この景色はもうすぐ終わり

満月 月noco 2018年6月28〜29

月noco cafeのお二人が訪ねてきました。
奥様のりちゃんはお菓子作りやお料理を、旦那様のキミジーは農業を、二人で月noco cafeという屋号で茂木に拠点を構えました。
「排水はどうしていますか?」「電気の配線は?」「この棚はどうやって…。」
食器の置き場や調味料の瓶などの細かいところに至るまでいろいろチェックしていました。参考となったでしょうか。買い揃えたら楽ですが、お金もかかるし古い物を使わなくなってしまうので、今あるものをきれいに使えるようになれたら素敵だと思います。
これからカフェを始めるために、自分たちでリノベーションしていくのは楽しみですね。
夜の団らん
のりちゃんは2年前にここを友人と訪れたことがあります。その時はまだ独身で、住処も決まっていませんでした。いろいろなところで学んできた経験を聞き、「で、あなたはどういう生活がしたいの?」と尋ねたことをよく覚えています。
そして今。そのときに話していたことがほぼすべて実現しつつあります。
自分の望みを明確に、きちんと言葉にして人に伝えるということができるひとは、必ず具現化することができる、と有言実行の女のりちゃんを見て思うのです。
そして、冬にむけてあれがほしい、というキミジー。
「倉庫にあるよ。あげようか。」
欲しいものを明確にする、人に伝える、まさに目の前で願い事が叶った瞬間です。
キミジーの畑から初収穫のインゲンをいただいて、いい生活が始まったんだな〜と満月の夜にお二人の次なる暮らしをイメージします。月に縁のあるわたしたち、それぞれの場所で輝けるような生き方をしたいですね。どこにいても、月の光はすべての場所に降り注いでいるのです。


関連サイト Noco Noco


夏至の作業

地震・夏至・OPEN JAPAN 2018年6月1823日

地震が続いています。
群馬、大阪、茨城と場所も特定できません。
震災の記憶が蘇ります。

夏に至る、と書いて夏至(げし)です。
一年で最も昼が長い日、朝は4時台から日が昇り、夜は7時すぎまで明るいので外作業の時間も自ずと長くなります。
夏の気配とともに、人類の歴史を考える記念日があります。
世界難民の日。
沖縄慰霊の日。
夏休みの話題になると、頭に浮かぶのは8月6日と9日です。
最近小説「聖書」(旧約篇)を読みました。
人類の歴史は常に戦い殺し奪い合っているのですね。個人で考えたら誰も殺し合いたくないと思うのですが、国家や民族という大きな組織になると生きていることへの感謝だけでは足りなくなってしまうのでしょうか。
なおちゃん
OPEN JAPAN(ボランティア団体)の仲間ナオちゃんが訪ねてきました。
秋田の水害支援で3週間現地に赴き、事務所のある石巻を経由して寄ってくれました。
秋田での活動報告、大阪地震での仲間の災害支援、今後の報告の仕方などを話し合いました。遠距離の移動や車中泊しながらの支援生活、ほんとに頭が下がります。本気で生きているその姿は強くたくましく、この人たちを応援したいと思わずにはいられません。 自分には何ができるのかを目の前で考えさせてくれます。

大阪地震での支援ももちろんですが、災害支援だけではなく、人や環境のために自己の利益を求めずに働くことが最も重要なこととなってくると思います。人のために自分が何ができるのか、現地に行って働くのか、この場所にて支えるのか、どんな方法でもできることはあります。感謝と相手を思いやる気持ちさえあれば。
OPEN JAPANの緊急支援活動を是非応援してください。

私は戦って勝ち取るのではなく、支え合って生きることを選ぶ民族でありたいと思います。


関連サイト OPEN JAPAN


花壇計画

新月・南郷・インタビュー 2018年6月14〜17日

14日4:43、双子座の新月です。双子座はコミュニケーションや論理性などを司る星座です。16:21以降月は蟹座に移動します。蟹座は家庭、ファミリー、心のよりどころなどを司ります。月は見えなくても存在しているように、この世界には見えなくても存在しているものがあるのです。
月が蟹座に移行してからTAD(とうほくあきんどでざいん)8月から11月までのタロットリーディングをしました。TADは仙台近郊を中心とする東北地方の情報冊子です。みなさんのところにお目見えするのは8月になる予定です。〆切のはやい原稿は緊張感があります。
バーベキュー
15日、雨。お隣の矢祭町にある「矢澤酒造店」の矢澤社長からお誘いいただき、矢祭酒造のバーベキューに参加させていただきました。こちらの酒造では「南郷」というお酒を作っています。矢澤さんはこの「南郷」のお酒に魅了され、社長に就任されました。矢澤さんとの出会いは矢祭町の小料理「さかな家」さんのカウンター。矢澤さんは東京の飲み屋ででこのお酒と出会い、感動し、前社長の藤井さん(現顧問)に会い、福島県の最南端の矢祭町で酒造を継ぐことになりました。
バーベキューの席では藤井顧問ともお話しました。藤井さんが社長だった頃、「さかな家」さんで開催した「南郷を楽しむ会」に二人で参加させていただいたときの話を覚えていてくれました。
「そうだよ、暦だよね、暦の話をしたんだよ。カヌーの人っていうからさぁ、」
藤井さんの夢は釧路湿原をカヌーでくだることだそうです。
暦とカヌー、なかなか結びつかないですよね。いつか「月とカヌー」が「宇宙船とカヌー」や「月と六ペンス」くらい耳慣れて覚えてもらえる日がくるでしょうか。
ナベさん
16日、一泊二日で千葉からゲストがやってきました。
「是非お伺いしたい!」と連絡をいただきましたので、何か目的でもあるのかなと思っていました。家を見たり、石垣を見たり、建築現場での製材作業を見たりと興味を持って見学しているようでした。が、
「今回はインタビューをしたい。」 「イ、インタビュー…、ですか…。」
「まず聞きたい項目は何点あります、まずその一〜、その二〜、その三〜、その四〜、その五〜、その六〜、」「え…そんなに???」
ナベさんは高校の国語の先生です。
生徒に興味のある人やあこがれの人へ「インタビュー」をさせて一人称で記事を書く、疑似裁判を行って論理的な思考能力を養う、という一風変わった授業をしています。
世の中にはいくつもの選択肢があるということ、選択し実行すればなんとかなるということ、やりたいことをやり続ければできるということ、これは実験済ですので明らかです。進路を考える人たちの参考になるでしょうか。
進学校に勤務されていると、生徒だけでなく先生方も常にたくさん学び続けているのですね。日本の高校教育の一片を垣間見せていただいた貴重な二日間でした。

注文していた屋根用遮熱塗料が届き、材木が届き、作業の遅れが日に日に実感されるようになりました。とはいえ焦るといいことないので、匠くんはマイペースでがんばっています。


関連サイト 矢澤酒造店


製材、刻み

製材・墨つけ・刻み 2018年6月5〜14日

今年も雨が降ったり止んだりの季節がやってきた。今年、気象庁発表の東北南部の梅雨入り(つゆいり)は雑節の「入梅(にゅうばい)」とほぼ同じ時期だった。そんな時期にはあまり向いていない外での大工作業。
なんとか切り出してきた木を使った材料が全て出揃った。出揃ったというのは加工できる状態になったということで、まだ何も手をつけていない状態である。どの木をどこに使うかを決めて穴あけなどの加工がしやすいように面を出す。言葉で言うのは簡単だが、丸太から”ちゃんとした”面を出すのがかなり大変、もしかしたら一番大変な作業かもって思うくらいだ。
垂直と水平
敷地内に立っていた木を使って建物を建てる大きなメリットの一つに、切り出した木を車に乗せる必要がないということがある。普通、木材を購入するのであれば、3.6mや4mなどの運びやすい材料に加工されたものを車に積んで納品してもらうというのが一般的。しかし、車に乗せる必要がないとなると倒したままそのまま使えるのだ。
差し金と水平器
具体的にいうと今回使う材料で一番長いものはなんと15m以上。想像つく人はこれを聞いて「アホか・・・」って思うほどの長さ、そして重さだ。今回製材した材料は、短くても5m、ほとんどは7m〜10mくらいの材だ。
”ちゃんとした”面を出すためには、”ちゃんとした”墨を出さなければ(線を引かなければ)ならない。その長さの材料にまっすぐの墨を引くのが時間かかった。木材のたわみ、ねじれ、馬の間隔、などなど、なかなか一筋縄ではいかない。あーでもない、こーでもない、おかしいなぁ〜って言いながら納得がいくまで格闘し続ける・・・。15mもある材(木元の直径は50cm以上)は、人力で転がすこともできないので、ユンボ君を使っての作業となるので、一つ一つの作業に時間がかかる。
しかしここをしっかりと押さえておかなければ、後でもっと大変なことになる事がわかっているので時間がかかっても慎重にやるしかないのだ。この自分では持つ事ができない重さの材をユンボ君などを使ってやっと持ち上げて組む時に「あれ・・・おかしいなぁ」って事になりたくないし、そんなことを想像すると身震いがするので・・・。
仕口の刻み
ところで、作業中に僕がいつも呪文のように頭の中で唱えている言葉は「横着(おうちゃく)が一番の敵だ、横着はいけない。」ということ。これをちょっとこっちに動かすだけだから・・・っていって、無理やりやろうとして怪我をする。怪我をすると一日で10できるところが、8とか7くらいになってしまう。そしてその怪我の影響で、できると思っていたことができなくてまた怪我をする。全て「横着」という言葉から始まる。僕がまだ完全にそこから抜け出せていないのは、自分の体の傷を見ればわかる。僕は一生かけてこれを学ぶのであろう。(匠)


製材、刻み

製材作業 2018年6月1〜4日

6月になりました。カレンダーもちょうど半分毎目です。
田んぼの稲は伸び始め、畑の苗は育ち、山の緑はどんどん濃くなり草はぐんぐん繁っています。
いのち溢れる季節です。
キセキレイが毎日屋根のてっぺんにのってさえずっています。
窓から家の中を覗き込んで挨拶しに来たり、ハイエースや軽トラ、ユンボに乗ってさえずったりと存在をアピール、この場所の仲間になりました。
製材、刻み
匠くんは毎日のように製材しています。
山から切り出した杉をユンボで運び、皮を剥いて墨をつけてチェンソーで碾きます。
「今日は二本やった。」「今日は結局墨付けまでしかできなかった。」
青空の下でやっているのでお天気次第で仕事の有無が決まります。
「沖縄で梅雨入りか…。」
梅雨になる前になんとか製材、刻みを終えたいところです。
高田家
毎日朝から日暮れまで製材製材製材中。ご近所さんが見学に来ても、友人が遊びに来ても手を止めるわけにはいきません。今この作業を終わらせないと次へ進めないのです。よって端材の薪割りや草刈り、畑の植え付けは私の仕事になります。休む間もなく一日が過ぎていきます。山の生活は瞑想的で深いです。
ここで生きるために働く暮らしです。家をつくる、水を引く、食材を探す、エネルギーを蓄える。日照時間が伸びてきたので、ソーラー発電が再稼働してくれています。
非電化シャワー
発電の必要のないものもあります。
お風呂がないので太陽熱で暖めた水シャワーを浴びています。
この水シャワー、足でしゅぽしゅぽと踏んで水圧をかけてノズルからシャワーが出る仕組みになっています。タンクを天日にあてて温めて足で踏んで水が出る仕組み、自然エネルギーと自分の運動でシャワーが浴びられます。ないよりマシ、あればありがたい簡易的なものです。
この簡易シャワー、お風呂のない友人から問い合わせがきました。電気やガス、水道の設備がない生活ではキャンプ道具の活用や創意工夫など、いろいろなチャレンジが必要です。できるだけシンプルに、その場所にあったやり方でその人にあった暮らし方ができるといいですね。

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