました。

Bhajju Shyam KYOTO


店主の山本三枝さんとは月のカレンダー&手帳がきっかけで、昨年開催した神戸でのこよみのお話会に参加してくれたときにお声をかけていただきました。今回ご近所の穀菜食堂なばなのひさみさんをお誘いして訪ねさせていただきました。いろいろなことがつながり、このタイミングでお会いできたことにご縁を感じます。

なばなでお買い物


その夜は穀菜食堂なばなのひさみさんにお世話になりました。ご友人永子さんも一緒に楽しい宴。有機野菜の移動販売をしているオーガニッククロッシングの出口さんが扱うお野菜を用いた野菜ディナー、料理研究家であるひさみさんは乾物レシピブックも発行していて、使い勝手便利でおいしいすき昆布も用いたお惣菜を楽しませていただきました。
乾物レシピブック800円。乾物料理キット「精進キムチ」750円。すき昆布(南三陸)515円。

ゴーヤ頂きました。

ゴーヤカーテンからゴーヤを収穫して広島でのキャンプに持たせてくれました。
こうしてさまざまな人の流れを汲んで太田川へと向かいます。



関連サイト : TARA COFFEE & HERB ・ 穀菜食堂なばな
今日の一曲 :  Willin' - Little Feat  [YouTube]

8月はお米の花
水の祈り 
2023年8月1日(火)

8月になりました。
今月のカレンダーの絵はお米の花です。
とても小さな花なので、よーく目を凝らさないと花だと気づかないくらいの開花、この花が実ってお米となります。

水の祈りのために


8月は水の使用量が最も多くなります。日本政府は水の貴重さの理解を深めるために8月1日を水の日、そしてこの日から1週間を水の週間として定めています。(はからめ月の手帳より)

先日立ち寄った滝のほとりで広島に捧げる水を汲みました。
乙字ケ滝という滝のほとりに芭蕉の句碑があり、その傍に水が汲めるところがありました。

毎年行っている水の祈り、直接水を持って集まる意外にも参加する方法があります。
捧げたい水をペットボトルなどの容器に入れて8月4日までに下記の住所に送っていただけましたら、わたしたちが太田川のほとりの水合わせの場所まで運び、集まったみんなで水合わせし、太田川に献水させていただきます。

水の祈り2023
http://canoeday.com/hiroshima/

先日はからめランドを訪れてくれた光の舞tomoさんも、熊野のお仲間とともに8月6日夕方に広島で水の祈りの舞を捧げるとのこと、水の祈りがあちこちで行われています。

オープンジャパンの災害支援サイト


全国各地で豪雨による水害が起こり、当たり前のように暮らしていた世界が一夜にして失われるという事態が起こっています。
現在オープンジャパンは秋田県で水害支援活動を行っています。

オープンジャパン災害支援
https://saigaishien.openjapan.net/

年々気温は上昇し、大雨や台風による水害が起こるようになりました。
都会ではヒートアイランド現象が起こり、地方では木々の伐採や土木工事による環境変化から地盤の崩壊が起こりやすい事態が進んでいます。異常気象や理由なき災害ではなく因果応報、すべては起こるべくして起こっているのだと気づいている人はどれくらいいるでしょうか。

はからめランド 月とカヌーのオススメ

月とカヌーのオススメ
『文明崩壊(上・下) 』 ジャレド・ダイアモンド著


『文明崩壊』という本によれば、人口が増え環境が破壊され文明が崩壊するという一途を人類の歴史から解いています。崩壊しなかった文明は、その民族が節度ある暮らしを維持したことによります。その方法は現代ではかならずしも肯定され得るものではないかもしれませんが、今の時代であれば『銃・病原菌・鉄』を使わなくとも知性による発展は可能だと思います。

暑くて危険だからクーラーをつける、開発をするために木々を伐採する、これ以上溜めておけないから放射性物質を含んだ水を薄めて海に流す、仕方がないからやるしかない、という方法はあきらかに文明崩壊の一途をたどるものです。わかっているのに止められない、これこそが文明が崩壊していくプロセスです。

果たしてどうにかできるのか。
たとえもう間に合わないとしてもやらないという選択肢はありません。
映画では宇宙にコロニーを作ったり第二の地球を見つけるなどの冒険が繰り広げられますが、選ばれしほんのわずかな人々の命をつなぐためにその他大勢を犠牲にするのは最後の手段、今の時点では地球が崩壊するスピードを少しでも遅くしてその間に解決策を見つける以外方法はないと思います。

小さなお米の花が実を結ぶように、小さな一雫が海へと注がれ地球を巡り、変化を起こすことができると信じています。その行為は小さいかもしれませんが、わたしたちは小さきものの強さを知っています。



今日の一曲 :  The Water is Wide - Charlotte Church  [YouTube]
2023年9月<  >7月