滋賀の地元材と大阪の銘木 2006年11月28日(火) 
カヌーをつくるための木


毎週火曜日にはどこかに出かけるようになっている。今日はカヌーをつくるための材料を取りに大阪まで行く。その前に地元滋賀の木でカヌーをつくってみようという試みから朽木(くつき)村の材木市へ。(ロールオーバー写真)ここの市で買い物をしなかったが、丸太1本から製材してカヌーの材料とするのは魅力的な工程だ。
午後は予定通り大阪へ。俣野さんの案内で伺った先は坪井さんという銘木屋さん。銘木とは大きさや形などがそこらへんに転がってなさそうな木の事で、写真にあるように新幹線みたいな大きさの木とかが普通に売られている。(ちなみに写真のやつは樹齢1000年、1000年前の土石流で1000年間土の中に埋まっていたらしいので2000年の歴史が刻まれているらしく値段は1500万円位だそうだ)もちろんカヌーに銘木を使ったら銘カヌーができてしまって1艇売るのに一生かかりそうだから、そんなことはしないが、坪井さんに頼めばとてもいい状態の普通の木(銘木とまではいかない木)も取り寄せてくれるということから、俣野さんと坪井さんにお任せして材を調達してもらったという訳だ。
着々とカヌーをつくる材料が集まってくるのと同時に忙しくなるはずなのだが、カレンダーを作ったり、年賀状デザインの仕事をやったりと季節の仕事を1日過ぎてしまうような気もする。そんなとき僕はきまって、一生のうちにあんなに作品を残した人間ピカソや人間ガウディなどを思い出して「ひとりの人間ができる事はまだまだこんなもんじゃないはずだ」と、ふとんの中で自分に言い聞かせながら眠ってしまい、何事も無かったようにすがすがしい朝をむかえたりする。  (匠)

どてちんさんがハンコを作ってくれました。 2006年11月26日(日) 
はからめのハンコ
、そして月のプレゼント。

カフェにも常連さんが出来ました。その中のひとり、ゴクミさんが、特技を生かして、はからめのけしごむハンコを作ってきてくれました。ゴクミさん、かなり珈琲がお好きのようで、ふたりで珈琲のお話をしています。置いてある冊子を読んで、フェアトレードの珈琲に興味を持ってくれたり、オーガニックチョコレートを買っていってくれたり。おいしくなければフェアトレードでオーガニックでも手にしませんよね。いろいろ食べて飲んで、わたしも研究しています。からだにやさしくておいしいもの、みなさんも追及してみてください。でもいちばん大事なのはそう感じられる環境ですよね。一杯のお茶を飲むひとときを、充分にくつろいでいただけるようにカフェはいつもゆっくりした時間の流れの中でやっています。豆を手でがりがりと挽く時間、カップを温める時間、お湯を注ぐ時間。蒸らす時間。いただいたハンコかなり気に入っています。抽選で2名さま、はからめハンコを押印したお手紙差し上げます。ご希望のかたは郵便番号、住所、氏名、キャラバンページの感想をお書きになって、〒520−1531滋賀県高島市新旭町饗庭1600−1新旭水鳥観察センター内旅のカフェまでお手紙ください。次の満月までが締め切りです。次の新月の日に新しいデザインのハガキでお手紙します。まだ商品化されていないハガキなので、お楽しみに。 (佳)

旅カフェにて 2006年11月24(金)〜25日(土) 
パエリアパーティ


日暮れにビーグル犬ビーちゃんとお散歩に行ったらコハクチョウを85羽くらい観測。すごい。こんな近くで見られるんだなあ。水鳥観察センターから歩いて行ける浜で、とても静かなところです。散歩をしていて気づいたのですが、奥琵琶湖には昔から変わらない風景が残っているんだなあということ。小川を渡るための木でできた橋、和船、常夜燈、水辺の植物、水鳥たち。風流なものです。館長はよく「フィールドへ出よう」と言っていますが、まさにその通り。夕方頃、大阪からお客様がいらっしゃいました。琵琶湖の奥まではるばると、ようこそ水鳥観察センターへ。レストランの本日のメニューはつきだしにおでん、生ハムバジル、そしてパエリア。大人9人が囲むパエリアは圧巻です。何度も焼き加減をチェックしながら出来上がったパエリアは絶品。きわめつけにハタハタとサンマのスモーク。ゲストの雅人さんは琵琶湖の魚のスモークにチャレンジ。今年の7月、琵琶湖から大阪へのはからめカヌーキャラバンの途中に、ドラゴンカヌーに乗っている方々にお会いしてご挨拶を交わしたのですが、そのドラゴンカヌーに乗っていた内の1人が雅人さんだったという偶然の再会。この秘密のレストランは出会いの場所のようです。カヌークラブをつくっている方、スピーカーにこだわっている方、生物に詳しい方。このレストラン、いつオープンするかは直前までわからないし、看板もありません。まるで誰かの別荘に遊びに来ている感じ。琵琶湖へトリップしにいらしたみなさん、ありがとうございました。 (佳)

ヒロと僕、弘法さん 2006年11月21日(火) 
偶然の新月


毎月21日、京都にある東寺にて「弘法さん」と呼ばれる市が開催される。今回たまたま21日と火曜日(水鳥観察センター休館日)が重なったので、以前より噂を聞いていたこの弘法市に行ってみる事に。車で約1時間、東寺近くの某大型スーパーの駐車場に車を停めて市を見て回った。案内してくれたのはいつお世話になっている俣野さん。骨董、陶器、日用品、刃物、クラフト、屋台などなど、とにかく規模が大きい。見ているだけで半日潰れちゃう。僕達は、ちょっとした買い物と、たいやき、たこ焼きなどを口にして東寺を後にした。
俣野さんと別れ、車を取りに行きがてら某大型スーパー内をぶらぶらと。コーヒーを飲んだり、カフェで使えるキッチン用品を見たりしていたその時、驚くべき出来事が起こった。僕が本屋さんでロッキー6っていつ公開されるのかなぁ、なんて映画情報をチェックしていると・・・・「スズキタクミさんですよね?」。え?僕は何で有名になったんだろう?それともCIAの諜報員が僕を捕まえに?次の瞬間、「ヒロユキです」、ヒロ?「おおぉヒロ!」なんと僕のいとこだ。数年間会っていなかったので、一瞬見ただけでは分からなかった。京都にいる事も気にしていなかったので、日本分の一で発見してくれた気分だ。わぁびっくり。少し話をした後、琵琶湖に遊びに来る約束をしてからヒロに別れを告げた。
辺りは 暗くなってきて水鳥観察センターに近づいてきたとき、佳子がふと携帯メールをチェック。「たくみくーん!」と佳子、なんだなんだ?「お母さん今日、京都に来ていたんだって!」。え?何と驚くことに佳子の母が同じタイミングで京都に来ていた。わぁびっくり。
偶然弘法さんと休館日が重なって来た京都で、偶然僕はいとこに会い、偶然佳子の母も京都にいたそんなグーゼンデーの今日は、偶然新月だった。    (匠)

ワサビ君と、さやかちゃん。 2006年11月20日(月) 
旅のカフェっぽい

琵琶湖でタイは釣れないが、琵琶湖とタイが繋がったような気がした。今日旅のカフェを訪ねてくれたのはワサビ君とサヤカちゃん。2人は今年タイを旅行中に、はからめのみんなの家のカレンダーページにも出演してもらったヒデ君とアスカに出逢い、彼らに琵琶湖で旅のカフェなるものをやっている人達がいると、僕らのことを紹介してもらったという。あすかぁ〜、ヒデくーん、繋がったぞ〜。もちろん初めて会う2人だが話しているうちに、あれも知ってる、これに興味がある、あの人の友達、など共通の話題が次から次へ。いろいろな所に行っているワサビ君とサヤカちゃん、僕らが「はからめ月のカレンダー」を作っている話をすると、嬉しい事にをいろんな所で見かけると話してくれた。なんだか、旅のカフェが旅のカフェっぽくなってきたぞ。  (匠)

2006年11月18日(土) 
琵琶湖駅伝、カレンダー制作者


午前9時頃、水鳥観察センター前を走るランナー。旗を持って応援に熱中するわたしたち。「がんばれー!」「先頭は遠くないぞー!まだぬかせるぞー!」箱根駅伝仕込み(実家近くがコース)の匠くん、激をとばす。
今日は琵琶湖駅伝開催日です。ここ水鳥観察センター前が3区のコースとなっていました。ご近所さんも家から出てきて、旗を振っていました。顔をあわせるとお散歩がてらカフェにもきてくれて、ワインを飲みながら植物のお話。ペパーミントの鉢植えを育てているのですが、「それ雑草やで。そんなん、そこ生えてるわ。」と言って、ハッカを引っこ抜いてきてくれました。きのこも生えているそうで、水鳥観察以外にも湖畔散策が楽しめそうです。
今日は石垣島から実家の金沢に帰省している友人のれいちゃんが、ご家族と一緒に遊びに来てくれました。れいちゃんは今年7月7日に奈奈ちゃんというかわいい女の子を出産したばかり。パパ似の奈奈ちゃんをだっこして、れいちゃんママもうれしそうでした。お兄ちゃんご夫妻もおめでたで、みんなで明るいニュースを運んできてくれました。どうもありがとう! 以前聞いた話しによると、閏月のある年は子どもが多いとか。しかも今年は戌年(イヌ年も子ども多いっていわれてますね)。みなさんのまわりはいかがですか?今月の満月の日には横浜の友人がめでたく出産しました。月のカレンダーを見て満月の日に生みたい!って思っていたらみごと満月誕生日だそうです。出産と月の満ち欠けも関わりが深いですよね。
わたしたちが作っている月のカレンダー、今年で6年目となりました。じつは6年前、月のカレンダーをかたちにしたのはれいちゃんとでした。初代制作者です。みなさんにご紹介できてうれしいです。石垣島で月のカレンダーに出会ったら、れいちゃんにも出会ってください。とっても素敵なお母さんです。 (佳)

湖面に映る虹、匠作業風景(服が虹色) 2006年11月17日(金) 
湖に映る虹


昨日の朝、虹を見ました。今朝も虹が出ていました。そして今日の午後にも虹、虹、虹。こんなに虹を見られるなんて、と思っていたら、ここ高島市ではよくあることだそう。地元の人いわく「それだけ時雨れてるってことですよ。」湖面に映った虹を見て、「円になった虹も見られるかも。」「虹の橋をくぐって鴨がやってきたらなあ」と館長の村尾さん。遠くから来られる人、近くの人、おなじみさんができて楽しい旅のカフェ、そろそろクリスマスのディスプレイをしようかな、なんてかんがえています。匠くんはウドゥンボートセンターに篭りっきり。熱心に何やってるのかな?と覗いて見ると、カヌーを重ねて置けるようなラックを完成させ、制作しやすいように片付けていました。それからカヌーの型をつくる作業にとりかかり、バンドソーという機械で木を切っていました。カフェに棚がほしいな、と思って相談したら、近くのホームセンターへ行き、材を購入し早速棚を作ってくれました。道具があるってすばらしい!棚ができたらずいぶん片付きそう。以前友だちと「お片付けヒーリング」なる仕事をしようかと話していたことを思い出します。片付けることで、その場所も人もすっきりしてヒーリングになることまちがいなし!と思って、友人のお家やお店を片付けていたことがありました。本屋さんで掃除で運を開くハウツー本を見つけ、やっぱりお片づけは大切だなあなんて改めて思いました。みなさんも、年末大清掃で大慌てする前に、まずは不用品にさよならする決心をしましょうね。こういうとき、リサイクル可能なものだと楽しみながら処分先を考えられて、なんだか得した気になるのはわたしだけでしょうか?リサーイクルクルリサイクル。 (佳)

洗濯物が並ぶ、水鳥は並んでいない。 2006年11月16日(木) 
並んだ綺麗さ


望遠鏡にカメラをくっつけると結構綺麗に望遠写真が取れるのを皆さんはご存知だろうか。にしてもこれだけ水鳥が集まると気持ち悪い、なんて言ってはいけないか。でも気持ち悪いものを見たがる習性があるのは僕だけではないと思う。
今日は、僕も佳子も片付けや改造など、身の回りの整理。夜、買い物に行ったあと、駅前にあるホテル可以登(かいとう)でお風呂に入る。税込み300円とお風呂にしては安値にもかかわらずタオルを大小2枚も貸してくれる。関係なけど、ここ高島市の市長の名前も海東(かいとう)さん。ホテル内のコインランドリーで洗濯(300円)もした。お昼は水鳥観察センターが営業中のため洗濯物を干したりできないので、写真(onMouseOver)のようにストーブの周りにドライサークルをつくる。世の中にあるどんなものでも綺麗に並べると美しく見える、不思議な感覚だ。人間以外の動物も物がただ並んでいるのを見て綺麗さを感じることがあるのだろうか?もしかして水鳥も整列してたら綺麗か?いや、それはそれで気持ち悪いだろう。でもそれは違う意味の気持ち悪さだから見た目はすごく綺麗だろう。なんて時々こんな何の意味もない想像。 (匠)

日本海、瓜割の名水 2006年11月14日(火) 
ちょっくら日本海


水鳥観察センターから車で40分走るとそこはもう日本海。福井県の若狭湾だ。今日は火曜日、お休みなので2人ふらりとお出掛けだ。いつものように浜を下を向いて歩いていると、ヘンテコな貝発見、まだ生きている。釣りのおじさんに「これ食べられるんですかねぇ?」と聞くと「しらねぇ」とあっさり。
お昼ごはんは回転寿司。タコ、サバ、ブリの最強トリオ、すごく美味しかった。対岸に座るウニやオオトロばっかり頼むオヤジの職業が気になったが・・・・。
帰りに日本名水百選の1つ、瓜割の名水を汲んできた。「初めて20リットルタンクに汲む人は300円払ってください」と書いてあったのでどうしようか迷ったが、名水公園なる場所を散歩して、水が流れる道、コケや巨木に触れると心が大きくなり「綺麗にしてくれているんだから300円払ってもいいね。」と、さっきまで何を悩んでいたのか。明日から旅のカフェで、瓜を冷やせばあまりの冷たさに割れてしまうほどの水、「瓜割の名水」で入れたてのコーヒーを飲むことができる。ホットコーヒーだから冷たい必要は全くないのだけれど。 (匠)

撮影 2006年11月13日(月) 
7分くらいの映像


よく、博物館や、いろいろな施設に行くと来館者が気軽に見ることのできる短い映像がある。今日は、ここ水鳥観察センターで流す予定の、そんな映像を撮影した。カメラを回し、編集まで行なってくれるのは、水鳥観察センターからすぐ近くの安曇川に住んでいる大堀さん。
撮影のために久しぶりに琵琶湖にカヌーを浮かべる。大堀さん、俣野さん、佳子、そして僕。やっぱり水の上は落ち着く。僕は、俣野さんが作ったラシュトンという工房がデザインしたモデルを復元させた船を使わせてもらった。いま作ろうとしているカヌーが完成してそれに自分で乗ったらどんな気持ちなんだろうかと想像が膨らむ。佳子が1人でカヌーを漕いでいたりする姿も撮影。いつかここで流れる映像としてみんなも観られる日がくるのか?もし、その日が来たらまた報告しようと思う。  (匠)

月のカフェ 2006年11月11日(土) 
月のカフェ


夜の水鳥観察センターへようこそ。今日は「月のカフェ」です。鳥が休む静かな琵琶湖のほとりでひっそりと開催されました。昼間は水鳥を観察しながらゆっくりとした時間をすごしました。飛来したコハクチョウを望遠鏡で観察したり、オオバンやホシハジロなどの鳥を、館長の村尾さんが丁寧に説明してくれます。17時頃からキャンドルを灯しはじめ、ギターとホーミーのアコースティックライブを楽しんだり、ポップコーン片手にシアターに入ってみたりと、みな友だち感覚で楽しんだイベントとなりました。本日のオリジナルメニューは秋野菜ときのこのカレー。おみやげにはスモークしたてのサバ。雨があがって天体望遠鏡で月の観察をしました。今夜は二十一夜。大きなお月様、クレーターまではっきりと見えました。
旅カフェの第一回目のイベントに 門司港からフェリーに乗って、ライブをしに来てくれた清火くん。キャンドルの光を灯しにきてくれた日和子ちゃん、どうもありがとう!ここから何か新しいことがはじまるといいな。 (佳)

ちりとり 2006年11月6日(月) 
伊豆下田 時間使いユウジ君


この文章は、11月10日琵琶湖にて書いているのだが、この日の事は書いておきたいと思い筆を取る。
アビに下田を案内してもらった。思い出してみると合計7ヶ所も訪ねたらしい。「らしい」と言っても訪ねたのは自分たちだが。
下田には変な人が沢山住んでいると下田に住んでいる変な人達が口をそろえて言うが、そんな中でもかなり笑える変な人を紹介したいと思う。ユウジ君だ。まず、彼の作った作品(写真)を見てほしい。「ちりとり」だ。ただちょっと変わった、曲がった木を利用しただけの「ちりとり」じゃないか、と思うかもしれない。実は何とこれ、1本の木からくり抜いて作っているのだ。(とって部分は除く)おかしい。アホかもしれない。アホでもいい。僕がとっても魅力を感じたのは、これを日常で使っているところだ。その他、1本の木からくり抜いたゴミ箱、1本の木からくり抜いた道具入れ、全てユウジ君が自分で作り、自分で日常で使っている。これは通常の時間の使い方ではない。時間そのものがアートか。魔法が使える人のことを「魔法使い」と呼ぶのならユウジ君は「時間使い」だ。もちろんユウジ君が作った物体そのものが作品ではあるのだが、「ユウジ君自体が作品です」とうい説明の方が納得がいく。というと作者はご両親か?
日本に数いる木工家、ユウジ君の作品をみたら転職する人も何人かいるだろう。僕はいま、僕が書いたたったこれだけの文書にかなりの責任を感じている。書くって事はそういうことだと感じる。  (匠)

アビとリサの家、拾い物 2006年11月3〜5日 
伊豆、そして新島


2日の夜、3日朝のフェリーで新島に行くために伊豆下田、アビとリサの家へ向った。夕方に横浜を出たため、到着したのは夜11時くらいになってまったが、2人とも優しくむかい入れてくれた。ありがとう。
3日、アビに下田港まで送ってもらいフェリーに乗る。酔うのを心配して出発してからすぐ寝袋に包まって眠る。約2時間半揺られたが無事にゲボ無く新島に着いた。港にはウドゥンボートセンターの俣野さんが迎えに来てくれた。そう、今回新島に来たのは、俣野さんが誘ってくれたから。何に誘ってくれたのかというと、新島国際ガラスアートフェスティバルというもの。ガラスに興味がある人達が全国から、しかも数日間泊りがけでここ新島にやってくる。その内容は、海外から講師を招きワークショップを行なったり、期間中にに作った作品をオークションにかけたりと、とにかくガラスの事がぎっしり詰まった数日間。
今、琵琶湖で一緒にカヌーを作っている俣野さん。実は日本で唯一のガラス雑誌を出版していた過去を持つ。たった一つのガラス雑誌を取材、編集まで1人で行なっていたということもあり、今回新島に集まったガラス人からも一目おかれている感じがした。それと同時に俣野さんに対し「なんで木で船作ってるんだろう?」という疑問を誰もが持っているような気もした。
2人とも初めて来た新島。俣野さんに案内してもらい島内をぐるっと回り、羽伏浦(はぶしうら)という海岸でゆっくりした。「海岸を歩くときはいつでも下を向いて何かを探す病」 の僕達は今回、風船に付いた鏡の球体を見つけた。(写真)半分に割れるようになっているが、テープでとめてある。中に何が入っているのだろう?興味を集中させる2人が球体に映っている。テープをはがし、パカッと開けてみる・・・・・、誰かが作った毒ガスか?ビートルズの吐いた息か?どんな中身を想像しているのか、その欲に満ちた自分が映る芸術作品か。とにかく何も入っていない。思うのは勝手だが、何を思うかによってその先の人生の向きが少しだけ変わる。今は少しだが先に進めば差は広がる。という事は、一瞬一瞬の想像力が毎回毎回人生の別れ道だ。なんてことを考えながら、バッグの中にその球体を入れてまた歩いた。面白いのは、歩きながらバッグの中に入っているものを取ろうと覗き込むと、バッグの中から見た自分が見える。なんだか笑っちゃう、バッグの中にに住んでいるみたいだ。
海、オークション4日、今日もぶらっと新島めぐり。晩にはフェスティバル開催期間中に作った作品が並ぶオークションが行なわれた。毎年行なわれているこのオークション、僕達は初めて見るので新鮮だった。当たり前だがオークションとは、よくあるギャラリーに飾ってある作品に作家が自分でつけた独りよがりの値段とは違い、その場でその物の金銭的価値がバシッと決まる。それがとても面白い。僕達は、とんとん拍子で上がっていく値段についていく事はできず、何かを手に入れようとする行動はとれなかったが。
5日、新島を後にする日だ。下田までのフェリーの乗船時間は約4時間、頭の中はゲボの心配ばかり。ところがいざフェリーに乗り込んでみると、ぜんぜん揺れないので、逆に本当に出港したのかと心配するほど。俣野さんと3人で下田に到着し、アビとリサの家に向う。そして今日は十五夜、暗くなり満月が頭上に昇り始めてきた頃、夏の間軽井沢で一緒に大工仕事をしたマサやハメさんに久しぶりに会ったり、みんなで焚き火を囲んだりと、ゆっくりした時間を過ごす事ができた。
新島で球体を拾って、下田で球体の上で球体を眺めているってわけだ。球が3つ揃ったら999、銀河鉄道に乗って夜空を散歩か・・・・・揺れなそうだから酔わないだろう。   (匠)


関連サイト: 第19回新島国際ガラスアートフェスティバル

偽紅葉と本物手帳 2006年11月1日(水) 
手帳作って上野で仏像


思ったときにやらなければ、いつまでも手をつけなそうな「はからめ月の手帳」の制作。昨日、何を思ったかデザインをし始めてみたので、今日サンプルを印刷してみた。製本、厚さなどにまだ問題があるので、残念ながら今年から大量に発売とはいかなそうだ。
やり始めたらやり始めたで今度は、時間があったらいつまでも製本やってしまいそうだったので、途中でやめてみて、佳子と2人で上野に行った。上野の国立博物館はライトアップされていて、紅葉していないのに紅葉している感じだった。偽者なのに綺麗、東京はそんなものがあふれている。しかし「綺麗」と言う言葉には本物も偽物もないから。そして博物館で仏像展というのを観た。ほとんど全ての仏像が一本の木から彫ったものだけを集めた展覧会だった。細かい彫刻には驚かされたが、気になるのはいくつかの仏像に「霊木を使ったと思われる」と書いてあるところだ。霊木とは何だろう?神社やお寺に立っている木のことか。旅をしていると日本各地の神社お寺に足を運ぶ事が多いが、なぜそういうところにヘンテコな形の木や大きすぎるほどの木が立っているのだろうかと疑問に思う。ただ昔からというのであれば、古い家の庭にもそれを感じられそうだが、神社やお寺のものとは明らかに存在感が違う。やはり何かがあるのだろう。みんなが思った何かが木の中に入るのだろう。それは「気」か?木は気の表れ?だから「き」って言うのか・・・・みんなが思えば思うほどそうなるという事の表れか。
博物館の帰り上野で一杯引っ掛けてから帰ることに。お店を探していたら、聚楽台という昔からありそうなレストラン。壁には「上野で一番美味しいビールが飲める店」と、まあ大胆な。上野で一番美味しいビールを飲もうと、レストランに入りビールを頼み乾杯。ん〜ん、上野で一番美味しいかも・・・・・そうやってみんなが思えば思うほど、そういう事になるのだろう。  (匠)

 2006年4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月