工房にて
カヌーの材、野田さん。
 2022年3月30日(木) 

カヌーの材を購入しにお隣町の押田製材所へ。
スプルースなど外国の材は品薄で金額も上がっているそうで、今回は国産の桧をひいてもらいました。匠くんは直接材木屋さんに足を運ぶことを楽しみとしています。社長の洋平さんに会って材を見せてもらったり教えてもらえることが今後のカヌー作りにも活かせます。製材所にはいろいろな木がたくさんあるので、いい木に出会ったら欲しい、という気持ちになるのです。

丸太買う

「丸太1本買っちゃった。」
いい木に巡り会えたのでしょうか。
選んだ丸太を見せてもらいました。
切ってみないと節が多いかどうかは分かりませんが、目利きの社員さんによると年輪のつまり方で節があるかどうかを見極めることができるそうです。今回入荷したこの杉材は建具屋さんが気にいるくらいの上物だそうで、匠くんもカヌーの材として国産の杉材を選ぶことにしました。
カヌー作りには細く製材したパーツをたくさん用います。さらにその材を蒸して曲げて貼っていくので、節のない柾目の材が望ましいのです。
丸太を選んで希望通りに製材してもらってカヌーを作る、一本の木を掘り出して作るカヌーとは異なりますが、やはり一本の木が舟の形になって水の上を旅するというイメージができるので、丸太を見させてもらうのはとても大切なことです。この木が山から川へと旅をするためには、こうしてたくさんの人の手を通して新しい命が生み出されて可能になります。

クロッカス

カヌー界の大先輩である野田知佑さんが旅立たれました。
アウトドアの世界でも野田さんの功績はとても大きく、わたしたちの周りにも野田さんに影響を受けたアウドドア関係の仕事をしている人たちがたくさんいます。
近年は友人を介して月のカレンダーを使ってくださっていたことを嬉しく思い、カレンダーでつながっていることを毎年話題としていました。
カヌーの世界をたくさんの人に伝えてきた野田さんの旅立ちは、ひとつの時代が幕を閉じた感を漂わせます。旅した川、出会った人たち、紙面で影響を受けた人たちも多かったことでしょう。84年の人生の旅、きっと今頃は最後の川を渡りきって、いい景色の中でこちら側を懐かしんでいることと思います。
野田さんの遺志を継ぐ人たちが活躍する時代となりますよう。
同じ時代を共有させてもらえたこと、出会えたご縁に感謝を捧げます。


関連サイト : 押田製材所

フェザーボード
ワカ、突然来る。
 2022年3月28〜29日 

バイクに乗って突然やってきた友人、通称ワカ。
数年ぶりの再会です。
ワカはカヌー仲間であり、2011年には石巻で震災ボランティアとしてともに時間を過ごしました。

工房にて

信州在住のワカは、ただいまテントを積んでバイクで旅をしている途中です。今朝は宇都宮からやって来ました。 奥さんとやりたいことリストを作って、その中に「バイクで旅をする」というのがあり、最近免許を取りました。今回は一人旅ですが、奥さんもバイクの免許を取得したそうです。すごいですね!

カヌーデイ100

わたしたちが2010年に開催した「カヌーデイ100」の話。
カヌーを100艇集めて大阪の道頓堀を下るというイベントにワカ&ミユキさんご夫妻はエントリーナンバー2番でいち早く参加してくれました。そこにエントリーナンバー1番の北海道から参加してくれたキヨシさんヨウコさんご夫妻が隣り合わせます。二組のカップル (お互い犬も一緒)はそこで初めて出会い、それからずっとご縁が続いて今に至ります。こういう話を聞くと、すごく大変だったあのイベントの意味を考え、今になってやってよかったなぁと思えるのです。

部屋の中で

ワカは放送エンジニア、電気関係の資格という資格はほぼすべて取得しているそうです。
やりたいことリストの中には「毎年資格を取る」というのもあるらしく、つい先日も滅多に取れない難しい資格試験にパスしたのだとか。
「オレってすごいじゃん、って思った。」
その資格が直接お金に結びつかなくても、知識として会得することができ必要な時には役立てることができる、そういう志を持って勉強にも励んだそうです。
仕事に誇りを持ち、遊ぶことにも労をいとわず有言実行の精神で臨んでいます。
カヌー仲間の中でも若いからワカと呼ばれていましたが、若かった頃のワカに貫禄が出て今の若者たちを引っ張っていく姿を知りました。
暗い気持ちの日本経済の中で、志を持って働く人を知ると希望を感じます。

3人で

関東地方では桜が咲いているそうです。
春を通り抜けて信州まで帰る旅、はからめランドにも春風が吹き抜けました。

フェザーボード
アウトサイドガンウェルを作る
 2022年3月27日 (日)   

作業工程が同じなので、インサイドガンウェルを作るときにアウトサイドガンウェルも一緒に作った方が効率がよいので、今日もガンウェルを作っています。
細長い材を4本用いるので、製材するためのガイド、フェザーボードというものを作りました。
5mサイズの細長い材をすべて均一に手で4本製材するのはけっこう大変。ちょっとでも反ってしまったらサイズが変わってしまいますから慎重になります。
集中力だけでなく、手元が狂わないようにガイドを用いることによって、すべてを同じサイズに製材することができるようになります。
はやく先に進みたいところですが、これを作るためにはまずこれを作る、というのが最初の一艇を作る上で生じてくるつまづきのようなもので、ここで努力と忍耐が試されます。急がば回れ、という言葉は何度も経験していながら何度もつまづいてしまうもの。この努力と忍耐もカヌー作りから学ぶことでもあります。

曲げたステム

先日スチームベンドしたステムを型から外し、カヌーのフォームに当ててみました。
「なかなかいい感じ、ちょうどぴったりだ。」
ここに至るまでがけっこう大変でした。このやり方でできるということが分かってよかったです。

ヨーク

これはカヌーのセンターに取り付けるヨークというパーツの型です。
これは以前メイン州での旅のときに実寸をとってきたものを写して作ったものです。
16年以上の年月を経て、紙から木へ、二次元から三次元へ。

ネギの苗

ご近所さんからネギの苗をいただきました。
昨年いただいたときに、だんだん細くなっていって最後は溶けてしまった、と言ったら、「土が酸性なんだね。」と言われました。
ネギは酸性土壌ではうまく育たないそうで、土に石灰を入れるようアドバイスしてくれました。石灰がなかったのでアルカリ性にするために薪ストーブから出た灰を入れて代用してみます。

思いつきまんじゅう

<思いつきまんじゅう>
甘いものが食べたくなり、薄力粉も上新粉もなかったのですが、今あるもので作れるか思いつきでやってみました。ちょっといびつですが、見た目も味もおまんじゅうになりました。
形にできるものはすべて、織物や絵を描くような感覚で、料理も創作トレーニングになります。
これと同じ材料で作ることはなさそうですが、味はそれなりに美味しく、思いついてすぐに作れるところ、結果がすぐに分かるところがよいです。

<材料>
強力粉、はったい粉、やまいも、黒蜜、重曹、ベーキングパウダー。
餡子。

分量は適当(残っていたものを使いたかったので)、これに水を入れてちょうどいい硬さの生地を作り、餡を包んで10分蒸して火を止めて、そのまま10分放置しました。

思いつきであとからやまいもを入れたので、生地を均一に混ぜるのが難しく、やはり材料は最初に全て揃えてから作るべきだと実感しました。それでもそれなりにできたので、手遅れかと思ってもやらずにいるよりはやってみる、そしてその結果から学ぶということにもなり、思いつきまんじゅう、おもしろい試みでした。
以前熊本でいきなり団子というものを食べて感動してお土産に買ったことがありました。あれはいきなり思いついたのでしょうか。

インサイドガンウェルを作る
インサイドガンウェル(インウェル)を作る
 2022年3月26日 (土)   

今日はカヌーのインサイドガンウェルを作っています。
インサイドガンウェルは、のちに作るアウトサイドガンウェル(アウトウェル)も同様5mくらいの長いパーツなので、一本の木で作れなければ2本の木(3mくらい)を繋いで作ります。ガンウェルも曲げて使うので、つなぎ目が肝心となります。裂けたり折れたり外れたりしないよう、何度か試作して丈夫なつなぎ方をみつけています。

チューリップカヌー

暦のお話会のご要望を何件かいただいています。
昨年お休みしていた間にもたくさんの方から声をかけていただいていたので、今年は開催することに決めました。
暦を使っている方も、これから使ってみたいという方も、わたしたちのカレンダーを持っていなくてもご参加していただける内容です。
スケジュールが決まりましたらお知らせいたします。

タネツケバナ

今日は雨。
これでようやく雪が溶け、生えている野草を見ることができます。
クレソンはまだ水面でロゼッタ状に縮こまっていますが、地上のタネツケバナが咲き始めていました。小さいけれど味わい深い野草です。たくさん採るのは大変ですが、今日のサラダにしようとタンポポと一緒に摘みました。タンポポもまだ小さいのですが、ベビーリーフのようでかわいいです。

サラダ

Weavingも四作目。
Tシャツがなくなったのでブラウスやシャツなども交え、これまで使ったことのない素材を用いてみることにしました。異なる素材は伸縮性もまちまちで、けっこうやりにくいことがわかりました。着なくなった洋服を使うので、作りたい配色や好きな色を用いることができないところが難点でもありますが、今あるものでどんなものができるのかという面白さもあります。

Weaving

1番の目的は余計なことを考えずにもくもくと手を動かしてものづくりをすること。とにかく創作トレーニングとしてやっています。

リブを作る
リブを作る
 2022年3月25日 (金)   

WOOD & CANVAS CANOE、わたしたちが作るカヌーの材料は木と帆布です。
今日はカヌーの肋骨となるパーツ、リブを製材しています。
予備も含めて50本近くのリブが必要となります。

花わさび

午前中に花わさびを採りに行ったら、葉があまりにも青々とツヤツヤに輝いていたので、今回は花と葉の両方を収穫しました。

以前、森のイスキアの佐藤初女さんがほうれん草を湯がく時に、何分とか時間で計るのではなく、「野菜が透明になる瞬間がある。」と言っていたと友人から聞きました。それ以来、いつもその瞬間を見るようになりました。

レシピには80℃で10秒とありますが、量が多ければお湯の温度は下がってしまうのでやはり感覚で作ることになります。わさびが透明になる瞬間でお湯からあげて少しの塩で揉み込みます。
山荘でアルバイトをしていたときに教えてもらった方法では砂糖で揉み込んでいました。要は浸透圧の問題でしょうか、いずれにせよ、塩でも砂糖でもできる、ということですね。

菜の花

わさび漬けが食べられるのは明日からなので、今日の食材を探しに道まで行くことにしました。菜の花が出初めていることを期待して国道まで、森の中にはふきのとうはごくわずかで、菜の花は人の気配のある道端に生えてきます。
二人で草を探っていると、車で通りかかったご近所さんから声をかけられました。
「何してんの?ふきのとう?この辺りはまだ出ないから、友人のところにもらいに行ってきたよ。」と、車の中から出してきた袋にはたくさんのふきのとうが。
5、6個みつけて喜んでいたときに、20個程を分けてくれました。
道端の菜の花はつぼみが出たばかり、先端をちょこっとだけ摘ませてもらいました。
今日の夕食を収穫。虫や動物は毎日食べるものを探しています。日々食べるものを収穫しに行くとなんとなくわたしも同じような気持ちになってきます。

キセキレイ

工房の屋根にはキセキレイがとまって鳴いています。今年もまたこの季節が巡ってきました。
キセキレイは渓流沿いを生活圏としている野鳥ですが、外敵から雛を守るために人のいるところに巣を作る習性があります。
毎年わたしたちの暮らしている場所に巣を作るのですが、ほぼ毎回蛇にやられてしまいます。一度だけ工房の中で孵化した雛が無事に巣だったことがあり、それ以来毎回工房の中に巣を作りにやってきます。こちらの気を引いてコソコソとして、なんとなく憎めないかわいいヤツなのですが、機械の中や道具のそばに巣を作られると動かせなくなってしまので、こちらも目を光らせています。彼らも森の仲間ですが、蛇も森の住民なのでどちらの肩も持てません。すべては自然界の生態系の中で行われていることで、その自然界の中に人間がちょこっとお邪魔してしまったために利用されているだけなのです。
できるだけ加勢せずにいるべきなのですが、助けを求められるとほっておけなくなるもので、命を狙われているとあっては真剣です。でも理由なく狙われている訳ではないのですから、蛇を攻撃するわけにもいきません。命は助けたいけれど、わたしたちがその問題に首をつっこむことは、長い目で見ればいい効果を生みません。

クロッカス

ご近所さんからクロッカスの苗を株分けしてもらいました。
さっそく工房の前に植えました。
花が咲くのが楽しみです。

カヌー制作
将棋盤
 2022年3月24日 (木)   

カヌーを作るためには道具が必要で、道具を動かすためには電力が必要とされます。
ニュースでは電力不足のため節電を呼びかけていました。
わたしたち二人の山の暮らしだけであれば、小さなソーラー発電やキャンプ道具などでさほど電気を使わずとも生きてはいけるのですが、大きな機械を動かすとなるとやはり東北電力の電気を使わざるを得ません。
動力を引くための工事をしてから数ヶ月、最後の工事を待ってもらっていました。
工事を進めるにあたり、自分たちだけでは解決できない問題があり、ご近所さんや知人のつてを頼りながら、なんとか助けてもらっています。

木工作業所

機械を探しにご近所さんに紹介してもらって行った先は、なんと将棋の盤を作っているところでした。
将棋といえば天童市が有名ですが、まさか隣町にそんなレアな木工所があったとは。聞くところによると完成した盤は天童市に納品しているとのことで、藤井聡太さんの影響で将棋を志す人が増えて将棋盤の注文も多いのだとか。
結局ここでは目的のものがなく要件はすまなかったのですが、ここがダメならあそこに聞いてみよう、と匠くんも前向きに動き出しています。

あさつき

雪が降り寒さが戻り、山菜の芽生えもゆっくりめですが、春は確実にやってきています。
野生のアサツキ、以前あちこちに移植したものが順番に生えてきました。

ポテトサラダ

アサツキは西洋ハーブチャイブと似ています。チャイブの和名は西洋アサツキ。
卵やじゃがいも料理と相性がいいそうで、ヨーロッパでは「チャイブなしのポテトサラダには魂がない」という言葉があるそうです。

雪景色
雪景色
 2022年3月23日 (水)   

今年は雪が多く、予定通りにいかないことが何度もあります。
匠くんは町へ薪取りに、私は山で機織りを。
雪が積もると諦めに近い感覚が生じます。
森は白く眩しく輝いて、これを見ているだけで今日は何もしなくてもよいのではないかと思ってしまいます。

インドへ

横尾忠則の『インドへ』
三島由紀夫氏から「インドには、人それぞれに行く時期が必ず自然に訪れる」と言われたそうです。
わたしがインドへ行ってから20年が経ってしまいました。
「インドには行ける人と行けない人がいて、行く時期と行けない時期がある。」
当時そう聞いていたインドへ、確かに突拍子もなくいきなり行くことになりました。連れて行ってくれた友人の連絡先はもう分からず会えていませんが、あのときのことは今でも鮮明に覚えています。
カルマの話が出てきます。本当にそう思うことばかりでした。
当時わたしのまわりでは「インド病」が流行っていました。インドから帰ってくるとインドで見て体験してきたことが忘れられず、まるで病のようにインドで過ごした時間から逃れられなくなってしまうのです。これまでの世界が夢うつつ、はやくインドへ帰りたい…夢遊病者のように現実世界を直視できずに回帰することばかり思い焦がれるのです。わたしもしばらくその病を患っていました。

あのときの感覚が思い出されます。
色に溢れた神々と人々が褐色の大地と混ざり合い、生と死が混在してすべてがあるがまま、存在しているという事実だけが真実のような世界。
よく「呼ばれた」といって旅に出ることがあります。インドに呼ばれたのかどうか…。
大人になるにつれ無鉄砲な旅ができなくなっていきます。知識と情報が邪魔をして、危険を避けて安全で快適な旅を望むようになるからです。

それでも旅先では数々のハプニングが起きるので、予定通りにはいかないことも多々。やっぱり旅はいいですね。 いつでも自由に旅に出られた世界は過去のものとなりました。再びその自由を手にできるかどうか、何を信じどう行動すれば世界は平和になるのでしょうか。

現実世界があまりにも厳しいと、本の中に救いを求めることがささやかな精神の解放となります。アンネ・フランクが日記の中で生きていたように。

スチームベンディング

沢水に浸けていたステムをスチームボックスに入れ、「イッセーノ!」で取り出して素早く固定します。ゆっくりと迅速に圧をかけて曲げていきます。人力だけでは力が足りないのでクランプで固定しながらプレッシャー、プレッシャー。なんとか曲げきり、あとはこの形のまま固定します。

お風呂へ

春分を過ぎたのにまさかの大雪ですが、露天風呂からの眺めは格別です。

すいせん
春分の日
 2022年3月21日 (月)   

「自然をたたえ、生物をいつくしむ」という趣旨の国民の祝日です。1948年に制定されました。
季節の分かれ目である春分と秋分のことを二分といい、太陽が春分点から次の春分点に戻る時間を回帰年(又は太陽年)といいます。この一年に太陽は赤道ー北回帰線ー赤道ー南回帰線ー赤道の順に動きます。(はからめ月の手帳より)

二十四節気の「春分」
太陽が真東から昇り真西に沈み、昼夜の長さがほぼ同じになります。
七十二候「雀始巣(すずめはじめてすくう)」
雀が巣を作り始める頃、雀たちが冬の枯れ草や藁を集め跳ね回る姿が見られる頃です。

イラン暦ではノウルーズといい、元旦の祭りが始まります。
古代イラン、ゾロアスター教に由来するといわれ、イランを中心にカザフスタン、トルクメニスタン、キルギス、タジキスタン、アゼルバイジャン、アフガニスタン、パキスタン、トルコなどの国々で祝われます。

曲げの準備

カヌーの部材(ステムというパーツ)となる木を製材し、蒸し曲げるためにその準備として水につけておきます。
目の前に沢があるのでいい場所を見つけて一晩沢水に浸します。

マット製作

モノづくりに集中していると余計なことを考えずにすみます。
材料は母のスカート、叔母のセーター、匠くんのTシャツなど。断捨離にもなって一石二鳥?。

お雛様

和暦で祝うお雛様、上巳の節句は新暦4月3日です。
使いかけの母のスケッチブックを開けば21年前のお雛様が描かれていました。
チューリップを描こうと思ったら一番最初のページにチューリップのスケッチが。彼岸とはあちらとこちらがつながるときでもあります。


メープルの穴を塞ぐ
森の生活
 2022年3月20日 (日)   

メープルの樹液のシーズンが終わり、取水させてもらった穴を埋め戻します。こうしておけば穴は塞がり木へのダメージが減るので、メープルの木は枯れずに成長を続けることができます。一つの木に数カ所の穴を開ければたくさん採取することができるみたいですが、木に悪いなあと思ってわたしたちは一本の木にひとつの穴で採取しています。

パンとメープルシロップ

「野鳥にでもあげて」といただいた古米を使ってパンを焼きました。
野鳥は森の生態系の中でわたしたちの餌を必要とせずに生きているので、お米は人間がいただくことにしました。古いお米をなんとか工夫して食べる方法を見つけました。

インディアンガールのフォーム
フォーム完成
 2022年3月19日 (土)   

カヌーは一見シンプルな形ではあるが、その中でも色々なデザインがあり、大きさや幅、カーブのラインなどそのカヌーの特徴というものがある。今僕たちが進めているウッド&キャンバスカヌーという伝統的なカヌーの作り方では、一つのデザインについて一つ型(「フォーム」という)が必要となる。そのデザインの型があれば同じカヌーを量産できるというわけだ。
本日完成したのはインディアンガールというカヌーのフォーム。
ちょっとした区切りの日となったがまだ喜ぶのは早い、作りたいのは型ではなくカヌーなのでね。

雪
満月・春彼岸入り・大犯土入り
 2022年3月18日 (金)   

満月ちょうどの時間は16:18、月は乙女座に位置しています。20:27からは月は天秤座に移動します。

春分の日を中日に前後3日間は春のお彼岸です。
太陽が真東から昇り真西に沈み、昼夜の長さが同じになる頃です。西方に沈む太陽を礼拝し、あの世に思いをはせ先祖供養を行ったのが彼岸の始まりといわれています。東西昼夜が等しくなることであの世のゲートが開くと考えられ、先祖が帰ってくると考えられています。
彼岸は仏教行事として捉えられていますが、仏教国インドや中国にはない日本独自のもので、太陽信仰の日に願う「日願」と先祖信仰の仏教思想「彼岸」とが結びつき、日本独自の行事となったといわれています。延歴5年(806年)に彼岸会の記録が残っています。

花

大犯土(おおつち)の入りの日です。
陰陽五行思想による六十干支の組み合わせのうち、庚午〜丙子までの7日間を大犯土といいます。この期間は土を犯してはならないといわれています。

花

ハイエースを車検に出して軽トラで帰ってくる途中に車が道の真ん中で止まってしまいました。幸い修理に来てもらい、車は無事動くようになりましたが、このアクシデントでいろいろ考えることがありました。原因はベルトが切れてなくなってしまっていたことで、新たなベルトを装着して使えるようにはなりましたが、危険を回避できる可能性があったのにリスクをとってしまったことによる失敗、これは大きなサインだと受け止めて、次に備えなければなりません。
事故につながらなかったこと、怪我もなく無事に家まで帰って来られたこと、見えない存在に守られていたと感じる彼岸の入りの出来事でした。


スケッチ
桜の木
 2022年3月17日 (木)   

昨夜大きな地震がありました。
震源地は福島県沖、沿岸部では津波注意報が出され、高台に自主避難した人たちもいました。
11年前を思い出すような大きさに、あのときの記憶とともにこれからどうなるのかどうするかを考えながら夜を過ごしました。幸い大事に至ることなく今日を迎えています。

ホダ木

きのこの菌を購入しました。
11年前にも同じように菌を購入し、ホダ木に菌を打つ準備をしていました。原発事故によりそれどころではなくなり、数ヶ月経ってからはからめランドに戻ってきた時、準備されたまま放置されていた数種類のきのこの菌をすべて処分しました。
きのこは放射能を吸収しやすいため、昨年までは野生のきのこを食べることもせず、もちろん栽培することもあきらめていました。
「今年、菌を打ってみよう。」
「生えてきたきのこの放射線量を測れば調査にもなるし、不検出だったら食べられるからやってみよう。」

切り株

ホダ木にする木は広葉樹、きのこの種類にもよりますが、桜や柳の木がいいそうです。
ホダ木は生木でなければなりません。伐採期間は11月〜3月、ぎりぎりまだ間に合います。
そして、まさかの桜が切られました。
はからめランドにはたくさんの桜の木が生えているのですが、桜の中でも一番最後に咲く白い山桜、家の窓から眺めて毎年楽しみにしていた特別な桜の木がホダ木のために切られました。
「なんであの桜を切っちゃったの?桜なら他にもあるのに、切る前に言ってくれればいいのに。」
「もう切っちゃったから今更言うな。」
「…。」
思考が違うもの同士が同じところで一緒に暮らすとしばしこういうことが起こります。
喧嘩しても桜は元には戻りませんし、切った本人もいやな気持ちになるだけです。意味なく切った訳ではなく、もちろんその木は使うために切られたのです。

思考が異なる隣国同士が戦争をしています。どちらかがあきらめなければ戦いは続きます。話し合って解決できないから戦争になった訳で、その憤りを相手にぶつけることなく自分の中で消化していかなければ戦争は終わりません。誰かが仲裁に入ろうと加勢しようと戦争が長引くだけ、どちらかがあきらめるしかありません。正義を掲げても、あきらめなければならない方があきらめる他ないのだと、桜の木から学びました。

世界の縮図がここにあります。
そう思うならば、争わずにいがみ合わずに解決することを選び、ここで小さな平和を実現させなければ世の中は変えられないのかもしれません。

地震、災害、戦争、喧嘩、世の中が混沌としていくときに必要なものは何でしょう。

今日もメープルシロップのためにパンを焼きます。

すいせん
メープル終わり山菜始まる
 2022年3月16日 (水)   

そろそろメープルの樹液採取も満月頃で最終回となりそうです。

2011年3月、収穫しかけた樹液を残してこの土地を離れました。その後数年間はこの森に住み続けるかどうか、この土地のものを体に入れることができるのかどうか悩み続けながら暮らしていました。今こうして山の恵みをいただけることが奇跡のようです。安全でなければ暮らすことはできないし、平和でなければものづくりに専念することもできません。
今起きている戦争にたくさんの人が心を痛め精神を病んでいることと思います。
地球はひとつの星ですから、この星で起きていることには誰もが影響を受けます。すべてはつながりあっていますから、大なり小なりわたしたちはその影響下にあります。
あのときのことを思い出すと、このメープルシロップが平和のひとしずくのように感じられます。平和でなければこの森でメープルシロップを作るなんてことはできませんから。たとえそれがしばしの間のことだとしても。
平和とはいつまでも続くものではなく、守り続けることで維持できるものでもありません。11年前は一瞬でその平和が崩れ去ってしまいました。戦禍に巻き込まれている人々のことを考えると11年前が蘇ってきます。どこに逃げればいいのか、どこに暮らせばいいのか。

ふきのとう

花わさびの収穫に行った帰り道に、偶然のように見つけました。
「この色はもしや…。」
待ちに待っていたふきのとうでした。今年はからめランド初のふきのとう、今までとは別の場所で発見しました。ひとつしか見つからなかったので、「4つくらいあると嬉しいな、」と心で呟いて近くを探すと、なんと3つ隣り合わせのように埋もれているのが見つかりました。全部で4つ。嬉しい収穫です。
山菜採りの楽しみは収穫の楽しさだけでなく、植物との対話ができることにあります。
本で学んだネイティブアメリカンの収穫方法に習ってみることにしました。なんと、このコミュニケーションは目から鱗のようでした。これまで自分で試していた方法でも悪くはなかったのですが、なぜもっとこのシンプルな方法に気づかなかったのかと思うくらい、このコンタクトには心を揺さぶられました。先人たちの叡智から学ぶこと、それは国や民族を超えて伝わります。

山菜のシーズンは始まるとノンストップで続きます。山に入れば何かしら食べられるものがあるというのはありがたいことです。年によって収穫量に変化がありますが、必要以上に採らなければまた翌年にもこの喜びを享受することができます。

スチールバンドを取り付ける

匠くんはコツコツとカヌー製作を進めています。
材料を調達し、先人たちの知恵に学び、失敗と改良を重ね今の方法で再現しています。
「苦手なことを克服するためにカヌーを作っているのかもしれない。」
そう呟いていました。
 

カヌー制作
カヌー制作
 2022年3月13日 (日)   

ここ数日、山の整備と並行してカヌー制作も進めている。春になり暖かくなるというのはこんなにも違うのかと思うほど体が動く。1、2週間前だと工房の中も氷点下、工具が凍りついているような状況だと、やろうやろうと思っていてもなかなか進まないのが現実だった。やはり春はいい。

フィラーの調合

ずっとやらなければと思っていた作業のひとつがカヌーの「フィラー」という塗料の調合。ウッド& キャンバスカヌーは、その名の通りキャンバスでカヌーを包みこむ工法だ。キャンバスはそのままの状態だと水を通してしまうので、キャンバスの水が染み込む空洞の部分を、水を通さない物質で埋めるためこの塗料が必要というわけだ。「埋める」「満たす」を英語でいうと「fill」、だからフィラー。っていうのだと思う。
フィラーは売っていないので自分で調合するしかないのだけれど、その調合レシピってのが、Alkyd paint、Boiled Linseed Oil、Mineral Spirits、Japan Drier、Silica Powder、というやつをそれぞれ決まった分量で調合するのだけれど、ほとんどの人はこの素材のリストを見たら「はて何のことやら?」だと思う。自分も初めはそうだった。また、日本には市販されていないものもあるので、それらと同等の機能を果たす代替品が何であるのかを調べたりと、これを揃え集めるのに結構時間がかかってしまった。そんなこんなでやっとテストしてみた結果、上手くいったような手応えは感じている。

メープルシロップ作り

そしてそろそろピークを超えたメープルの樹液の採取。樹液を煮詰めるのにはこちらの時計型ストーブの方が効率が良く、朝起きたらまずこちらのストーブに火を入れる。毎日のように山の手入れをしていると、カラッカラに乾いたすぐに薪になるような枝が沢山落ちているのでそれを使ってほぼ一日中火を焚き続けている。同時にお湯も湧くし料理もできるし、エネルギーを効率よく使っている感じがして気持ちがいい。 (匠)

わさびの花
11年目
 2022年3月11日 (金)   

ロシアがウクライナに侵攻してから16日目。
チェルノブイリ原発事故から来月で26年目。
原発事故で避難を余儀なくされた人々に中には、再び戦争で故郷を後にせざるを得ない方々がいるかもしれません。
3月10日、東京大空襲から77年目。
第二次世界大戦下、夜間の無差別爆撃により10万人以上の死者、100万人以上の罹災者が出た東京大焼殺。
毎日のようにニュースでは「ウクライナではこれまで〜人の民間人が亡くなりました、死者の中には子供が含まれています。」と報道されています。それが戦争です。

3月11日、東日本大震災から11年目。
戦争や災害を経験し、人類は何を得て学び活かすことができたのか、世界はよくなっているのか、終末時計の針は進んでいるのか。
生きている以上、よい世界を作っていくのは人類にかかっています。
人の心は兵器にもなり平和にもつながるもの、どちらを選択するのか自分で決めなければなりません。

原発で民族滅亡か?希望の自然エネルギーか?
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1996年のエコダイアリー歳時記の中のコラムです。
この時にすでに福島原発に言及しています。もし阪神大震災並みの直下型地震が福島の原発地帯にくれば「まちがいなく日本民族は滅亡する」と予言しています。
予言通り大災害を引き起こしましたが、現在日本民族はまだ滅亡はしていません。でも近い将来どうなるかは今を生きているわたしたちにかかっています。

ウクライナでは原発事故で避難を余儀なくされた方々がいます。そして今、戦争で再び故郷を後にせざるを得ない方々がいます。歴史は繰り返します。これが日本には起こらないと誰が言えるのか、これがウクライナ以外の国には起こり得ないと誰が言えるのか。目に見えない戦争はもう始まっているのかもしれません。人の心は兵器にもなり平和にもつながるもの、どちらを選択するのか決めなければなりません。

日本にはまだ核廃棄物の処分の行方が決められないまま、原子力発電所が存在しています。東日本大震災の原発災害で生じた処理水の行方は海への放出しかないのでしょうか。
再び地震が起こらないと誰が言えるのか、望まない世界大戦に巻き込まれないと誰が言えるのか、迷彩柄の防弾チョッキを支援するなんて、戦争に加担しているかもしれないとの不安はぬぐえません。

11年前の東日本大震災では放射能の恐怖に怯えました。現在チェルノブイリ原発のあるウクライナが戦争下にあります。人類の脅威は放射能だけではありませんが、核戦争になる可能性がないとは誰も言えなくなりました。

地震の後にはオリンピックが、ウイルスの後には戦争が。
感動的なニュースにフォーカスできないのは、まだ何も解決していないからだと思います。

わさびの醤油漬け

今年は寒い日が続いたせいか、わさびの花の数が少なめです。
今年初の花わさび漬け、ほんのひとにぎりですが、初の山菜の収穫です。
この花を見ると旅立った友人を思い出します。植物を見て亡き友を思い出すようになりました。

●花わさびの醤油漬け
花わさびを洗って、2〜3cmに刻む。
80℃のお湯に入れて10秒湯がく。
小さじ1くらいの塩で熱いうちに揉み込む。
密閉容器に入れて3時間寝かし、その後味付けをして保存。
翌日からが食べ頃です。

今回は醤油に少量のメープルシロップを入れて味付けしました。
醤油とみりん、醤油と砂糖、醤油とお酒など、お好みで。
 

一筆箋の販売開始
一筆箋
 2022年3月6日 (日)   

はからめ月のカレンダーを印刷しているヨシ紙で一筆箋を作りました。
カレンダーを印刷する過程で生じるヤレ紙を利用しています。

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一筆箋の販売開始

毎年これだけよく描いたなぁと思います。
カレンダーの毎月の絵は匠とわたし、二人で分担して描いています。一つの絵は一人が描き、二人で一つの絵を描くことはありません。どちらがどの絵を描いたのかは、年々見続けていただければ違いが見えてくるかもしれません。(2002年、2003年のものは残っていません。)

一筆箋、もともとは自分たち用に作っておりましたが、欲しいとのお声にお答えする形で商品化することにしました。お好きな絵を選んでいただき、こちらでその絵を印刷して裁断してお届けします。「そんな手間よくかけられるね、」とのお声が聞こえてきますが、手間をかけることで見過ごされていたものの中から生み出せるものがあります。手間を惜しむと生み出すことは遠のいていき、時間と費用対効果を考えるとカタチにする前に埋もれてしまうでしょう。このように商品化・販売をするまでに10年くらいの歳月が流れています。諦めずにカタチにしたのは、喜びへの情熱から生じる小さな一片を埋もれさせたくなかったからです。
同じエネルギーで作った紙を一度も使わずに資源ごみにしてしまう前に使いたい、欲しいという方へたくさんの種類の中からご自分の希望のものを手にして喜んでもらいたい、そしてそこから生じるひとことを受け取った誰かさんにも喜びを感じてもらいたい、わたしとあなたとその先の誰かのため、そういう思いから生まれた一筆箋です。

「一筆箋?古風だな」なんて思わずに、ぜひ誰かにひとこと添える喜びと、そのひとことを受け取った方の喜びを想像してみてくださいね。たかが一筆、されど一筆。ことばによるエネルギーは、想像以上のミラクルを起こすかも知れません。

メープルシロップ

煮詰めた樹液を濾過すれば、琥珀色のメープルシロップの出来上がり!
(そのためにパンを焼くようなものです。)
 


関連サイト : 一筆箋の販売ページ

モグラの跡
啓蟄
 2022年3月5日 (土)   

二十四節気の啓蟄(けいちつ)、七十二候では蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)、土中で冬ごもりしていた虫が大地が暖かくなり穴から出て来る頃です。 (上の写真はモグラの跡)

日照時間も伸びてきて、寒さの中にも春の訪れを感じるようになってきました。木々も芽吹き出し、日陰の雪も溶けはじめています。

OPEN JAPAN報告書

3月11日を前に、匠が編集・デザインしていた一般社団法人OPEN JAPAN災害支援の報告書が仕上がりました。九州、東北など各地で活動していた仲間たちの声が冊子として、またWEB上でも見られるようにいたしました。
コロナ禍になって2年、活動人数も制限を設けた中での災害支援ではどのようなことがなされているのか、現地との距離が遠のいていくのをどうしたら縮めることができるのか。報告書だけでは伝わらないこともありますが、ぜひ気にしていただいて、今自分が暮らしている日常が日常でなくなったときに慌てずに諦めずに行動していくためのイメージトレーニングをしていただければと思います。
とかく災害現場というと力のある男性が活躍しているイメージですが、多くの災害を経験してたくさんの女性が活躍しているというのも現在のかたちなのではないかと思います。力の強弱に関係なく、どの現場でも志さえあれば何かしらできることがあるということを実感させてくれます。

鍋でメープルを煮詰めている

7本の楓から約20Lの樹液を集めました。これを薪ストーブで二晩くらいかけて500mlまで煮詰めます。
 


関連サイト : OPEN JAPAN報告書ダウンロードページ

薪を割る生活
如月
 2022年3月3日 (木)新月   

旧暦二月は如月(きさらぎ)といいます。立春を迎えたとはいえまだ寒さが残っているため、衣(きぬ)を更に着る月で衣更月(絹更月)、また陽気が更にやって来るので気更来との説もあります。(はからめ月の手帳より)

旧暦二月朔日、新月の今日はグレゴリオ暦では3月3日、ひなまつりです。

3月3日は雛祭りです。「桃の節句」「上巳の節句」ともいいます。平安時代には貴族が自分の厄災を代わりに引き受けさせた人形を流す流し雛が発展して雛祭りとなりました。この邪気を払う行事は、桃太郎が鬼退治をする民話のもとになったと言われています。
「五節句(人日、上巳、端午、七夕、重陽)」とは、奇数の重なる日に「季節の旬の植物から生命力をもらい、邪気を払う」という目的から始まった年中行事です。 (はからめ月の手帳より)

メープルの木から樹液を頂く生活

旧暦二月、グレゴリオ暦3月、時の経つのはあっという間です。
今年の2月は寒さで凍てつく日が続きました。3月に入ってカレンダーをめくると同時にメープルの樹液を集めはじめました。今年は7本の楓からとります。それ用にタンクも購入しました。
「やっと雪が溶けたね、」と話していたら、昨夜にはまた雪が降り、樹液の量も少なめでした。
集めたメープルの樹液を40分の1まで薪ストーブで煮詰めます。たくさんの薪が必要になるので、森の奥の間伐した杉を取りに行き、薪割り作業をしました。暖をとるためでなく、料理やお風呂など一気に火力を上げるものには杉の薪が適しています。

柳の木、今までありがとう。

この勢いで倒れた柳も薪にすべく玉切りして、枝もチップにして全て片付けました。テント場で長いこと一緒に過ごしてきた柳は再び森に還ります。自然に「ありがとう。」とその幹に触れたのは、私たちが来る前からこの森で過ごし、わたしたちの目の前でその一生を終えるまでの、そのいのちを感じているから。木陰をつくり、虫たちの餌となり鳥の餌場となり、落ち葉を溜め土を保水し大地を繁らせ、最後は薪としてわたしたちの暮らしを支えてくれます。木は見返りを求めない無償の愛でできています。

マット製作風景

PEACE SCHOOLのリサから学び、マットを作りました。10年前は鍵棒で編むやり方を教えてもらいましたが、今回は織りにチャレンジ。匠くんに木枠を作ってもらい、縦糸と横糸で手織りしました。
不要となったTシャツや洋服などを切って紐にして縦糸を張り、同じく不要となった服を切って横糸にして織っていきます。やればやるだけ進むのが明確、ひたすら手を動かすだけの単純な作業が続きます。
この作業のいいところは、不要のものが蘇るという点だけでなく、何事にも惑わされることなくひたすらもの作りに没頭できるという点です。瞑想とまではいかずとも、セラピーに近いような気がします。

お風呂場のマットになりました

ここのところ毎日本を読み進めていますが、この世の全ての謎が解けるわけでなく、社会情勢も影響して気分が落ち込み気味だったので、ひたすら作業に没頭して二日で完成してしまいました。インターネットから得る情報は知れば知るほど考え込むようになり更に気が滅入るというループに陥ります。「戦争反対」 との言葉を掲げる一方的な平和主張もなんだか気分がすぐれません。 不要Tシャツももうなくなり、他の気晴らしを考えなければなりません。

新月伐採

モヤモヤしていても解消されないので、山に入って体を動かすことにしました。
年々繁る山の木々、なんとか暖かくなる前に整理したいと思いつつ3月になり、新月伐採というこのタイミングを起動力としました。
今回は材料としての伐採でなく、山の手入れとしての伐採です。作業をするのは1日2日でも(薪にするにはもっとかかりますが)、それに至るまでには10年以上の月日が流れています。今回メープルのために出してきた杉も切ったのは10年くらい前だったような。植物と人間の成長は同じように流れているのかどうか、森に入ると時間という概念が分からなくもあります。

つぼみひらく せかいはじまる

つぼみひらく せかいはじまる
The buds open, the world begins.

ロシアとウクライナの戦争は報道されているような情報だけで理解できるようなものではないので、まずは聖書を読み終えてから再び考えてみようと思います。(それにしても聖書は読み終えるのに時間がかかります…。)

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