畑の柵、リニューアル

昭和の日、キセキレイキタル
。 2020年4月29日(水)

4月29日は昭和時代「天皇誕生日」でした。昭和64年昭和天皇の崩御に伴い同年より「みどりの日」と名称を変更、そして平成19年に「昭和の日」と名称変更され、現在は「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和時代を顧み、国の将来に思いをいたす日」としています。 (はからめ月の手帳より)
「令和の日」ができたらどんな日とするのか、始まって2年で大きく激動、これからどうなるのか国の将来は政治家ではなく、個人の行動にかかっています。

今年もやってきました、キセキレイ。
毎朝5時頃、工房や家の屋根の上でチィチィ鳴いています。どうやら工房に出入りしている様子です。
「あいつ、工房内をどうどうと歩いていたよ。僕が作業している後ろで。」
匠くんは目を光らせて工房に巣を作られないようにしていました。
最近静かだな、と思っていたら、
「やられた。まさかのところだよ。」
なんと、おがくずを入れていた袋の中に巣を作っていました。しかももう片付けられません。すでにたまごが生まれているではありませんか。
キセキレイの卵
「もう移動できないね。」
「困ったな〜。」
毎年ヒナがかえるとヘビにやられてしまうのです。ヘビから守ってあげたくても一日中ずっと見張っているわけにはいきません。たった30分目を離した隙にやられてしまったこともあります。
「上から袋をつるしたら?」
「天井からヘビが落ちてきたらって想像するとちょっとね…。」
しばらくは見守る以外できなさそうです。
作業風景
昨年いのししに柵をぶち破られてジャガイモが全滅しました。補修補修でなんとか持ちこたえてきた柵も限界に達し、ジャガイモと菊芋を植えたので柵を作り直すことにしました。
材料を用意しているわけでもなく、あるもので作りたいな、と思っています。
前回は7年前、山に生えている竹で作りました。その外観に「嵐山風」と名付けたほど出来た当初は美しかったのですが、竹は直射日光を浴びると劣化が早く、今回は竹は使わずに作ることにしました。
「何で作ろうか〜。」
敷地内を見渡せば、間伐した杉を杭にした余りと、薪としていただいてきた廃材がありました。
これまで古材や廃材の利用は表面にプレーナーをかけ塗料を塗って、廃材としてではなく新しい材料として蘇らせて用いていました。が、今回は今日思い立って今日作る、というスピード感を持って完成させることを目標としています。廃材はそのまま利用、スケールも鉛筆もなし、目見当で作りました。

2015年の様子
古くなった竹の柵の撤去をしながら、7年前に作ったときのことを思い出していました。
当時も間伐した竹を有効活用しました(上記写真)。そのときはユンボも軽トラもなく山から手運びで何十往復、完成まで数日かかりました。テント生活で道具も少なく廃材もなく、料理も暖もすべて薪、薪は貴重なもので(もちろん今も)、薪がなくなると山に枝を拾いに行っていました。
今は枝でなく(ユンボくんが)木を運べる、薪大臣と知り合った、軽トラを手に入れたことなどにより薪暮らしが少し変化しました。昭和から令和時代になったような感じです。

慣れない肉体労働でしたが、いただいてきた廃材が活用できたこと、撤去した竹の柵でお風呂を沸かして入れたことが気持ちを晴れ晴れとさせてくれました。ものがなければないなりに、あるもので作ることができるのはありがたいことです。

手作りマスク

マスク
。 2020年4月27日(月)

使い捨てマスクはもちろん購入できません。最初の頃はハンカチを折りたたむハンカチマスクをしていました。切らず縫わずにそのまま使えるという利点がありますが、毎回折りたたむという手間と折りたたみ方によってはズレてしまうこともあるので、すぐに装着できるマスクを作ってみました。
小さな町では珍しいのか、ハンカチマスクのときにも、手作りマスクのときにも見ず知らずの方から話しかけられました。
「あら〜、それいいわね〜。どうなっているの?」
話しかけてくるのはほとんど年上の女性です。ハンカチマスクの作り方をお伝えしたり、手作りマスクをお見せしたりしました。コロナ以前には話しかけられなかった人にマスクで話しかけられるようになるとは思いがけないコミュニケーションでした。これからマスクが習慣化するでしょうから、デザイン性も兼ね備えた選べるマスクで、洋服や雑貨のように楽しむ感覚で使えるようになればいいですね。インターネット上では手作りマスクの情報がたくさんアップされていますが、インターネットを見ない方々もいます。出会った女性はホームセンターやドラッグストアでマスクの入荷待ちをしていたようですが手に入らず、「私は娘に送ってもらったのよ。」と言っていました。
ないものは作る、という発想が広がれば面白いな、と思います。
手作りマスク
台風19号のチャリティー手ぬぐいを送った方から、市販の紙マスクが品薄なのでマスクカバーを作りましたとのメールをいただきました。(写真下)
手ぬぐいでカバーを作って、中に市販のマスクを入れます。紙マスクの機能を保ちつつ、カバーを洗えば何度も使えます。アイデアですね。
チャリティー手ぬぐいはここぞというときのためにとっておいたそうで、ここぞがきた!と用いてくれました。かわいいので切るのに躊躇したそうですが、自分の身を守るためのコレだ!と思い立ったそうです。活用していただけて嬉しいです。
手作りマスクいろいろなアイディアが生まれるのは必要に迫られて、ということが多いです。
必要は発明の母なり、ですね。

タケノコするめ

タケノコするめ
。 2020年4月26日(日)

匠くんは町へ薪取りに、わたしは山で保存食に。

タケノコするめという保存食にチャレンジしています。するめといっても本物のするめではなく、食感がするめのようなタケノコの保存食です。
タケノコするめ
【タケノコするめ】
●材料 タケノコ(アク抜きしたもの)、だし
●作り方 タケノコをだしで煮て味をつける。冷めたら薄く切って天日で干す。
見た目をするめっぽくするのであれば短冊切りに、形を気にしないのであれば一口サイズにスライスします。

乾燥させれば1年保存ができるそうです。
そのままおやつ、おつまみとして食べておいしいです。半生のときにかじってみたらシナチクのような食感でした。保存するのであれば完全に乾燥させます。
タケノコの煮物が余ったときにスライスしてそれを干す、というのでもOK。

このタケノコするめ、驚きの食感と美味しさです。噛めば噛むほどに、するめというネーミングがよくわかります。
ニンジンの葉っぱ人参の葉っぱを乾燥させて、料理のいろどりに使っています。きれいな緑色のまま半年以上持ちます。瓶の中のは昨年12月に干したものです。パセリのような感覚でスープやサンドイッチ、パスタ等のトッピングとして用いています。茎と葉を分けて保存して、茎はスープの材料にしています。

最近地震が多いです。備えあれば、憂いなし。多く手に入った食材の保存食作り、古くなった食材の食べきりなど、梅雨が来る前に一掃しておこうと思います。

苗を綺麗に並べる

しもやみてなえいづる
。 2020年4月25日(土)

七十二候(しちじゅうにこう)の「霜止出苗(しもやみてなえいづる)」。霜のおおいがとれ、健やかに苗が育つ頃です。七十二候とは、太陽暦の一年を72等分にした季節の暦です。
はからめ月のカレンダーの今日のマス目には、苗がすくすくあおあおと伸びている絵が描かれています。下段には漢字とひらがなで読み方を書いています。
苗に水を送る
昨日は農作業のお手伝いに山を降りました。
先日まいた種もみを田んぼに置いていき、水に浸して芽を育てます。種もみは温度管理されたハウスの中でヒゲのような芽を出していました。この苗床を田んぼに並べて上にシートをかけていきます。ビニールシートに単管パイプ、水糸、鉄筋棒、専用の針金など、苗床を育てるための道具が揃っています。針金の頭が黒いゴムになっていて、「外した後うっかり田んぼに残し忘れそうですね、」と言うと「そうそう、ときどき田んぼに置き忘れていたことがあるんだよ。」と言っていました。「黒である必要あるんですか、オレンジのゴム頭だったら目立つので置き忘れなさそうですよね、」「そうだね〜、既製品で昔からこれしかないからね、メーカに言って〜、」と話しながら進めていくと、軽トラ3往復、一輪車数十往復の苗床運びもあっという間でした。
これから様々な年齢の人がたち農業に関わりはじめるでしょうから、デザイン性も兼ね備えた農具を作って、農作業がかっこよくできると楽しいですね。
最後にホースを設置し、水路から取水しプール状にした苗床に水を通します。今は根で呼吸をしているそうで、水を張ったら水を止め、これから伸びて芽で呼吸するようになったらまた水を入れるのだそうです。
あちこちでは水を張った田んぼが鏡のように空を映し出しています。田植えの準備が始まっています。
昨日のお昼ご飯はからめランドにはない山菜をわけてもらいました。
タケノコ掘りとこごみ採りに連れて行ってもらいました。こごみは下処理の必要もなく、洗って湯がけばすぐに食べられます。かつお節醤油やマヨネーズをかけていただくのが一般的な食べ方です。
お豆腐でマヨネーズソースを作りました。お豆腐を食べる感覚でたくさんかけていただくのがおすすめです。

【お豆腐マヨネーズ】
●材料
お豆腐 半丁(1丁でも)
梅酢、酢 各大さじ1(米酢、穀物酢、リンゴ酢などお好みで)
油 大さじ1(オリーブ、菜種、グレープシードなどお好みで)
塩 少々
お好みでメープルシロップや砂糖 少々

※大さじ1の量は目安です。それ以上でもそれ以下でもおいしくできます。
●作り方
まぜるだけです。まぜ方、まぜるものによってオリジナル度が高まります。
1、お豆腐の水気を切る(切らなくてもできます。)
2、材料をまぜる。(フードプロセッサーだとなめらかに、すり鉢だと和え衣のような食感に。)

●バリエーション
白ごまや白味噌を入れて和風に。
油を抜きにして白ごまやくるみ、ナッツ類を入れてコクを出す。
ハーブ入りで香りよく。
ゆで卵を刻んでタルタル風に。
卵黄を入れれば市販の味に。

お豆腐とお酢と塩があれば組み合わせはいく通りにも広げられます。
レモン汁を入れるとお豆腐臭さがなくなります。お豆腐はもめんでしたらディップのようなもったり感が、絹ごしでしたらクリームのような滑らかさが楽しめます。

入れるものを選べるので、ヴィーガン使用にもできます。卵アレルギーの人や油制限、糖質制限している人にもマヨネーズらしさを味わえるヘルシーレシピです。カロリーは半分以下にできます。
お豆腐の代わりに豆乳でも作れますし、お豆腐と豆乳をまぜてゆるくしてもいいです。台所にあるもので思いついたらすぐに作れるので発想力は無限大です。

雨が吹き込まない様に

あるもので作る
。 2020年4月24日(金)

「材料がない。」
必要に迫られて、あるもので作るしかない、ということはありますか。
料理だったり道具だったりいろいろありますが、今日は木材のリサイクルです。
新しい倉庫の雨よけを、急遽あるもので作ることにしました。
リサイクルするのは薪にするためにもらってきた古材です。厚みが揃っているので何かに使えるかもしれないと、まだ燃やしていなかった古材を並べていきます。
ペンキ塗り
まず朽ちている部分をスライドノコで切り落とし、両面にプレーナーをかけます。それから塗料を塗って完成。完成といっても材料が完成しただけなので、これからようやく施工ができます。材料作りの方に手間がかかりましたが、今あるものだけで必要なものを作ることができるのはとてもありがたいことです。切り落とした朽ちた部分の木っ端を集めてお風呂を沸かしました。古くなっても木は燃料となります。材料にならない部分も薪として無駄なく使えることもまたありがたいことです。

すぐに使える材を購入しに出かけることも考えましたが、ここにあるもので賄えるのであれば工夫してみる楽しさもあります。
野菜がなければ野草で料理、材料がなくてもあるもので工夫するしかないという状況を楽しんでみるのも今の状況だからこそ。だからこそ、これまで当たり前のように過ごしてきた日常のありがたさを感じられるのだと思います。
お昼ご飯
初ワラビ、納豆とアサツキひしお麹和え、あご蒲鉾の磯辺焼き、よもぎの天ぷら、雑穀ご飯。
今日もご飯をいただける恵みに感謝して。

カレンダーとマット

整理整頓、創意工夫
。 2020年4月23日(木)

はからめ月のカレンダーに書いてある青い星のマークは流星群を表しています。
暦のお話会でも説明している内容ですが、星のマークが右を向いているか左を向いているかによって、流星が見られる時間帯が翌日との間なのか前日との間なのかを表しています。大きい星のときにはたくさん、小さい星のときには少なく流星群が見られるということも表しています。
ひとつのマークでも、向きやサイズによって伝える内容に意味があります。
昨夜はこと座流星群でした。
今日は新月です。
新月ちょうどの時間は11時26分、月は牡牛座に位置します。

工房の内壁を張り終え、倉庫テントの移動に伴う片付けに取り掛かっています。
森の中の小さな暮らしのはずなのに、こんなにもたくさんのものが倉庫テントの中に眠っていたのかと驚きます。使われないもの、存在すら忘れていたもの、何のためにとっておいたのかも思い出せないものなど、テント生活からスタートしキャンプ道具だけで何年もの間暮らしていたので、「これ使えるかもしれない、」というようなものはすべてとっておいたのたのだと思います。簡単にゴミを捨てられないのも理由です。不用品は町の処分場に有料で持ち込むことができると知ったのは、山生活7年目以降になってからでした。
ものは少ない方がいいとはいえ、不用になったものでもリサイクル、リユースできればいいですね。
T-シャツは素材
家庭で出る不用品も捨てる前に使えるものがあります。20年くらい前の旅先でお世話になった山暮らしの達人、南伊豆でピーススクールという英語を使ったフリースクールを主宰していたアメリカ人のリサに教えてもらった楽しいリサイクル法です。

【不要不急のTシャツリサイクルマット】
●材料 Tシャツ、裁ちばさみ、鍵編み棒(大きめの方が作りやすいです。)
●作り方 
Tシャツを3cm幅に切ります。
手でひっぱって伸ばして紐状にします。
端と端を結んで巻き巻きします。
鍵編み棒を使って編みます。

Tシャツなので洗えること、古くなって色褪せたものでも材料として用いれば古さを感じないことなどがいい点です。思ったよりたくさん必要なこと、使用したい色の量を確保できるかどうかはTシャツの数次第ということが注意点です。不要Tシャツが出たらその都度材料化しておき、急がずに制作するのがいいと思います。不要、不急で作りましょう。

Tシャツなので踏み心地もよく、吸水性に富んでいます。
簡単に出来てかなりオリジナル度の高い作品が作れるということ、不要になったもので使い勝手のいい新しいものが作れるという点が気に入っています。

お昼ご飯
黒千石豆と小豆玄米、ニリンソウ、菜花の辛子和え、ノカンゾウのヌタ、菊芋の味噌漬け。
生えてくるもののバリエーションも増えてきました。

倉庫の整理

地球の日
 2020年4月22日(水)

4月22日は「地球の日」、「アースデイ」と決めてから50年が経ちました。
「アースデイ」とは「地球環境を考える日」です。これまでは全国各地で地球環境について語り合ったり、様々なワークショップが行われてきました。毎年代々木公園で開催されていた「アースデイ東京」は今年はオンラインでの開催となりました。これまで実行委員長を務めてきたCWニコルさんが先日お亡くなりになり、一昨年まで議長を務めていた恩師シキタ純さんも旅立って早2年、イベントの開催もコロナウイルスによる影響でオンライン化、あっという間に時代は変わりました。

ライブハウスや映画館、文化的事業はすべて自粛、スポーツ観戦もオリンピックもオンライン化となるのでしょうか。そのうち海外旅行もオンラインで、パスポートなしで個人情報を入力すればどこへでも行けるようになるかもしれません。5Gが導入されればより多くの情報が蓄積されます。

福島第一原発が爆発したとき、当時は放射能より怖いものはないんじゃないかと思っていました。世界中が影響を受けると思っていましたが、影響を受けているのは一部の地域と住民だけです。
今世界はコロナウイルスという存在によって、地球上すべての人々が影響を受けています。放射能と異なるのは、人間だけが影響を受けるのか、生態系すべてに影響を与えるのかというところです。
地球の日、地球全体のことを考えてみれば、放射能やウイルスと生きる未来を創造できるかもしれません。

タネを蒔く
畑や田んぼをやり始める人、種をまきはじめる人が増えています。危機感を伴うと人は動き出すものです。遊びにも仕事にも行けなくても、土に触れることはできます。ラジオで落語家さんが農耕接触、と言っていました。プランターに種をまいて地球の日を過ごしてみるのもいいですね。明日からは芽が出てくるのを楽しみに、毎日がアースデイとなります。

山菜ご飯
お昼ごはんは敷地内に生えているものを摘んできて、30分くらいで簡単に作れるものでワンプレート、ワンボウルというスタイルです。(こちらは昨日のお昼ご飯です。)
セリご飯、ハルジオンのお浸し、エンゴサク、コゴミ(今年初めての収穫)。
今日も地球にありがとう。

復旧作業の様子

台風19号の復旧作業
 2020年4月20日(月)

時のニュースに忘れられそうな昨年の台風被害の復旧作業が行われています。
台風被害が起こったのは昨年の令和元年10月のことです。わたしたちの町でも道の崩落による通行止めが今も続いています。いつになったら通れるようになるのだろうと思いながら年を越し、迂回路にも慣れ5ヶ月経ってようやく本格的に重機が入り、工事が始まりました。近くの温泉付近の橋も工事が行われ、先日はいつも通れる道が通行止めになっていました。
予算の関係か、気候の問題かはわかりませんが、今になってようやく台風で壊れた道路や橋の復旧作業が行われています。道路工事だけではありません。電気屋さんも復旧作業の電気工事で今とても忙しいと言っていました。

時同じくして、ご近所さんの敷地内にある橋の復旧作業も始まりました。こちらは個人の敷地なので、自分で取りかからない限りはいつまでもそのままになってしまいます。
「ユンボを使って手伝って欲しい」と先日連絡を受け、匠くんが朝から日暮れまでお手伝いに行ってきました。川の中に入って作業をするので、雨の後や雪の降る日にはできません。作業翌日に雪が降り「昨日でよかった〜。」と胸をなでおろしました。通しボルトや土嚢袋、トン袋など、当初必要なのかどうかわからなかったものもその都度活用して、日暮れまでには見通しがつくところまでできました。ユンボ2台、ユニック1台、人手5〜6名での作業となりました。
個人の敷地の復旧は自分でやらなければなりませんから、後回しになったり諦めてしまうところもあるでしょうし、お金を払って業者に委託するところもあるでしょう。地方の山奥の不便なところに人が住みにくいのは、こういう理由もあるのだと思いました。作るより直す方が大変です。山が崩れたり橋が流されてしまって、個人で復旧できる人は少ないと思います。

復旧作業の様子
宮城県丸森町で台風被害の復旧活動をしているオープンジャパンも、コロナの影響でボランティアの受け入れをストップしています。先日ZOOMミーティングをして情報共有しました。
現在オープンジャパン緊急支援チームでは、コロナの影響下で災害が起きた時にどうするかなどの話し合いを行政や他団体と行っています。公民館や体育館のような密集した場所への避難はコロナウイルスの感染拡大につながり、衛生面での不安もあります。災害は予告なく起こるので、今からどう対処していくのかを考えておく必要があります。
体育館ではなく学校の教室を使う、ホテルや旅館を借り上げる、個室テントを準備する、キャンピングカーを用意する、いずれにしても今から対策しておかなければいざというときの動きがとれません。災害復旧に特化したチームでも、ウイルスという災害にはこれまで向き合ったことがありません。わたしたちひとりひとりの行動が社会全体に影響を及ぼし、こんなにたくさんの病院があっても医療崩壊を懸念し、医療従事者でさえも混乱している状況です。そこに予告なく自然災害がやってきたら…。
先日の大雨、今朝の地震で、多くの人がそのことを考えたのではないかと思います。

昨年の台風被害の復旧もまだ終わっていない地方に、こうして新たな波が押し寄せています。災害に次ぐ災害、今できることは何なのか、自分で考えて行動する力を持つことだと思います。待っていて支給されるものはマスク2枚、です。

工房建築の様子

春土用
 2020年4月16日(木)

春の土用が始まりました。今年は立夏までの19日間が土用の期間です。
土用は陰陽五行思想にもとづいて設けられています。五行とは「木火土金水」の五つです。
季節に当てはめると「春は木、夏は火、秋は金、冬は水」になります。四季に当てはまらない「土」は季節と季節の間に分割して入れられ、春土用、夏土用、秋土用、冬土用とされます。
よって、春土用が終われば立夏、夏土用が終われば立秋、秋土用が終われば立冬、冬土用が終われば立春となります。土は四季の間にあって、その生成を助けるものと考えられています。

暦の本には、土用の期間は「土を動かすことを慎むべき」と書いてあります。
「土を動かすこと」とは、「墓掘り、井戸掘り、家を建てる、木を切る」などの大きく土を動かす行為のことです。
土木関係者やハウスメーカーの方々に土用の期間は工事をしていないか尋ねてみました。施主が気にしていれば土用の期間はやらないこともあるそうですが、ほとんどの建築は土用の期間に関係なく納期があり、作業に関しては天候重視となっています。
また土用の期間に切った木には虫が入りやすいといわれています。実際に林業関係者に尋ねてみました。今は乾燥機があるので木を乾かすことが人工的にできるため、虫が入ることはほとんどないそうです。土用を気にして仕事をしたことはなく、土用の作用も知らないという方々がほとんどでした。
今ではお墓や井戸を掘ることはほとんどありません。暦の本に書いてある土用の作用を気にしている人はあまりいないようです。現代では使われてない情報ということです。
現代の土用の作用を考えてみます。
土用は季節と季節の間にあって、その生成を助けるということですから、季節の変わり目の期間ということになります。当然気候の変化がある頃です。体調の変化も起こりやすくなります。
土用の期間に風邪をひきやすい、体調を崩しやすい人は多く、「土用の期間だな、」と知ることによって気をつけることができます。
また、土の期間ですから、大地に根ざした生活スタイルを実践してみることも土用らしい過ごし方だといえます。土から生えてきたものを食べる、土に触れてみるなど、大地の恵みに感謝できるような暮らし方は、自身の生活も豊かに感じられることにつながります。

エンゴサク
山菜、野草の芽吹く時期でもあり、大地が色づきはじめました。収穫させてもらいつつ、草取りや落ち葉の片付けなどをしていたらブヨに刺されました。
山菜とブヨはセットでやってきます。

【ブヨに刺されたら】
その場ですぐにヨモギをもんでつけます。その後、腫れてきて痛みと痒み、熱がこもるようでしたらもぐさのお灸か、お灸がなければ火の熱を伝えられるもの(タバコやライター、ロウソクなど)でがまんできるギリギリの熱さで患部を熱します。あれば患部にビワの葉を乗せて上から炙るといいです。なければ火傷に注意してギリギリまで熱します。
これまで「ヘビイチゴの焼酎漬け」や「ドクダミエキス」「びわエキス」などいろいろ試してみましたが、これが一番効きます。一週間かけて癒していたのが数時間後には楽になりました。これは即効性があります。ブヨの毒の酵素を熱で分解するのだそうです。ちなみに何もしなければ個人差がありますが、だいたい二週間くらい痛痒さが続きます。

植物だけでなく、虫や動物も動き始める季節です。
共存するか否か。殺すことよりも棲み分ける、避けることの方が永続的に暮らせます。ブヨをなくすことなんてできません。大地をすべてコンクリートで覆ってしまうか、大量に薬を散布するか。それでもブヨはわずかな場所を見つけて生き残るでしょうし、それよりも環境悪化で人間自身が生きにくくなります。ブヨを見て社会を考えることができます。
ブヨの場合は長袖長ズボン手袋などで肌を出さないことで回避できます。

ようやく町にもコロナの波が押し寄せてきました。いくつかの店舗は営業を自粛し、テイクアウトのみになりました。都心から実家に帰ってきてテレワークしている方々もいます。コロナ疎開といわれても、子や孫たちのことを思うと断る親はいないと思います。
コロナウイルスのようにもはや拡大して避けられないものであれば、耐性をつくるか免疫力ではねのけるセルフディフェンス(自己防衛)本能を目覚めさせていくしかないと思っています。町の病院で検査して治療してもらえる気がしませんし、感染しても症状に違いがあるのは明らかですから自己免疫機能を高めることで自然治癒していくことを考えます。
山菜ご飯。
今日のお昼ごはんです。
タケノコご飯の上に、左からスイバの塩漬け、フキ味噌、花ワサビの醤油漬け、菜花のゴマ和え、つくしの佃煮。山の恵みでご飯がいただける季節となりました。

参考までに、
はからめ月のカレンダーには土用の期間が青いラインで書かれています。ときどきラインが引かれていない日があります。これは土用の間日とされている日で、その日は土用の作用がない日とされています。かつては間日に土を動かす作業をしていたそうです。

もう少しで壁貼りが終わります。

一粒万倍日
 2020年4月15日(水)

自宅で過ごす時間が多ければ多いほど工房の建築は進み、畑仕事ができます。

塙町で無農薬でお米を作っている農家さんから農作業の手伝いを頼まれました。お米の種まきです。種まきマシンでまくので簡単な作業なのですが、機械にトレーをセットしたり土を入れたりするのは人間がやります。一度機械を動かしたら終わるまでノンストップ、4人でやったら数時間で終わりました。
「半分になっちゃったから楽です、以前はこの倍の量作っていたからね。」
無農薬のコシヒカリ、全国から注文があるそうですが、原発災害前はこの倍の量を作って販売していたそうです。 以前は都内のマクロビオティックのお店にも卸していたという話を思い出しました。
スイバ
休憩時間にタケノコを掘らせていただきました。
「山の方ではまだでしょう、気候が違うからね。スカンポも採って行きますか?」
まだ食べたことのない野草がありました。
存在は知っていましたが、どうやって食べるものなのかわからなかったので採取したことはありませんでした。スカンポというと高知県ではイタドリのことを指しますが、こちらではスイバという植物のことをいいます。酸っぱい茎を塩漬けにして食べるそうで、なんとなくその色合いと味はイタドリに似ています。食べ方は、生でその酸っぱいまま漬物として食べます。いろいろなところによく生えている草なので、見たことがある人も多いと思いますが、食べたことのある人は少ないかもしれません。食べ方はとても簡単です。
手で折れるくらいの柔らかい部分を採り、穂と葉を取り除きます。茎を塩漬けにして食べやすい大きさに切って食べます。酸っぱくて塩っぱい、いわばお漬物のような感じです。イタドリは皮をむくという手間がありますが、スイバは皮をむく必要がないので簡単にできます。春の野草は毒さえなければなんでも食べられそうです。
ジャガイモ畑
じゃがいもがあったので、「植えるんですか?」と聞くと、「もう植えたよ、植える?」と余った種芋をくれました。昨日菊芋を植えたのですが、じゃがいもは昨年イノシシに食べられてしまって植える分がなかったので有り難かったです。午後、はからめランドに戻ってから日が暮れる前までに二人で急いで植えつけました。

一粒のタネからはたくさんのものが収穫できます。
昨日は渋谷のビルの屋上で自家採種したというバジルのタネが届きました。横浜の家の片付けで引き上げてきたベランダのプランターからも枯れたバジルにタネができていました。
タネをまけば育つというこの自然の法則は、都会でも田舎でも同じように作用します。

ちなみに「はからめ月のカレンダー」に記載されている種もみマークは「一粒万倍日」を示しています。

梅の花

満月
 2020年4月8日(水)

春分の日の後の満月は過越祭、4月8日はお釈迦さまの誕生日、今日の満月はスーパームーン、多くの人にとって今日という日は特別な日だったでしょうか、

4月になっても時折り雪が降り、風も強く寒い日が続いています。それでも日脚は伸び、自然は今まで通りの営みを刻んでいます。町へ降りれば桜が、はからめランドでは梅が咲いています。
フキノトウが終わり、たんぽぽ、つくし、みつば、あさつき、クレソン、よもぎが芽生えています。日々のサラダはクレソンとたんぽぽ、毎日摘み草料理を楽しんでいます。
大地があれば自然と植物が生えてくるので、買い物に行かなくてもなんとかなるものです。
かつて母と西麻布のアパートに暮らしていたときにも、わたしは野草を摘んで食べていました。山手線の線路脇に生えているイタドリを採ってきたり、プランターから生えてきたものを食べて春の喜びを感じていたことをこの季節になると思い出します。

クレソンサラダ
母の葬儀や四十九日で横浜から戻ってきて2週間が経過し、今のところ体調の変化はみられませんが、自分たちがキャリアかもしれないという可能性も考慮して人と会うことや不要不急の外出は自粛しています。現在この町周辺では対岸の家事のような人々の動きではありますが。ラジオではコロナウイルスの影響で人々の動きが制限され経済がまわらなくなったニュースが続き、感染者数の拡大と緊急事態宣言を受けて、まもなく都市部から地方へとその波が寄せてくると思います。

人間社会は大打撃を受けていますが、人々の動きが止まった今、地球は安らいでいるのかもしれません。飛行機が飛ばなくなって空は静か、二酸化炭素の排出量も軽減されきれいな空気を保っています。破壊されつつあったオゾン層も戻り、大気圏も澄んでいるようです。
人間にとっては緊急事態ですが、植物や野生動物、地球や宇宙空間に至っては何の問題が生じているのかといえば、問題が改善されつつあるのではないかと思います。

人類はピラミッドの頂点に立っていると思っているでしょうから、この事態を大惨事と捉えています。もちろん次々に人々が亡くなっていくことを考えればその通りですが、家畜といわれる動物の扱いや森林破壊、海水汚染に関しての原因は人間社会の営みにあります。
人間はいわば地球環境にとってのウイルスみたいなものかもしれません。増えすぎて拡大していき破壊していく、まるで現在わたしたちが怖がっているもののようです。
自然環境、地球を含めた宇宙環境に声があるのであれば、これまでやってきたことが返ってきている、と言われても不思議ではないでしょう。このパンデミックがもたらすものは、恐怖でも人口削減でもなく、生き方の方向性だと思います。

職場に出社しなくてもリモートワークできる社会が構築され、インターネットで買い物も会議も勉強もできるようになった今、人々のコミュニケーションは直接よりも回線で触れ合うことの安全性を誰もが感じる世界となりました。
仕事がなくなり経済保証を国に求めるようになり、お金がなければ暮らせないという社会が浮き彫りになりました。そして保証と引き換えにコントロールする社会が構築されていきます。

時間の経過とともにこの事態が終息して、いずれ自由に人と会ったり外出したり飲食したりできるようになったとします。今までと同じ日常を人々が取り戻す、ようになるでしょうか。
人と会わなくても(人間でなくても)できるようになったこと、何かに依存してなければ生きられない状態への恐怖、インターネットなしでは考えられない人々の暮らしは、これまでと同じ生き方へはもう戻らないと思います。
大切なものは何か、という大きな学びもありますが、何が大切なのかがわからなくなってしまったとしたら…。
考える時間がある今のうちに、気づいて行動すること(行動せずに考えること)、
私の場合は家族の死も相まって、山の中でアンタールマウナの日々を送っています。


関連サイト : 『Holiday』Madonna
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