報告書作り。 2019年2月25日(月) 3月11日が近づき、あの日の話題が繰り返されるようになりました。 また春の憂鬱がやってきます。 沖縄で県民投票がなされました。米軍基地の辺野古への移設工事への反対多数、投票者の72%との結果が出ました。有権者の1/4以上の人が反対していることが明らかになったので、玉城知事は安倍総理とトランプ大統領に基地移設断念を求めます。 嫌だやめてくれと訴えても無理矢理押し通したら、もし個人間だったらレイプ行為に等しいです。歴史を見ればそういうことがどれくらいあったのか、それから何が起こったのかが分かります。 今世界はどう動いているのでしょうか。 そうしてまた3月11日がやってきます。 過去の映像や原発被害やその後の復興や憤りや風評被害や感動を浴びせられて、本当に大切なことや今現実に起きていることから目を逸らせるような世論を作り上げるかもしれません。過去の歴史から見ればそういうパターンが繰り返されています。 「過ちは繰り返しませぬから。」 広島の平和記念公園の慰霊碑に刻まれているメッセージです。 歴史は繰り返す、でも過ちは繰り返さないでください。戦争で亡くなった方々へだけでなく、今生きている人々へも伝えなければならない言葉です。 オープンジャパンの報告書の原稿がまだ集まらず、作業は行き詰まっています。 とはいえ、できるところから組んでいくしかありません。何人もの原稿をまとめるのは大変なことです。内容うんぬん以前に、みんなが足並みを揃えてくれるかどうかという難問があって、やっぱり足並みは揃わないんです…。会社や軍隊じゃないので、こればっかりはできることをできる人がやるしかありません、それがオープンジャパンなのです。 という訳で、はからめランドの工房建築作業は「はたをらくに」するため、しばしお休みになっています。
関連サイト OPEN JAPAN
風とロック。 2019年2月23日(土) いつも行く温泉や道の駅に風とロックと書いてある手書きのチラシが張ってありました。出演者の名前を見てみると、石巻で一緒にカヌーに乗って灯籠流しのボランティアをしてくれたTOSHI-LOWさんの名前がありました。彼はブラフマンというバンドのボーカルで、当時一緒にボランティア活動をしていたユカリさんのご縁で石巻に来てくれました。こんな小さな町の公民館でライブするのか…。会いにいってみようか、と二人でロックを聞きに行きました。 塙町のロック好きの若者が集まるに違いない、と早めの昼食をとって公民館へと向かいます。予想に反してロックコンサートやライブ会場という雰囲気ではなく、町おこしイベント風なセッティングに戸惑いながらも、列に並んで会場入り。こんな小さな町にたくさんの人、人、人。なんかロックっぽくないなぁ、と思って見ていると「風とロック」という名のラジオ番組の公開生放送でした。郡山出身のクリエイティブディレクター箭内道彦氏の企画で、福島県内をめぐるキャラバンだそうです。東京で活躍しているバンドTHE BACK HORN、猪苗代湖ズの松本晋二さんが塙町出身だそうで、その影響もあって会場は満員です。ナビゲーターの箭内さんと地元の商工会や町おこし協力隊の方々のトークなどをひとしきり聞きました。期待していたロックコンサートではありませんでしたが、一番最初に演奏した地元高校生の和太鼓と終わり頃ようやく登場したTOSHI-LOWさんの弾き語りはとってもよかったです。 誰か知り合いでもいるかなぁと見渡すと、いました知人。東京時代のイベント仲間で、聞けば仕事で来たそうで、このイベントの関係者でした。地元の知人には誰にも会いませんでした。チラシにはロックミュージシャンの名前と日時だけ、ラジオの公開放送とかイベント内容は一切書いていなかったのですっかり間違えてしまいました。でもこれが今の塙町が求めていることなんだなーと町のことが少し分かったような気がしました。県外からたくさんの人が来てくれるようなイベントをして町を活性化したい、そのためにはツイッターなどの情報ツールを活用していくと効果がある、ということなんだそうです。 「NHKの旅するラジオみたいだったね。」 「風とロック 入場無料って書いてあったけど、ラジオの公開生放送だったんだね。」 「仕事、しなくっちゃ。」「そうだね。原稿集まったかな、」 ただいまオープンジャパンの報告書の制作をしています。今夜がみんなの原稿の〆切日、これから編集、デザイン、入稿となるため、匠くんは今夜から睡眠時間が少なくなります。風のようだったロック、報告書作業の気分転換になったのでしょうか。
雨水、小正月、スーパームーン。 2019年2月19〜20日 立春から15日目、雪が雨に変わり草木も芽吹き始める頃、二十四節気の第二節気、雨水(うすい)です。七十二候では第四候、土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)春の雨が大地を潤し始める頃です。はからめランドの雪もだんだん溶けてきました。 今日は旧暦一月十五日、小正月です。ニュースでは今年最大のスーパームーンとして話題になっていますね。スーパームーンとは月と地球の距離が近いため大きく見える満月のことをいいます。 中国式の暦が導入される前の昔の日本では、満月を特別な力のあるおめでたいものとしてとらえており、一年最初の満月を「元日」としていたという名残が「小正月」の起源と考えられています。 15日だけでなく、14日の日没から16日までの3日間を小正月とする、との考え方もあるようです。ムーンサークルカレンダーの説明書によれば、ハワイアンムーンカレンダーでも満月が4日間続くと考えられています。夜の闇を照らす月の光を感じてみれば、その考え方がよく分かります。 小正月は餅花を飾って祝う「花正月」、女性をねぎらう「女正月」とも呼ばれます。 小正月の朝には小豆の朱色で邪鬼を祓うとして小豆粥を食す風習があります。小豆粥の炊き加減で農作物の吉凶を占ったり、豊作祈願やどんど焼きなどの行事が行われます。 20日、匠くん誕生日。 本人たっての希望ではからめランドで工房建築作業をして過ごしています。
シェアリング。 2019年2月16日(土) 日中は工房の建築作業、夜はオープンジャパンの作業と、「はたをらくに」を実践しています。 午前中から防水透湿シートを張り始めました。風の強い日には破れてしまいそうなので、作業日を選んでいました。「今日なら張れる、」と一人がロールを広げ、一人がタッカーで打ちつけていきます。一重張り終えたところでゲスト到着です。 やって来たのは晋平さん。横浜のシェアハウスに住んでいて、郡山からカーシェアでやって来ました。シェアハウスについていろいろお伺いしました。そのシェアハウスはギフトシェアという概念で成り立っているそうで、今の時代の生き方の1つとしてシェリングして暮らすことの需要が増えていることを感じました。家も車も情報もシェアする時代なのですね。 暖かい部屋でのお茶の時間も一頻り、張り始めたシートを途中でやめる訳にはいかないので、日が暮れる前に作業を再開します。近年シェアエコノミー、ギフトエコノミーという言葉をよく聞きます。時代とともにいろいろな暮らし方があり興味深いです。(よ)
天窓設置。 2019年2月15日(金) 天窓は明かりとり用に3つ、匠オリジナルサイズで作りました。ガラスはサイズオーダーをして、水切りはホームセンターで手に入るものを用いて、匠くんが自分で考えて製作しました。薄い鉄板を切ってハンダで溶接、雨漏りしないようにと考えに考えてのものです。 防水テープとコーキングをして設置、これで天井が塞がり、雨の心配をする必要がなくなりました。 煙突も金具で止め、これで屋根作業が終わったと思いきや、天窓に更に雨漏り防止対策を施すとのこと。既製品を使わないもの作りは、時間と労力を惜しまずに施行するエネルギーを要します。 それにしても今週は寒い日が続きます。作業をしては家のストーブで暖まりを繰り返し、苦行のような日々でした。 アメとムチ、ご褒美のような嬉しい出来事もあり、見えない存在を意識しています。(よ)
屋根張り完了。 2019年2月14日(木) 今日も風が強くかなり寒い日です。 屋根張りもいよいよ終わりが見えてきました。最後の張り、てっぺんの施行をしています。両側から張ってきて、一番最後のトップはどういう風に張るのか、アスファルトを置きながら試行錯誤しています。 「家のときはどうやったっけ?」 一枚ものを1/3に加工して使用することにしました。一番最初に半分に切った残りの部分を使う方法が分からず、プロの屋根屋さんのやり方と違うのかもしれませんが、そこはDIY(Do It Yourself)自己流で施行しているので仕方がありません。 小さな手の傷があちこちにできています。アスファルトでこすったのか、カッターで切ったのか、先日いただいたバンドエイドを開封しています。 屋根が張られるまで長い長い道のりでした。昨年の8月にルーフィングを張ってから半年以上が経過し、ルーフィングの限界を越えたのではないかと感じていたところでの極寒の屋根施行でした。このあとは天窓、煙突の設置です。 午後は山を降りて矢祭町の押田製材所に壁材の注文に行きました。今の時代、ポチリとすれば何でも買えますが、顔の見える信頼できる人がいるということはとてもありがたいことです。先代の頃からお世話になっており、材を注文するといえば押田さん、となっています。 次なる大きなミッションは壁張りです。 天窓と煙突の設置、壁張り前の防水透湿シート張り作業などなど、やることがたくさんあります。先手先手で壁材準備へと進んでいます。やらなければ進まない、ということを肝に銘じています。(よ)
関連サイト 押田製材
屋根張りagain&again。 2019年2月13日(水) 今日も屋根の作業をしています。 大分張れてきました。寒さに凍えながら施行しています。 今日は金槌を使って釘を打ちつけています。手作業なので時間がかかるといえばかかるのですが、ひとつひとつ丁寧にでき、この作業もあとわずかだと思えばがんばれます。 ただ、あまりの寒さにわたしは日暮れ前にギブアップしました。(よ)
屋根張りagain。 2019年2月12日(火) 再び屋根の施行です。 天候により作業が出来たり出来なかったり、メンタル面にも影響しそうですがやらなければなりません。屋根が張られていく面積が目に見えるので、あと数日でできそうだということがモチベーションを下げずにいられます。 二人だと同時進行で南側と北側の作業をすることができます。煙突と天窓周囲の加工に時間がかかっていた南側の屋根が張られました。そして最強マシンであったシュパンシュパンの釘がなくなり、明日からは手打ち作業になります。 夜はオープンジャパンのミーティングです。これまでスカイプだったりメッセンジャーグループでやっていたネットミーティング、今回は「Zoom」というアプリを使用して試みることに。個性の強いメンバーとのミーティングは長長長引いて4クールも「Zoom」の小部屋を移動しました。無料版だと時間が40分に限られています。でも、この限りある時間というのがいいのでは、と長引く会議には時間制限が必要とされることを実感しました。 次回のミーティングは14、15日。さてどうなるでしょう。
建国記念の日。 2019年2月11日(月) 2月11日とは古事記・日本書紀にて初代天皇である神武天皇の即位日、紀元前660年1月1日(旧暦)を明治に入って新暦に換算した日付です。日本の起源を祝日にしようと、初代天皇即位の初日を日本の紀元(歴史が始まる最初の日)とした「紀元節」が、戦後占領軍の意向で廃止され、1966年に「建国をしのび、国を愛する心を養う日」として「建国記念の日」が定められました。 「建国記念の日」が「建国記念日」ではないのは、紀元とは関係なく、建国されたという事実そのものを記念する日だからだそうです。 朝から雪が降っています。張りかけていた屋根作業は再びお休みです。
雪下ろし、屋根再施行。 2019年2月10日(日) 昨日から降り積もった雪の屋根の雪下ろしをしています。 養生したブルーシートの上は滑りやすいので、万全の注意をして作業です。 午前中に雪を下ろし、午後から屋根張りを再施行します。 晴れていますが氷点下です。 室温にしておいたセメントボンドを保温して屋根に上がります。 匠くんは天窓の水切りを設置、わたしはボンドを塗ってアスファルトシングルを置き、釘打ち機で止めていきます。タサキヒロユキさんからエアーでシュパンシュパンと釘が一瞬で打たれるマシンをおかりしました。エアー釘打ち機、すごいです。 アスファルトシングルはカッターナイフで切ることが出来ます。素人でも施行しやすい屋根材だということで今回もこのアスファルトシングルなるものを使用しています。天窓や煙突部分はカッターで加工をして、雨が入り込まないように考えながら作業をします。 夕方頃には寒さも限界点に達し、続きはまた明日にして片付けることに。 屋根張り仕事は腰に負担がかかる大変な仕事だということがよくわかりました。身体は筋肉痛です。 光の加減は春の訪れを予感させますが、体感しているのは極寒の冬、でも植物には季節が感じられるようです。 先日梅の苗木の剪定をしました。 切った枝を花瓶にさしておいたところ、なんと小さな花が咲きました。 この季節の花は貴重です。 花に癒されました。
屋根張り 2019年2月8〜9日 今日が一年中で一番寒いのではないかと思うような日です。 北海道では記録的な寒波が押し寄せているとか、明日は全国的に雪が降る、という予報にもかかわらず屋根張りを施行することになりました。 カヌー仲間であるタサキヒロユキさんにお忙しい最中、駆けつけていただきました。タサキヒロユキさんの本職は瓦屋さん。屋根全般に関しては何でもご存知です。 風が強く、ばらしたアスファルトシングルが屋根から吹っ飛んでいきます。気をつけながらアスファルトシングルを張っていきます。 「こんなに厳しい現場ってあるんですか?」 「もっと厳しい現場やったことあるよ。どうしても間に合わせないといけない時とかね。」 (そっか…。これより厳しい現場もあるのか…。)なんとか自分に言い聞かせます。 それにしても、なぜうちの屋根張りは極寒の厳しいときにやるのだろう…。母屋の屋根張りも2月の雪の時期だったし、工房の屋根張りも2月の大寒波のとき…。なぜなんだ、なぜなんだ。 寒さで身体も冷え冷えですが、3人でやっていると相乗効果でやれるもので、泣きたいことが山のようにあるのですが泣き言を言う間もなく施行していきます。 タサキヒロユキさんに教えてもらいながらコンプレッサーで釘を打ちつけていきます。セメントボンドはガンで打っていくので効率的です。プロ使用の道具と知識による自分たちだけでの屋根張りとの違いに感動しながら、3人で休む間もなく施行しました。三分の一くらいでタイムアウト、日が暮れて明日へ持ち越し、「明日の午前中が勝負だね。」なんて話してカヌー談義などで楽しい夜を過ごしました。 さて、予報では午後から雪予報だったにもかかわらず、朝のラジオ体操時には雪が降っていました。「ブルーシートをかけておいた方がいいかな…。」ブロワーで雪を飛ばしながら養生をして本日の作業は中止となりました。続きは後日、晴れたときに二人でがんばってみることに。 それにしても、なぜうちの屋根張りは極寒の厳しい条件の下でやることになるのだろう。一年は12ヶ月あり、365日あり、選べるというのに、母屋も工房もなぜこんな厳しい日なんだ。施主に聞いたところ、「僕が選んでいるんじゃない。そうさせられているんだ(見えない何かの力に)。」という答えが返ってきました。スケジュールを組んでそれを遂行するために努力すれば出来るんじゃないかと思うのですが、人それぞれ考え方行動の仕方が異なるので、これからはわたしの見えない力を使って厳しくない状況下での施行に挑みたいと思っています。(よ)
拝啓、海老原よしえさま 2019年2月8日(金) 立春の日に旅立ったよしえさんへ。 あなたからはたくさんの愛をいただきました。 たくさんのメッセージをいただきました。 これ以上何を伝えられるだろうか、 心の中で毎日話しかけています。 きっと今たくさんの人があなたに話しかけていて、あなたはひとりひとりにお答えしていることでしょう。いつでもどこへでもすぐに行けるようになったので、行きたいところへ行き、会いたい人に会いに行っていることでしょう。 2004年のWPPD(World Peace Prayer Day)の思い出は忘れることがありません。 嵐の中、祈りの輪をつくるためだけに人々が集まりました。 人生の中で、あのような体験をさせてもらえたことは、大いなる力の働きとその実行者としてあなたがいたからに他なりません。終わった会場の一番最後のホコリを一緒に片付けた思い出は忘れられません。あのホコリは今では誇りとして胸に刻まれています。 いつも先を走っていたよしえさん。 デッドヘッズとして、シンガーソングライターとして、祈りの人として、たくさんの世界を旅してきたよしえさん。 聖人のようなあなたが友人たちと「暴走主婦連連合」としてまつり会場を彩っていたいたあの時代が大好きでした。 スピリットの世界へと旅立ったよしえさん。 たくさんの感謝を込めて、わたしも日々祈りの中で生きていきます。 今はまだお名残惜しくて心が戸惑っていますが、あなたの標した道を歩んで行きます。 これまでもそうであったように、これからも…。 spirits never die. All my relations. 敬具 鈴木よし子
関連サイト 「祈りのうた」海老原よしえ
旧正月 2019年2月5日(火) 旧暦のお正月です。 旧暦では必ず新月が朔日(ついたち)になります。はからめ月のカレンダーでは月の中に朔という文字が書かれている日が新月の日になります。朔という文字には「はじまり」「ついたち」という意味があります。 新月とは太陽と地球の間に月が重なる瞬間に起こる現象ですので、正確には新月の日ではなく新月の瞬間ということになります。とはいえ、見ることができない現象ですから暦から「今日は新月だね、」と理解することになります。この見ることができない現象を見る事ができる瞬間がある、それが日蝕(日食)です。古来から人々は空を見上げて星々にいろいろなものを読み解く鍵を求めていたに違いありません。 中国では旧暦元旦のことを春節といって新年のお祝いをし、帰省ラッシュ&海外旅行で賑わうとのことで、日本への旅行者のために中国でおめでたい色である赤色に東京タワーをライトアップしたとラジオのニュースで聞きました。旧暦の大晦日の前日に連絡をとりあったネパールの友人から「今日は一年中にできた9つの豆や穀物を入れた粥を食して感謝をする日」だと聞きました。ネパールでもお正月は旧暦で祝うそうです。かつての日本もそうでした。新年最初の新月を一年の始まりとする地域は他にもあります。 さて、今の日本。グレゴリオ暦のお正月、立春正月、そして旧暦のお正月、新年を3回もお祝いすることができるのは暦というものがあるからですね。 ひとつの時代が終わり、あたらしきことがはじまる、その境目をわたしたちは体験しているのです。「何事も始まらねば壮んにならず、壮んになることして終わりはなく、終わりなくしては始まらない。こうして限りなく輪廻する。」 新しき月とともに新しき年がはじまります。
立春 2019年2月4日(月) 二十四節気の第1節気、立春です。この日から春がはじまります。 「暦の上では春です〜、」というのが定番の言い回しになっていますね。 こよみのお話会にご参加してくださった方が映画「天地明察」のお話をしてくれました。 この映画、安井算哲(のちの渋川春海)の暦に対する熱意が胸を打ちます。北極星を観測する1年半に及ぶ全国行脚、3年かけた星々の観測による正しい暦法の予測、中国から渡ってきた暦法と日本の暦との地域差を修正し、10年かけて計算から蝕(日蝕、月蝕)を予測するのですが、もし予測が間違えていたならば切腹、という命をかけた陰陽師との真剣勝負に至ります。 天を相手にする、という台詞が何度も出てくるのですが、時を司るものは政治、宗教をも支配することになり、当時暦は帝、陰陽師たちの操るものでした。碁の達人、算術の達人である安井算哲は会津藩から刀を授けてもらい、武士として暦の改暦に従事し、初めて日本初の暦を編纂しました。こうした命をかけた先人達の功績により日本の暦がつくられてきたのです。 明治6年にこれまで日本で使われてきた暦からグレゴリオ暦へと改暦され、今では旧暦という呼び方で以前の暦を呼んでいます。旧暦の頃の月の相は節句や行事のときはいつも同じであり、人々は月を見ながら時の経過や儀礼儀式を執り行なっていました。旧暦の頃のお盆は必ず満月、盆踊りがはじまる頃に月が昇り始めることから、こんな音頭が歌われたのです。今では「月が出た出た〜月が出た〜、ヨイヨイ。」と歌う盆踊りも満月とは限りません。七五三も必ず満月のもとで行われていた行事ですが、今では月の相とは何の関連性もなくなりました。 明日は旧正月、旧暦の元旦です。 立春正月である今日は、旧暦の大晦日になります。 昨日の節分も大晦日、今日の立春も大晦日、今日は立春正月、明日は旧正月。
グレゴリオ暦から目をそらすと、大晦日とお正月を二日間ずつ味わうことができるミラクルな世界に行けるかもしれません。 来月は山形県酒田市へ伺います。今では命と引き換えではなく暦を作れる時代になりました。今を生きる私たちにとって「 暦とは」というわたしたちの観点からのお話もさせていただこうと思います。
●3月10日 こよみのお話会 @山形県酒田市 開場 10:00 第一部 「こよみのよみ方」 10:30〜12:00 ランチタイム休憩 12:00〜13:00 第二部 「こよみから物事の本質を考える」 13:00〜14:30
節分 2019年2月3日(日) 季節を分けると書いて「節分」です。 その名の通り、季節と季節の分かれ目である立春、立夏、立秋、立冬の前日にあたります。年に四回あるのですが、みなさんがよく知っている節分とは立春の前日の節分のことだと思います。 春の始まり、いわゆる新しい年の始まりということから立春正月という考えのもと、前日である節分は大晦日にあたります。一年の邪鬼を祓い健康な新年を願う行事として節分追儺式、豆まきをする風習があります。 調べてみると、陰陽道とともに中国から伝わった魔を払う大晦日の儀礼のことを追儺といい、慶雲3年(706年)に追儺の儀式が行われたということ、平安時代には宮中儀礼となったこと、大晦日と節分が混同されるようになり室町時代には節分豆まきの行事になったことがわかりました。旧暦の時代では節分と正月は前後することも多かったようで、大晦日の追儺儀礼と節分が一緒になったと考えられます。 そもそも鬼とは何を指しているのか、なぜ豆なのか、というのには諸説ありました。鬼=邪鬼、豆=魔目、魔滅など、豆を撒いて魔を滅するとの意味合いから、というのが今の私たちに伝わっている豆まき行事の由来となっています。 もとは豆ではなく、桃の種だったそうです。今では炒った豆でないといけないとされていますね。高僧が鬼に対して「炒り豆から芽が出るまで出て来るな。」と言ったことによるとか、五行思想である木火土水金によると豆は金にあたり、金を火で炒って鬼を追い払うからであるとのこと、また鬼は先住民族のことをさし、その先住民に政権交代を強いた民族が「炒り豆から芽が出たら政権を戻す」と約束をして、毎年大晦日に炒り豆を撒いて「鬼は外〜!」と芽の出るはずのない炒り豆を撒いてこの国を支配し続けたとの話、今に至るまでに千年以上の時を経て形を変え意味を変え、わたしたちに伝わっています。 時を経て、2019年2月3日の節分、今日は栃木県宇都宮市にある「ここからいふ広場」でこよみのお話会を開催しました。「ここからいふ広場」は「こころ」「からだ」「らいふ」をテーマに様々な講座や映画の上映会などを行っています。 主催の上田美和さんは助産師経験をお持ちの多彩な女性、「2年越しでやっと開催できて嬉しいです!」とのありがたいお言葉からはじまりました。 参加してくださった方から「今日この話が聞けてよかったです!」と言っていただけたことはとても大きな励みになります。その人にとって意味がある、という方のためにわたしたちは話を届けに行っています。ご自分の取り組んでいることに役立てていただいたり、これからの生き方や生活の中に、「こよみ」とそこに秘められた世界観を味方につけていただいて、より生きたい方向へと導かれていってほしいと思っています。 暦を使い続け、会いに来てくれた方々へも、心より感謝申し上げます。この世界を一緒に旅する仲間たち、そのひとしずくのエネルギーが大きな流れへと注ぎ込み、この世界を動かすことになると信じています。ご参加してくださった方々、ほんとにどうもありがとうございます。 来月は山形県酒田市へ伺います。
「はたをらくに」 2019年2月1日(金) 百万都市・江戸は、言葉も習慣も異なる人々が全国から集まった異文化のるつぼでした。当時おこるあつれきやトラブルを未然に防ぎ、人々が安心して楽しく暮らせるように、江戸町方のリーダーたちは様々な手だてを工夫しました。その一つが「江戸しぐさ」です。目つきや表情、話し方や身のこなしによって、思い(心)を表現する方法です。〜『江戸しぐさ』より。
江戸しぐさによると、働くとは「傍を楽にする」ことでした。 午前中は生活のために働きお金を稼ぎ、昼食が済んだ午後からは人のため、町のために「傍を楽にする」働き、今でいうボランティアに精をだしたそうです。 人による評価は地位や財産ではなく、どれだけ「傍を楽に」しているかだったというのですから、人間らしい人情溢れる暮らしぶりが伺えます。今でこそ、江戸の町から学ぶこと多しですね。
●2月3日(日) こよみのお話会 @ここからいふ広場(栃木県宇都宮市) 第一部 「こよみのよみ方」 10:30〜12:00 ランチタイム休憩(ベジランチ) 12:00〜13:00 第二部 「こよみから物事の本質を考える」 13:00〜14:30 〇場所:ここからいふ広場 栃木県宇都宮市雀の宮4-26-52 〇定員:15名 〇料金:3500円(ランチ代込) 〇詳細:イベントページ ・ ここからいふ広場
立春正月という考えからすると、節分は大晦日にあたります。 はからめ月の暦の販売も節分まで、としていますが、3月に山形でお話会を開催する予定となりましたので、臨機応変に対応していこうと思っています。
●3月10日 こよみのお話会 @山形県酒田市