引越

満月、クリスマス、引っ越し。 2015年12月24〜25日

昨夜の雨は朝にはあがり、気温も高い過ごしやすい日となりました。カレンダーと手帳を待ち望んでいる方がいるので、まずは建築中の家に運び込んだプリンターをつなげて起動させます。その後印刷。調整がうまくいかず、ほぼ半日プリンターの色合わせに手こずりました。
クリスマスイブと新居のファーストナイトのために料理を仕込みます。新居はまだ建築途中のため、キッチンもなく水も使えないので寒いテントで仕込みテントと家を何度も往復して、新しいストーブにダッチオーブンを入れてケーキを焼きます。初めて使うため調整が分らず完璧とはいきませんでしたが、一応チーズケーキが焼けました。月が昇り、外が月明かりで照らされています。長いこと手つかずだったシャンパンを開け、新しいグラスで乾杯。仕込んでいた料理をつまみながら暖かい夜を過ごしました。まだ山小屋のような感じ、しばらくは寝袋生活です。
チーズケーキ
25日、手帳とカレンダーを完成させ、山を下ります。無事発送を終えて家に戻ると、「寒いね。」やはり1日火が入っていないストーブでは暖まりも遅く、昨夜とは打って変わって寒い夜を過ごします。「今夜は寝袋を二重にした方がいいね。」
荷物はまだ運び切っていませんが、生活の場を家に移したことにより、一応引っ越したという気持ちでいます。まだ片付いていないのでテントを畳むのは来年になりますが、「クリスマスには引っ越す」という目標は達成したこととして、あとはキッチンのない家でお正月を過ごせるのかという問題を解決したいと思います。(よ)


最後のゲスト嶋村さんと一緒に

冬至。 2015年12月22〜23日

今日は冬至、1年で一番夜が長い日です。小豆南瓜をつくり、直売所で購入した手作りの刺身コンニャクをいただいて過ごします。冬至は一陽来復といわれ、陰が極まって再び陽が返ってくる日で、冬至を境に運が向いてくると考えられていました。この日は柚子湯に入り、南瓜や蒟蒻を食す慣習があります。南瓜にはカロチンが含まれ風邪を予防する効果があり、柚子の精油成分は血行を促進させ、香りは邪鬼を祓うと言われています。
寒い日が続いています。今年は暖冬といわれ12月に入っても10月の陽気だと聞きますが、はからめランドは水が凍りつき、テント生活は寒さに満ちています。クリスマスには暖かい家で過ごそうと引っ越しを敢行することにしました。
靴棚を作る
23日天皇誕生日、「明日から天気が崩れるかもしれないから運べるものは運んだ方がいいかもしれないね。」テント最終日、ストーブの煙突掃除をして薪ストーブにも感謝を捧げます。午後、先日銀河のほとりで会った嶋村さんが訪ねて来ました。荷運びを手伝ってもらってテントで夜を過ごします。「このテント最後のゲストだね。今夜がこのテントのラストナイトだから。」「ちょうどいいタイミングだった。テントも見たかったし。」
明日はクリスマスイブ、クリスマスに引っ越したらサンタさんは多分来られない…でしょうね…。(よ)


レンガ組み

「蘇生」から銀河のボー年会。 2015年12月19〜20日

宇宙戦争という映画が上映されている中、須賀川にある穀物菜食レストラン「銀河のほとり」で映画「蘇生」が上映されました。先日考えていた放射能の問題にまさに光を灯すかのような内容に希望を感じました。微生物の働きが農薬に代わり農業に貢献していくということ、そして農業だけでなく川の汚れや放射能を無害化していくというものでした。その微生物とは発酵食品にも多く含まれているので、体内に取り込むことで人体からも影響を軽減することが可能であるとのデータを専門家へのインタビューで明らかにしていました。災害後、はからめランドにもEM菌を撒きに来てくれた仲間がいたことを思い出します。わたしたちもいろいろ実験してみましたが、こうした行いをあきらめずに継続していくことが大切だとあらためて感じました。
その映画を観たあとに銀河のボー年会が開催されました。主催の克子さんがあらかじめ多彩なゲストの方々に声をかけており、興味深い話が飛び交いました。農業や人々の生活を持続可能なものにしていく活動をしている飯沼さん、50カ国を旅しシャーマニズムに造詣が深い嶋村さん、震災後大学での教鞭をやめて山奥の小さな集落へ移住し技術を生かして持続可能な暮らしをしている武樋さん、芸術家、自然農をしている方、食とアートを通して地域のコミュニティ作りをしている方、動物保護活動に従事している方、服を作っている方、コーチングの先生、宿の経営者、茅葺き職人、レーサー、他多彩な経歴を持つ希有な方々が語り合います。銀河のほとりはまさに銀河のほとりでした。
翌朝白河を経由して帰路につく途中、ご縁で「ゆう工房」さんにお邪魔させていただきました。腕利きの大工さんが古民家を復活させ、染織家ゆう子さんの「ゆう工房」となりました。今日は工房でドラム缶でロケットストーブを作っていて、大工さんや職人さんからいろいろお話を伺わせていただきました。なんと濃い福島県内一泊二日の宇宙旅、明日から再び月とカヌーライフです。(よ)


関連サイト 銀河のほとり ・ 映画『蘇生』 ・ ゆう工房


放射能測定

測定。 2015年12月15日

ご近所さんからイノシシ肉をいただきました。もちろん食用にです。前回のこともあるので、建築中の家の中で養生シートをかぶせていた放射能測定器を起動させました。結果セシウムが合計で162ベクレル検出されました。
先日都内で伺った話を思い出します。毎年年の瀬に町内でお餅つきがあり、そこで使っている餅米は親類関係のご縁のある茨城県のお米を毎年用いているそうです。町内みんなでいただくということもあり、放射能測定にかけたそうです。結果は不検出でした。ここから問題がはじまります。検査結果をお米を送ってくれた農家さんにお伝えしました。すると、「自分たちのことを信じられないんだったらもううちのお米は使ってくれなくていい。」とのお返事がかえってきました。町内行事のお餅つきにまでつきまとう放射能による人間関係の分裂です。信じられないのは農家さんではなく、国の基準だったり東電の事故隠蔽や後始末、その後の補償問題や未だ解決できない廃棄物処理の問題です。震災から5年近く経とうとしていますが、原発事故が引き起こした問題は今もこうしてご親戚との関係や町内での人間関係にまで影響を及ぼしています。
もうすぐお役目を果たすエマージェンシーシェルター
イノシシ肉をくれた方には前回同様何も伝えません。その方がいいと判断したからです。こうしてインターネットで情報公開しているので隠すことはしませんが、親切心からくれたものに対してその気持ちを壊すようなことはしたくないからです。このような一件からさまざまな問題がいろいろな地域で起こっているのだということを感じます。今の日本が抱える問題は深くて暗い闇のようなところに葬り去られようとしています。日々のニュースは新たな法案や税金の話題、今後もきっと取り上げられるニュースは決められたものになっていくでしょう。その闇の中に光を灯し続けることを諦めないこと、蓮の花が泥の中から生まれるように、闇の中からも希望の光が生まれることもあるのです。(よ)


レンガ組み

霜月。 2015年12月11〜14日

霜月の朔月になりました。小春日和は旧暦10月までですが、暖かい日が続き台風のような風を巻き起こしています。気象の変化が著しい昨今、暦とのつき合い方も変化していく気がしています。
新月のエネルギーを込めて、手帳とカレンダーを仕上げました。ひとつひとつ手で縫い上げるので一気にたくさんは作れませんが、使ってくれる人のところへ届けるまでのこの工程がなんともいえない大切な時間です。今は1日のスケジュールを手帳とカレンダー、そして建築作業を中心に動いています。クリスマスまでに欲しいよね、クリスマスには住めるかな、そんな会話をしながらカウントダウンが始まります。
ストーブ設置
12月13日は「事始め」の日です。新暦ではこの日からお正月をお迎えする準備を始めます 。
いつもお世話になっている温泉施設にも立派な門松が飾りつけられていました。「煤払い」をして年末大掃除を今から小掃除として始めるところも多いようですね。テントと建築場と片付けるところはたくさんありますが、計画的にお掃除をしていかないと片付けたそばから木っ端が舞い上がったり紙が敷き詰められたりします。やはり旧暦で暮らす方がわたしたちには合っていると実感しながらも、町のお正月モードに急かされた気分を味わっています。(よ)


キッチンかんな

宇都宮、常総、東京。 2015年12月5〜8日

5日、宇都宮にある自然食レストランを「キッチンかんな」でお昼ご飯。先日、福島県の「銀河のほとり」で行われたイベントで知り合い、今回訪ねさせて頂く事になった。場所は宇都宮郊外、大きな木が沢山見える場所で広くゆったりしたスペースの「キッチンかんな」スタッフの方々もとてもやさしい感じ。食後、色々と話しをさせて頂き話しの流れで、本日お店には来られていなかったオーナーの塙さんのお宅を訪ねる事になった。
「キッチンかんな」のお店から車で30分、山の中の小高い丘の上に建てられたお家。ご主人が金属加工やネジを作る仕事という話しを以前から聞いており、とても興味を持っていたのでお会いするのが楽しみだった。いざお会いすると次から次へと興味のある話しがどんどん出てきて、お互いノンストップで話し続けてしまい、気がつくと辺りは暗く・・・。「またゆっくり来ます。」と、宇都宮を後にして、今日の目的地常総のボランティア活動の拠点に向かった。
オープンジャパン他、常総市でのボランティア活動はまだつづいている。ちょうど市内別の場所で行われるNPO調整連絡ミーティングの時間だったので参加させてもらった。週2回行われているミーティング、常総市のボランティアが現在どのような活動を行っているのか、今後どのように進めていくのが良いのかなどなど、話し合い、調整していくミーティングだ。
オープンジャパンが拠点とさせて頂いているのは常総市の上三坂地区、そこの公民館を間借りして活動を続けている。
常総市ボランティア活動の朝
6日、よし子はベースにて活動中に拾った物たちの仕分け他、僕はの現場は床上約1m浸水のお宅の、解体を予定していたのだが、やはり建物として使うことになったため、壁を剥いでカビてしまっている断念材を外し、その後床を剥ぐ作業。災害が起きてから約3ヶ月、時間が経てば経つほど見えてくる事があるのだと感じた。
壁剥ぎ作業
お昼過ぎにベースに戻ると上三坂地区の方々が、先日田んぼの中から見つかった御不動様を納めるためのお堂をみんなで建てていた。少し手伝わせて頂き何となく形になったところで常総市を後にした。常総市では、ひーさー、トムといった仲間が動き、情報を発信し続けてくれている、ぜひ下のリンクを覗いてみてほしい。
お堂を組む
7、8日と東京。2日間に色々な事を詰め込みすぎたので9日福島に帰りバタンキュー。都内で一緒に時間を共にしてくれた方々、どうもありがとう。「あいラブSTONE」のぶさん、「カムナ葦舟プロジェクト、ONE OCEAN」の仁さん、「大桃豆腐」の大桃夫妻、下にリンクを貼っておくので皆さんちょこっと覗いてみてほしい。世の中には何かひとつ同じ想いを持ったいろんな人がいる。(匠)


関連サイト キッチンかんな ・ OPEN JAPAN ・ トム吉の災害支援ブログ
あいラブSTONE ・ カムナ葦舟プロジェクト ・ 大桃豆腐


レンガ組み

カレンダーの日。 2015年12月3日(木)

ラジオから「今日はカレンダーの日です。」という言葉が聞こえました。現在日本で使用されている太陽暦が採用されたのは明治5年(1872年)のことです。政府は12月3日を新暦の明治6年1月1日にすると発表し、わずか23日でこれまで太陰太陽暦で生活していた暮らしからいきなり新暦(太陽暦)に変わりました。143年前のことです。それまでは月の満ち欠けで行事を行っていた民族だったということが思われます。祖父や曾祖父の時代はひなまつりは三日月、七夕は七日月、盆踊りは満月、七五三も満月だったと思うと、月を見ながら生活のリズムを感じていたのだろうなあと感慨深いです。短歌や和歌の世界でも月のことを詠んだ歌が多く残されています。美しいだけでなく、日々の行事や農事暦にも密接に関係していたのだと思えば自然なことなのでしょうね。
ストーブ設置
「1時間で終わる。」と言っていたレンガ作業は始めてみれば1日かかり、1日一作品と思いながら作業をしています。そしてようやく暖をとれるようになりました。これで凍えずに作業ができます。テントのデッキが朽ちてくるのとほぼ同時期、すべてはギリギリのタイミングで滑り込みセーフという感じです。(よ)


包丁研ぎのタカさん

インスピレーションがおとずれる。Inspiration will descend upon you. 2015年12月1日(火)

カレンダーをめくりました。最後の一枚、12月です。次の一枚は2016年の始まりのカレンダーとなります。駆け抜けるような年末がやってきました。郵便局に発送に行きましたら、門松が飾られていました。町のお店ではクリスマスソングとともにおせち料理の予約が始まっています。
ストーブの土台
バナナで酵母を起こしてフライパンでパンを焼きました。どちらも初めての試みです。今まで白神天然酵母を用いることが多かったのですが、塙町では手に入らず、残ったバナナで酵母を起こしてみました。いつもはストーブの上にコールマンの組み立て式オーブンを乗せて焼いていたのですが、年期が入って組み立てと折りたたみに手こずるようになってきたので、フライパンで焼けないものかと実験してみました。フライパンの上にステンレスのボールを乗せ、途中でひっくり返して両面を焼きます。塩と砂糖を入れ忘れバナナ酵母と強力粉と水のみでこねましたが、結果はかなり上手く出来た(自己比較です)と思います。おいしそうなにおいがします。中にくるみとクランベリーを入れました。お味もばっちり、とてもおいしく出来ました。必要は発明の母、ないものを工夫してみる楽しさも味わえたのが嬉しいです。(よ)

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